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友罪

3.8 3.8 (レビュー3件)
著者:
カテゴリー: 小説、物語
定価: 1,785 円
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    「友罪」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 評価なし

      なんでしょうね、この本はあいませんでした…
      気になるテーマの作品なんで期待してたんですがね。
      この人の読むの2作目なんだけど僕にはあわないかな?

      2015/12/08 by

      友罪」のレビュー

    • 評価: 3.0

      過去に重大犯罪を犯した人間が、会社の同僚だとわかったら?
      薬丸岳が、児童連続殺傷事件に着想を得て、凶悪少年犯罪の「その後」を描いた長編。
      ジャーナリストを志して夢破れ、製作所に住み込みで働くことになった益田純一。
      同僚の鈴木秀人は無口で陰気、どことなく影があって職場で好かれていない。
      しかし、益田は鈴木と同期入社のよしみもあって、少しずつ打ち解け合っていく。
      事務員の藤沢美代子は、職場で起きたある事件についてかばってもらったことをきっかけに、鈴木に好意を抱いている。
      益田はある日、元恋人のアナウンサー・清美から「13年前におきた黒蛇神事件について、話を聞かせてほしい」と連絡を受ける。
      13年前の残虐な少年犯罪について調べを進めるうち、その事件の犯人である「青柳」が、実は同僚の鈴木なのではないか?と疑念を抱き始める。


      著者の近作の中では、人間を描く手間や、深く人間を描くことによって生じてしまう作品自体のボリュームに、臆することなく立ち向かったと思しい、比較的優れた作品でした。
      もともと文章、文体はわかりやすい表現であるので、しっかりした内容の物語であった本作はすんなりと読み終えることができました。


      少年の頃、いじめ被害を目にしながら保身のために友人を自殺に追いやった過去を持つ主人公、益田はジャーナリストへの夢が諦めきれず、腰掛けのつもりで川口のとある工場へ住み込みで働き始めます。
      同じ日に勤め始めた鈴木(青柳)。
      内気な鈴木を気遣う益田は、職場との橋渡し役を買って出、かいあって鈴木も工場の仲間と徐々に打ち解けていきます。
      他方、同じ職場の女性事務員藤沢は過去に多数のアダルトビデオに出演した過去が災いして、転居を重ね、生活の基盤を築けずにいました。
      その藤沢につきまとう男の影。
      ある日、鈴木は、男から藤沢を守ったことで、急速にふたりは惹かれあいはじめます。
      しかし鈴木にも、少年時代に児童二人を残虐的なかたちで殺し、矯正されたという過去を隠していました。
      鈴木は、生まれて初めて、心許せる職場仲間と好きな女性に囲まれ、人生を生きている実感を得ます。
      そんなきっかけづくりをしてくれた益田を「親友」と思い、順風満帆な日々が待っているかに見えましたが、ふとしたことから周囲に漏れ始める彼らの過去。
      過去を暴き立てる世間の悪意の奔流の前に、鈴木や益田、藤沢は為す術もなく、飲み込まれていくのでした。



      薬丸さんの描く人物は、本当にそこいら辺に存在しそうな人物です。
      ですから、違和感なく感情移入できるのですが、そのこと自体に違和感をぬぐえないのは、僕が天邪鬼すぎるからでしょう。
      登場人物の次の行動パターンが先回りして読めてしまうくらい、型に嵌った人物造形です。
      もっと人間は複雑なんじゃないか、もっと人間は薄汚く、弱く、脆いんじゃないか、読んでいる間はずっとそんなことを考えていました。

      また、語り口が加害者からのみという視点が片手落ちです。
      現在どれほど改心して、善良な市民であろうと、「目玉を抉り出して」二人の子どもを殺害した犯人である男に変わりはないわけで、世間はそんな人間を決して許さないでしょう。
      無邪気に新しい人生を歩み始めようとしている青柳には、もっと影があるはずです。
      あまりにも、「殺人」という十字架を背負った者とは思えない描き方には、やはり違和感を感じました。

      「偶然」というのは小説という架空世界の中で、著者が使っていい展開を進める、または変えるカードのひとつです。
      使わないでいると、あまりにも退屈な物語になり、小説として成立しなくなりますが、使いすぎると現実感を喪失し、一気に物語が陳腐化してしまう両刃の剣です。
      本作では、あまりに使い過ぎています。

