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北斗

ある殺人者の回心
5.0 5.0 (レビュー1件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 1,890 円
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第8回 中央公論文芸賞

幼少時から両親に激しい暴力を受けて育った端爪北斗。誰にも愛されず、誰も愛せない彼は、父が病死した高校一年生の時、母に暴力を振るってしまう。児童福祉司の勧めで里親の近藤綾子と暮らし始め、北斗は初めて心身ともに安定した日々を過ごし、大学入学を果たすものの、綾子が末期癌であることが判明、綾子の里子の一人である明日実とともに懸命な看病を続ける。治癒への望みを託し、癌の治療に効くという高額な飲料水を購入していたが、医学的根拠のない詐欺であったことがわかり、綾子は失意のうちに亡くなる。飲料水の開発者への復讐を決意しそのオフィスへ向かった北斗は、開発者ではなく女性スタッフ二人を殺めてしまう。逮捕され極刑を望む北斗に、明日実は生きてほしいと涙ながらに訴えるが、北斗の心は冷え切ったままだった。事件から一年、ついに裁判が開廷する―。

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    「北斗」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 5.0

      以前、石田衣良さんの他の作品の後ろのページにこの小説の紹介文が載っていて、とても気になったので図書館で借りて読みました

      私はこの小説を読んで、久しぶりに感動で泣きました
      自分でもなぜだか驚きながら、こらえようとして喉がきゅっと締まりながらも涙が出ました
      この小説の主人公の北斗くんは幼い頃からずっと、虐待やネグレクトを受け続けていました
      そしてその親と別れたあと、その主人公がたった一人信頼を寄せることの出来た里親の綾子さんが不幸の連続のなか病に死亡してしまいます
      そして彼は殺人を犯してしまいます
      ずっと彼は考え続けるんです。自分はどうしたかったのか、綾子さんにどうしてあげたかったのか
      そして被告人である主人公の最後の意見陳述の日がきます
      P485「……僕は、ただ抱き締めて、欲しかった……お母さんに、愛されたかった……ぎゅっと抱き締めて、おまえが好きだと、いって欲しかった……おまえは私の子で、とても大切に思っている……ひとりだけの、かけがえのない子だと……いいことをしても、悪いことをしてもうちの子だと……」
      そう泣きながら話すシーンがあります
      ずっと虐待やネグレクトを受け続け、別れて開放され、信頼できる里親に出会ったら今度はその親が病に亡くなる
      そんな壮絶な人生を歩んできた彼の言葉は法廷の中だけでなく、私の心と涙腺まで揺さぶらせたように思います
      普通に生きてきた人の言葉の重みではないと、感じました

      私は過去に、石田衣良さんの書かれた作品を何冊も読んできましたが彼がこんなにも重く、深く、愛情を表現出来るなんて知りませんでした
      とても良かったです
      虐待というのはいじめと同じように全てが無くなることは無い、というのが現実だと思うんです
      簡単に「助けてあげたい」とか「かわいそう」とか言ってはいけない問題だと思うんです
      レビューの件数からして、あまり知られていないように思いますが是非たくさんの方に読んでいただきたい一冊だと思いました
      主人公の北斗くんが、いつの日か必ず抱き締めて、「好きだ」と、「いいことをしても、悪いことをしてもうちの子だ」と言われる日がきっと来るといいなと思います
      >> 続きを読む

      2019/08/01 by

      北斗」のレビュー


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