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伊豆の踊子

3.7 3.7 (レビュー4件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 380 円
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    「伊豆の踊子」 の読書レビュー (最新順)

    最新のレビュー順 | 人気のレビュー順
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    • 評価: 3.0

      夏の山に降る雨と爽やかな山道をはっきりと思い描くことができた。
      描写がすばらしい。

      2019/10/15 by

      伊豆の踊子」のレビュー

    • 評価: 4.0

      表題作は瑞々しい作品。
      「温泉宿」は、もろに風俗の話で度肝を抜かれる。
      表題作と対象的な作品。

      2018/12/31 by

      伊豆の踊子」のレビュー

    • 評価: 5.0

      「道がつづら折りになって、いよいよ、天城峠に近づいたと思うころ、雨足がすぎの密林を白く染めながら、すさまじい早さでふもとからわたしを追って来た。わたしは二十歳、高等学校の制帽をかぶり、紺がすりの着物にはかまをはき、学生かばんを肩にかけていた。ひとり伊豆の旅に出てから四日めのことだった。修善寺温泉に一夜泊まり、湯ヶ島温泉に二夜泊まり、そしてほお歯の高げたで天城を登って来たのだった。重なり合った山々や原生林や深い渓谷の秋にも見ほれながらも、わたしは一つの期待に胸をときめかして道を急いでいるのだった。そのうちに大粒の雨がわたしを打ち始めた。折れ曲がった急な坂道を駆け登った。ようやく峠の北口の茶屋にたどりついてほっとすると同時に、わたしはその入り口で立ちすくんでしまった。あまりに期待がみごとに的中したからである。そこに旅芸人の一行が休んでいたのだ。」という川端康成の初期の代表作「伊豆の踊子」のあまりにも有名な書き出しの雨の描写。

      その雨に追われるように主人公の二十歳の高校生のわたしは、坂道を駆け登ります。しかし、わたしは雨に追われたという理由だけで道を急いだのではなく、それは峠の上に、胸をときめかす"一つの期待"があったからなのです。

      それは言うまでもなく、踊り子に会えるのではないかという、密かな思いなのです。このあたりを川端康成は、雨足が峠の方へ移って行く事と、わたしの期待が同じように峠の方へと集中されていく事とが、まるで二重写しのように描いていて、彼の描く瑞々しくも清冽な小説の世界へと自然に吸い込まれていき、自然と心が洗われていくのを感じるのです。

      こうして、峠の茶屋に着いたわたしは、そこに踊り子の姿を発見し、期待が見事に的中したことに内心驚くのです。それは、我々読者にやがて清浄な恋の始まりを暗示しているのですが、茶屋においては特別な事は何も起きません。

      そして、一足先に出発した踊り子の一行を追って、「雨足が細くなって、峰が明るんできた」のをしおに、わたしはその茶屋を去るのです。この「峰が明るんできた」というところにも、わたしの心に何か明るいものがきざしたという事が暗示されているのだろうと思います。

      このように、天城峠に降る雨は、この恋の"舞台装置"であり、その変化によってわたしが茶屋に駆け込んだり、また茶屋を出発するという行為を演じますが、同時にこの背景は、"わたしの心理を象徴している"のだと思います。

      わたしは、踊り子と会えるのではないかという密かな期待で山道を急いで行きます。そして、実際に峠の茶屋で会えた時、わたしはその入り口で「立ちすくんでしまった」り、ことばが「のどにひっかかって出なかった」り、また踊り子と間近かに向かい合うと「あわててたもとからたばこをとり出した」りするのです。

      ここには、わたしのある特別な感情が働いていて、つまり、とまどいやはじらいの感情で、すでにわたしの心の中では恋が始まっているのです----。

      しかし、始まったばかりのこの恋、一つの美しい純粋な世界は、あくまでわたしの心の内にあるのです。なぜなら、わたしを一途にさせる踊り子は、世間の人の目から見ると、「あんな者、どこで泊まるやらわかるものでございますか、だんな様」と言われるような、ある意味、いやしむべき存在なのです。そして、わたしは茶屋のばあさんから「だんな様」と呼ばれ、雨に濡れたと知れるや炉ばたで特別待遇を受ける身分の者なのです。(当時の学生は特別、社会的地位が高かったのです)

      そんな、わたしと踊り子とを結びつけるものは、わたしの心とそしてやがてそれに応える踊り子の心しかないのです。だから、「踊り子たちがそばにいなくなると、かえってわたしの空想は解き放たれたように、いきいきと踊り始めた」というように、現実では叶えられそうもない「空想」の中でのみ、生き生きと広がる世界なのだと思います。

      この「伊豆の踊子」という小説は、伊豆の美しい自然が描かれている事はもちろんですが、そこに登場する人物たちの美しい交情が、きめ細かに描写されていますが、だが、それだけではなく、この小説を根底から支えている、"ある種の美"が存在しているような気がします。

      それは、この小説の中の「暗いトンネルにはいると、冷たいしずくがぽたぽた落ちていた。南伊豆への出口が前方に小さく明るんでいた」という描写がありますが、ここで表現されているトンネルの先のほうの明るさというのは何かと考えた時に、もちろんそこには、美しい空想の世界が実現して欲しいという、わたしの願いが込められているのかも知れません。

      しかし、トンネルを出たら、やがては天城七里の世界は終わるはずです。とするならば、この明るさというものは、わたしの希望とは裏腹の、その美しい世界を打ち壊すだろう現実の世界の明るさなのかも知れません。

      だから、下田の港での二人の別れは、すでにその発端に予兆されたものだったのです。このように、美しいものが絶えず打ち壊されようとしている世界、それだからこそ、よけいに"美しい瞬間に輝いている世界"、これこそが「伊豆の踊子」の世界であり、我々読者をいつの世にも、限りなく、そして愛おしいほどのやりきれない、哀切の気持ちに誘うのだろうと思います。

      >> 続きを読む

      2016/08/20 by

      伊豆の踊子」のレビュー

    • 評価: 4.0

      学生の頃以来の伊豆の踊子再読了。
      40ページそこそこの短さのながら綺麗な文体で読後感たっぷり。改めて読んでも良い作品ですね。
      「伊豆の踊子」の他に「温泉宿」「抒情歌」「禽獣」が収録されていて、個人的には「抒情歌」と「禽獣」のクレイジーさも好き。
      「温泉宿」は再読してもあまり惹かれるものはなかった。また時間をおいて読んでみようかな。

      2015/03/27 by

      伊豆の踊子」のレビュー

    • もっと長いと思ってました。読める、これなら(^^;;

      2015/03/27 by fraiseyui


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