      過去は振り切れるのか、過ちは許されるのか、たくさんの作家の方々が取り組まれてきたテーマです。
      薬丸さんらしい平易な文体で、この重々しいテーマ最後の物語を最後まで一気に読ませてくれました。

      僕自身が今の勤務先の前に、寮暮らしをしながら新聞販売所で勤めていた経験があり、作中の工場で醸し出されるような職場の一体感や、突然辞めていく同僚の現実感などに触れていたこともあって、そのあたりのくだりは近しい感じで読むことができました。
      また、物語の舞台となる川口、蕨などは現在でも仕事で頻繁に出かける街で、駅や周辺の臨場感は想像する必要はなかったです。
      この点、ラッキーでした。

      上記のように、物語としてはある程度面白かったですが、欠点が散見された分、少し辛い評価と思いますが☆二つに近い三つ。

      作品そのものの軽さ、展開、人物がパターン化していて、新しい挑戦が見られなかった点がどうしても減点材料です。
      ただ、『刑事のまなざし』以来の、安直に物語を紡いでいらした姿勢とは違った、乱歩賞受賞時の気概に満ちた作品と思いました。
      いつも新作を出される出版社とは違っているので、担当編集者さんの力量に依るところも大きかったのかもしれませんね。
      >> 続きを読む

      2014/10/02 by

      友罪」のレビュー

    • >欠点が散見された分、少し辛い評価と思いますが☆二つに近い三つ。

      小さなことでも欠点が見えると面白さは半減というか、入り込めなくなりますからね。勿体ないですよね・・・ >> 続きを読む

      2014/10/02 by ただひこ

    • >ただひこさん

      いつもコメント、ありがとうございます。

      完璧な作品ばかりではないでしょうが、確かに勿体なく感じました。
      大作なんですから、もうちょっと…ですね。
      >> 続きを読む

      2014/10/03 by 課長代理

    • 評価: 5.0

      すごい作品に出会ってしまった
      読者を一度引き付けたら絶対に放さない
      そんな作品
      現在の世の中にある闇と世相を物語にする
      これを得意とする薬丸氏
      この作品も現在の日本で問題となっている様々な過去を持った・・・事情を抱えた人物たちが登場する
      登場人物が問いかけるのは、仕事であったり、家族関係であったり、ジャーナリズムであったり、人生で背負っていくものであったり
      そんな物語の核となる問い
      それが
      少年期に連続児童殺人事件を犯した男のその後とそれに携わることになる人
      厚生施設で人について学び、生きていくための知識を身につけ、社会で生活を始める・・・
      あなたのすぐ隣にいる友人が過去に人を殺したことのある人物だとしたら・・・
      非常に重いテーマであり、人が生きていくことを前面に押し出した難しい内容だがそこは薬丸岳作品
      ボリュームも結構あるが読む手が止まらないすばらしい作品
      感想は、読み手によって色々だと思う
      が、読んで絶対後悔しない、読んでよかったと感じる作品であることは確か
      最後に薬丸氏が示す

      【勇気】

      是非、多くの方に確かめていただきたい
      この作品超おススメです!!!

      「・・・・・・きっとぼくのことを怖がるだろう。だけど、それでもいいんだ。ただ、ぼくは彼に自分のすべてを話したい・・・・・・自分が思っていることのすべてを聞いてほしい・・・・・・味方になってくれなくてもいい・・・・・・どんな厳しい言葉を投げつけられてもかまわない・・・・・・それでも友達でいてほしいんだ・・・・・・それがぼくの願いなんだ・・・・・・」
      http://momokeita.blog.fc2.com/blog-entry-295.html
      >> 続きを読む

      2013/07/07 by

      友罪」のレビュー

    • 過去は過去。
      お付き合いするのは今ですから、あんまり過去にとらわれないようにしたいですねー >> 続きを読む

      2013/07/07 by makoto

    • 以前の上司に言われた言葉が蘇って来ました。

      黙っていないといけない人に、もう黙っていられないからって、話してしまう人は自分が重荷を追うのがイヤで、話してしまって楽になろうとしているだけだで自分に甘えている。

      本当に黙っていないといけないようなことをしてしまったら、一生黙って墓場まで持って行くのが男ってもんだ。

      だから全てを知ってもらい、受け入れてもらおうという気持ちはわかるけれど、それも甘えな部分が有るかも知れないと思いました。
      >> 続きを読む

      2013/07/07 by ice


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