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漱石と倫敦ミイラ殺人事件

カテゴリー: 小説、物語
定価: 918 円

英国に留学中の夏目漱石は、夜毎、亡霊の声に悩まされ、思い余って、シャーロック・ホームズの許を訪ねた。そして、ホームズが抱える難事件の解決に一役買うことになる。それは、恐ろしい呪いをかけられた男が、一夜にしてミイラになってしまったという奇怪な事件であった!年少の読者にも読みやすい「総ルビ版」で贈る、第12回日本ミステリー文学大賞受賞記録企画。

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    「漱石と倫敦ミイラ殺人事件」 の読書レビュー

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      光文社 (2009/03)

      著者: 島田荘司

      • 評価: 4.0


        時は1901年2月。ロンドンの下宿先で亡霊の声に悩まされていた夏目金之助(漱石)は、ベイカー街のシャーロック・ホームズのもとに相談しに出掛けるのだった。

        同日、メアリー・リンキイという婦人もホームズのもとを訪れた。
        彼女の弟キングスレイが、中国で呪いをかけられ、その結果として奇行に走っているというのだ。

        その翌々日、キングスレイはなんと一夜にしてミイラ状の死体と化して、密室状態の自室で発見されたのだ。

        シャーロッキアンである著者の島田荘司は、英国留学中の漱石にまつわる史実に着目し、漱石とホームズの顔合わせを実現させてみせたのだ。

        奇数の章は漱石、偶数の章はワトソンが記述者だが、この作品でのホームズは、コカインのやりすぎでおかしくなっており、とても名探偵には見えない。

        奇数の章での彼の奇行と、偶数の章での名探偵ぶりとのあまりの落差に笑えてしまう。
        といっても、別にホームズをこけにしようとしているのではなく、ユーモア小説としてホームズ譚を捉える著者の視点の表われだと思う。

        亡霊の声、ミイラの謎、死体の口にあったメモなどの謎解きと、19世紀から20世紀に移行したばかりのロンドンという舞台設定との見事な融合ぶりも読みどころだ。

        この作品は、著者の作品中、最も遊び心に溢れたミステリだと思いますね。

        >> 続きを読む

        2019/04/14 by

        漱石と倫敦ミイラ殺人事件」のレビュー

      集英社 (1987/10)

      著者: 島田荘司

      • 評価: 4.0

        「占星術殺人事件」「異邦の騎士」「切り裂きジャック・百年の孤独」などの御手洗潔シリーズで、現代の本格探偵小説の旗手である島田荘司の小説を久し振りに読んでみたくなり、今回「漱石と倫敦ミイラ殺人事件」を読了しました。

        なにしろこの本は、コナン・ドイルのシャーロック・ホームズ物語のパスティッシュであり、夏目漱石の「倫敦消息」のパロディであるという二重構造仕立ての奇想天外な物語なのです。

        明治33年にロンドンに留学した漱石は、下宿先で夜な夜な幽霊に悩まされていました。そこで、シェークスピアの講義を受けていたクレイグ先生に打ち明けてみたところ、「帰りにでも寄って相談してみられるのが良かろう」と紹介されたのが、驚くべきことにシャーロック・ホームズだったのです。

        一方、ホームズはというと、リンキイ夫人という金持ちの未亡人の身に起きた奇怪な事件にぶつかっていたのです。リンキイ夫人の弟は、長らく行方不明だったのですが、人の手を借りてようやく見つけだすことが出来たのも束の間、弟は中国にいた頃に恐ろしい呪いを受けていて、ある日とうとうその呪い通り、一夜にしてミイラになってしまったというのです。

        そこで、このミイラ事件の解決に、ホームズと知り合った漱石も参加することになり、物語は漱石の手記とワトソン博士の手記とで交互に語り継がれるという興味深い展開となっていくのです。

        夏目漱石とシャーロック・ホームズものが大好きな、私の知的好奇心を満足させるような"豊饒な物語世界"にグイグイと引き込まれてしまいます。

        ワトソン博士の手記が正統的なホームズ物語のスタイルで描かれているのに対して、漱石の手記は、ホームズは"コケイン"のやり過ぎで頭がおかしくなっており、初対面の依頼人の度肝を抜く、お馴染みの名推理も全く支離滅裂で、推理に反することを言おうものなら、いきなり拳銃をぶっ放すわ、発作を起こすわのハチャメチャぶりなのです。

        事実として、二年間のロンドン時代の漱石は、生活苦や孤独感、西欧への批評意識といったものが鬱積して神経衰弱になり、後年「文学論」を著した時にも、「ロンドンに住み暮らしたる二年はもっとも不愉快の二年なり」と、その序に書いているほどですから、その彼がホームズを歪めて書いてもおかしくはないとも想像出来ます。

        もっとも、漱石の精神の病み具合から考えると、感傷的な余韻を残すラストのエピソードを筆頭に、この作品における漱石の手記は、いささか明るすぎるような気がして、彼の重苦しい病状をこそパロディ化して欲しかったという、若干の不満も残ります。

        もちろん、それによってホームズ物語を基本的にユーモア・ミステリーとして捉える作家・島田荘司のコンセプトそのものを否定するつもりはなく、この作品におけるホームズの名推理ぶりには拍手を贈らずにはいられません。
        >> 続きを読む

        2017/06/03 by

        漱石と倫敦ミイラ殺人事件」のレビュー

      • 島田荘司作品にハマっていた時期が長かったので、自宅にストックしているはずです。

        みたくなって来ちゃいました♪ >> 続きを読む

        2017/06/05 by ice

      • iceさん

        現代の本格探偵小説の旗手、島田荘司の作品には「占星術殺人事件」や「暗闇坂の人喰いの木」などの御手洗潔シリーズの他、「北の夕鶴2/3の殺人」や「奇想、天を動かす」などの吉識竹史刑事シリーズがありますが、御手洗潔を動とすれば、吉識竹史は静ではないかと思っています。

        天才肌の御手洗は、かなりエキセントリックな性格の持ち主で、吉識はハードボイルドなヒーローといったように、それぞれのキャラクターを私はこよなく愛しています。

        特に、私が最も好きな御手洗潔シリーズは、初期の「占星術殺人事件」のように、一つの大きなトリックを作品の中心に置いたものから、その後、1990年代に入ると、数多くの"不可解な事件"や、"幻想的なエピソード"を組み合わせて、壮大なバロック絵画のような世界を展開する作風へと変化してきたと思っています。

        御手洗によって、個々の事件は合理的に解き明かされますが、謎が解けた事によって、かえって尋常ならざる"奇想に溢れる光景"が、我々読者の前に浮かび上がってくる-----というのが、島田ミステリーの最大の特色で、この"島田ワールド"の世界に浸りたくて、彼の小説を読み続けてきたように思います。

        島田荘司は、彼の著書「本格ミステリー宣言」の中で、「要するに『絵』ですね。考えてみれば、文章で考えるものではないんですね、トリックというものは。文章が二次元世界なら、絵は三次元の発想というところがある。読者の発想を超えるには、次元がひとつ上にいかなくてはいけないんでしょう。----もしかするとトリックというものは、絵心がある人ほど得意な分野かもしれないな」と書いていますが、島田荘司という作家はこれからも、ますます目が離せない存在になっていきそうです。


        >> 続きを読む

        2017/06/05 by dreamer


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