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岳飛伝 十三 蒼波の章

3.0 3.0 (レビュー1件)
著者: 北方 謙三
定価: 1,728 円
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    「岳飛伝 十三 蒼波の章」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 3.0

      金の新帝は、南宋との対決姿勢を強める。
      岳飛は南宋軍の侵攻を退け、旧岳家軍、秦容軍と連携しての北上を模索する。
      梁山泊は南宋水軍に奪われた交易拠点を取り戻そうと、決死の作戦を練っていた。

      前巻に引き続き、老将・李俊、大活躍です。
      中央では史進が数倍の軍勢を擁する金軍を蹴散らすなど、梁山泊最古参の両雄の豪勇ぶりに、思わず片頬がもちあがる13巻。
       
      十三巻の出来事は以下のとおり。※以下、ネタバレです!要注!

      ● 岳飛は岳都の兵力を三千と定めました。
      南宋内部にも、旧岳飛軍で未だに息のかかった兵力が三千、各地にさまざまな格好で潜伏していました。
      景曨を落とした岳飛は、その眼を北へ向けます。
      同盟を結んだ秦容の到着を待つ間は、自軍の調練の日々です。
      岳雷、崔達といった息子たちの技量を測る段になっていました。

      ● 金国新皇帝・海陵王が軍総帥・兀朮に募らせる劣等感は、海陵王自ら率いる金禁軍による、梁山泊の聖地・子午山侵攻へと奔らせます。 
      子午山の危機をいち早く察知した衆議庁では、早速、子午山救援のための軍を編成することが決定。
      誰を派遣するか。
      王貴や呼延凌に諮ることなく、宣凱の脳裏には、九紋竜・史進の赤備えがありました。
      老兵に死地を与えてくれたとばかり、麾下の赤騎兵と梁山泊遊撃隊のみを引き連れ子午山へ急行する史進。
      寡兵にも関わらず、数倍の大軍をわけも無く蹴散らす史進軍。
      それは、子午山に手を出すことを許さないという、強い決意に満ちたものでした。
      梁山泊の強さに圧倒され続ける海陵王は、もはや軍を統制する判断力も失っていました。
      窮地に駆けつけたのは兀朮。
      翻った青鶻旗を見やって、苦笑いの史進。
      「不出来な新帝に、恐怖の植え付けは十分か。
      これぐらいで勘弁してやってくれと、兀朮が言っている」
      圧倒的勝利を残し、老将軍は意気揚々と本賽へ引き返します。

      ● 若いものたちは誤りを犯すもので、その尻拭いをしてやるのが老いたるもののさだめであろう。
      いちど、梁山泊が放棄を決定した沙門島の奪還をかけ、老将・李俊は、その船軍を北上させます。
      李俊が、韓成忠を屠った後、南宋海軍は瞬く間に生まれ変わりました。
      まったく宰相・秦檜の海軍。
      戦を専らとせず、貿易に主眼を置き、要所を固め、しなやかに海路・川路を往く異質の海軍が誕生していました。
      沙門島を護る守備隊も一筋縄ではゆかぬ、徹底抗戦の構え。
      南宋貿易において、この沙門島の重要さは、宰相である秦檜がわかりすぎるほどに理解していました。
      当然、梁山泊にとっても同じこと。
      日本と中華を繋ぐ交易の要衝。
      そして、孫二娘がその命を賭して護ろうとした、梁山泊飛躍のもととなった交易戦略の発端地。
      一気呵成に攻め寄ることをせず、じわりじわりと島を包みこんでゆく李俊軍。
      仕掛けられた罠を壊滅させ、多大な犠牲を払いながらも沙門島奪還を果たした李俊は、今度こそ日本へ行こうと思い定めていました。
      日本の十三湊に長らく離れた思い人、瓊英。
      たどり着いた異国の地で耳にしたのは、ほんの数日の差で、彼女が旅立ってしまったという報せ。
      運命の残酷さに、うつむき加減の老将から諦めの溜め息が洩れるのでした。

      ● 金という国は戦い続けることこそに存在意義がある。
      強い思いを持つのは兀朮だけでなく、海陵王もまた。
      淮水を越え、南宋に攻め入る決断を下した金王朝。
      軍総帥・兀朮は、海陵王の荒ぶる思いを押しとどめることはせず、敢えて沙歇、阿剌の二枚看板を投入します。
      迎え撃つは南宋の新軍総帥・程雲、数十年に亘り前線で生死の境を行き来してきた生粋の軍人です。
      意外にも、一度ならず二度までも金軍の強襲を撥ねかえす南宋軍。
      海陵王は兀朮の説得の前にいちど兵を引く決断をします。
      金を退けたかに見えた南宋でしたが、頂点に官吏の秦檜を置く国家は、結局のところ、戦を前提としない国家。
      たった一度の大戦を経験しただけで、国庫は火の車に。
      そんな南宋を、岳飛が、秦容が、遥か南方から見定めています。

      と、いったところです。

      梁山泊第三世代にも子が生まれ始め、物語は更に深く、長く続いてゆくようです。
      馬や船などによる移動手段しか持たなかったはずの、彼らの行動範囲の膨大さに改めて驚嘆です。
      >> 続きを読む

      2016/06/20 by

      岳飛伝 十三 蒼波の章」のレビュー

    • 13巻!
      岳飛伝17巻で、この長いシリーズも完結ですね。
      ついに、というか私はまだまだなので先は長いのですが(・・;)
      課長代理さんがゴールされるのを楽しみにレビュー待ってます♪
      >> 続きを読む

      2016/06/21 by あすか

    • >あすかさん
      いつも、コメントありがとうございます。
      完結の報せが届くと、俄然、読み進める速度が上がりますね。
      と同時に寂しさもありますが…。
      あと、ほんとうに終わってしまうのかと、嘘じゃないかと。
      >> 続きを読む

      2016/06/23 by 課長代理


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