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岳飛伝 十一 烽燧の章

3.0 3.0 (レビュー1件)
著者: 北方 謙三
定価: 1,728 円
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    「岳飛伝 十一 烽燧の章」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 3.0

      辛晃の攻撃に耐えた岳飛・秦容は更に力を増す。
      一方、北で続いていた呼延凌率いる梁山泊軍と兀朮・胡土児の金国軍は最終決戦を迎える。
      金の将軍たちは次々と討たれ、梁山泊も古参の将を失う。

      ほんとうに少しずつ物語は進んでいます。
      延々と書き続けられるほど登場人物と舞台はそろっているため、筆が止まるという事はないでしょう。
      北方水滸伝、まだまだ終焉がみえてきません…。
       
      十一巻の出来事は以下のとおり。※以下、ネタバレです!要注!

      ● 中原に、梁山泊軍総帥・呼延凌率いる数万と、対峙する金軍国総帥・兀朮率いる数万騎。
      かつての南宋戦を彷彿とする大会戦に兀朮の心は躍動しています。
      「こういう戦しかできぬのだな」
      互いの大将の首を獲るまで、ひたすらに将兵を損失し続ける消耗戦。
      呼延凌は、不動の歩兵隊を率いる山士奇将軍を中心に、自ら囮となる機動力作戦で、金国軍を翻弄します。
      ひとり、ふたり…、金の将軍が討たれてゆきます。
      戦場に唸りをあげて撓る七星鞭。
      騎兵の質においては梁山泊を遥かに凌駕する金国軍。
      息詰まる攻防の行きつく先は、歩兵隊、決死の作戦でした。
      「山士奇将軍ごと押しつつめ!」
      呼延凌の号令が轟き、戦の勝敗が決したその瞬間、微動だにせぬ山士奇将軍の姿がありました。
      抱きとめる呼延凌、頽れる山士奇。
      かつて郭盛がつくりあげた精強な歩兵隊を引き継ぎ、さらに数段の高みへと導いた名将の最後。
      この敗戦を機として、金軍は総軍退却。
      梁山泊対金の戦は新たな局面に入ります。

      ● 西遼は耶律大石亡きあと、顧大嫂改め塔不煙が執政となり、韓成らが補佐する、ひたすら厭戦の国家でした。
      梁山泊と蕭炫材が中華全土に網羅した貿易ルート“轟交賈”が機能し、南方や日本からの物資を中継する通行税を主な収入としている平和国家に、蒙古の軍団が乱入します。
      未だ、各部族の連合国家の様相を残す西遼でしたが、その結束は固く、さらに梁山泊の後押しを受けつつ、強固な布陣で蒙古軍を打ち払うのでした。
      なぜ、蒙古は西に征討軍を出したのか。
      それは金国の北辺を担当する将軍・耶律越里の鉄壁の守備が抜けぬがゆえ。
      しかし、その耶律越里にも老いと病の兆候が。
      兀朮は、自身の養子であり、先の梁山泊戦で九死に一生を得、生まれ変わったようになった胡土児を北辺へ差し向けます。
      内政にも悩む兀朮の苦肉の策。
      背後で蒙古軍を操っていたのは、南宋・宰相の秦檜。
      南北を分断させる壮大な陰謀の一手でした。

      ● 秦容と岳飛が望むのは北進。
      景朧の辛晃将軍を抜いて、南宋へ攻め入り、更には長江を越え金へ。
      そこには新たな国の形があるはずでした。
      「尽忠報国」の志。
      「替天行道」の志。
      漢民族による、中華の統一。
      民の為の、民による、戦の無い平和な世。
      地元民をそれぞれの集落に迎え、膨大な規模に膨れ上がった小梁山と岳都。
      その生産力と貿易による富は、既に南宋一国のそれに追いつこうとしていました。
      調練、調練、調練の日々が、将兵たちに、来たるべき南宋戦を嫌が応でも想起させていました。

      ● 衆議庁に王貴が入り、梁山泊の首脳は宣凱と王貴の二人態勢に。
      二人は対金と対南宋という二面作戦を余儀なくされつつも、梁山泊の求める“国のかたち”の理想形を追い求めていました。
      牛直が二人に問いただします。
      「戦が無い。そんなことはおよそ、ありえないことのように思えるのだが」
      「そこに向かうことが、大事だ。軍は特に、自らを否定するのだ。自らを失くすために闘う。それではじめて、戦というものに、意味がでてくるのではないだろうか。王貴も私も、青臭いことを言っているのだろう。しかしな、さまざまな穢れたことに紛れ、強いものにぶつかり、滅びを見つめ、その上で見えてきた青臭いものなのだ。未熟な青臭さではないと思っている。そして、これからも考え続ける」
      蕭炫材と、岳飛と、ともに歩む。
      梁山泊の行く末に希望を見出すため、二人の苦悩と、政事との尽きぬ格闘が続いていました。

      と、いったところです。

      淡淡とした理想郷を具現化しようと踏み出した梁山泊。
      戦の代わりに貿易や商業で国を建てようと邁進する蕭炫材。
      民政に心を配り、正しく強い漢民族国家の再構築を図る秦檜。
      未だ、戦うことのみに自らの存在意義を求める秦容、岳飛、呼延凌。
      それぞれが目指す未来が、なにも間違っていないことが悲しく。
      >> 続きを読む

      2016/04/22 by

      岳飛伝 十一 烽燧の章」のレビュー

    • 終焉見えてこないですか・・・・
      大水滸シリーズは最後まで見届けたいと思っているので、北方さんがどのような結末を考えているのか楽しみです。
      私は楊令2巻目読了です。序盤は人が死なない安心感(*^^*)
      >> 続きを読む

      2016/04/22 by あすか

    • >あすかさん
      いつも、コメントありがとうございます。
      ほんとうにどう終わらせるのか、今から見ものです。
      なまはんかな結末では、ファンは納得しないでしょうからね~。
      >> 続きを読む

      2016/04/24 by 課長代理


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