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春琴抄

4.0 4.0 (レビュー7件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 300 円
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2019年01月の課題図書
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    「春琴抄」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 4.0

      たしか、三浦友和と山口百恵で映画になってましたね。ワタシは観てないけど、美男美女、今はええ夫婦になってますなあ。

      それはさておき、この作品は句点がほとんどないし、中に出てくる昔の資料のようなものは古文体だし、ちょっと読みにくかった。「細雪」とずいぶん違う、同じ作者でもいろいろな書き方をするのですね。

      春琴はサドだ、佐助はマゾだとか、いう人もいますが、ワタシはそうは思いませんでした。それぞれの人生なんだし、佐助のような生き方をしたって、本人がそれを望むなら好きにしたらいいんじゃないの?
      純愛??。ここまでの人はいませんよ。もう、何だか達観してるというか、悟りの境地というか。いや、人間であるゆえの無知?それとも究極の愛なのか?これを愛というか??
      無私なのかエゴなのか???わからない^^;

      目が見えなくても、見えないことを大変(不幸)だと思わなければそれでいいと思うけど、、、ワタシだったら、わざわざそこまでしなくても(自然がいい)、と思うだろうな~。う~ん、すごいわ。
      >> 続きを読む

      2017/09/28 by

      春琴抄」のレビュー

    • まだ読んでないのでなんとも言えないのですが、他の皆さんも書かれているとおり、究極のエゴイズムで愛に昇華したということ?でいいのではないでしょうか。多分ですが。

      エゴイズムで人を想えるのかという疑問は残りますが、両極のエゴイスティックな人同士でないと出来ない愛のかたちということで・・・。いいのかな?

      春琴さんが死んだ後、春琴さんの幻想を愛した佐吉さんは愛していたと言えるのか、春琴さんは佐吉さんのことを愛していたのか、読んでないので分かりませんが、私は(架空の)人のエゴを想うことで何とか自我のエゴを少なくするための考えを進めていこうというくらいしか思いつきませんでした。

      あ、でも春琴さんは

      >『佐助、それはほんとうか、と春琴は一語を発し長い間黙然と沈思していた』
      春琴の心は全く描かれず、唯一この一文だけが彼女の心を表しているのです。

      というコメントの通り、言葉としては『 佐助、それは本当か、』しか言ってないんでしたっけ・・・。まぁ私にはこんなに大きなパワーがないので、このふたりのエゴも愛も語る資格はないと思いますが。

      今度は最後まで読んでから自分の感想として二人の間に愛があったかどうか決めてコメントを書きたいですねぇ~。・・・出来るかな?ていうか解釈できるかな。

      嫌、相手の気持ちを知るために目を潰したんだから愛はあると言えますね。とすると、サドとかマゾとかの異質さを起点にするから愛の解釈が不安定になるのかなぁ。

      愛って「無償の愛」を手本みたいに考えちゃうと「無償の愛」のパワーも含めて、自分を起点にする考えが上手く進められなくなっちゃうなぁ。・・・未熟者ですみません。

      とりあえず、谷崎さんの文体の読みやすさを頼りに最後まで味わって読むことを目的に読んで、読んでから愛やら想いやらについて考えてみようと思います。設定がつくり込まれている思考実験みたいで面白いし(●´ω`●)
      >> 続きを読む

      2018/12/30 by 月岩水

    • 評価: 5.0

      谷崎潤一郎というと「刺青」など耽美的なイメージを持つ人も多いだろう。
      「春琴抄」はある盲目の三味線師匠"春琴"とそれに仕える男"佐助"の話だ。
      この作品には、ただただ装飾されていない、そのままの純粋な愛がただずんでいる。
      「盲目になることでこの世が極楽浄土になったようだ」
      春琴と同じになるべく、目を針で指した佐助のその後の台詞だ。
      文体がとても美しい。

      2017/05/23 by

      春琴抄」のレビュー

    • 評価: 3.0

      その昔、山口百恵が「春琴抄」の映画のヒロインを演るということで大宣伝され
      当時の女子の間では誰もが知るストーリーになっていました。
      映画のコンセプトは「純愛」と「献身」に一生を捧げるという恋愛物語です。
      ところがこの小説には、実際は恋愛ものの要素が全くありません。

      『佐助、それはほんとうか、と春琴は一語を発し長い間黙然と沈思していた』
      春琴の心は全く描かれず、唯一この一文だけが彼女の心を表しているのです。

      これは愛は愛でも「エゴイズム」を描いた小説だと思います。
      春琴と佐助は互いに互いを必要とする関係ですが、それは自己完結のために相手を利用するだけの
      完全に閉じた愛なのです。
      だから幻想を損なう「結婚」や「子供」は彼らには無用の長物。
      佐助は春琴が自分の妄想を壊すリアルな人間に戻ることを何よりも恐れていました。
      佐助が目を潰したのはだから自分のアイドル「観念の春琴」を護るためだった訳です。

      通常のファムファタール物と違い、佐助は破滅しません。

      春琴が逝去してもなお、というか、ますます都合のよいことだったでしょう
      春琴の面影を愛する自分を演じ続け、完璧な愛の人生を送ったのでした。
      全くめでたしめでたしだぜ。

      巷によくいうサディズムとマゾヒズムについてですが、これは谷崎は注意深くも
      自らサディズムに言及することでその議論を封じているのですが、
      それを読み取れない人がいっぱいいるんですね。

      谷崎はおそらくルソーの「告白」を読んだか参考にしていると思いますが
      谷崎自身も勘違いしているようです。
      ルソーはマゾヒストではありません。(変態だけど)
      あと、子どもを4人もぽこぽこ生んだのに、全部養子に出して一顧だにしない夫婦という点も
      ルソーに倣ったのかもしれません。


      もう一点、私が「春琴抄」で最も興味を覚えたのはむしろこちらです。
      谷崎潤一郎の芸術の定義がわかります。

      天鼓と命名された鳴きの上手な鶯の声を評して春琴が言ったとされる言葉
      「名鳥の囀るを聞けば、居ながらにして幽邃閑寂なる山峡の風趣を偲び、渓流の響の潺湲たるも尾の上の桜の靉靆たるもことごとく心眼心耳に浮び来り、花も霞もその声の裡に備わりて身は紅塵万丈の都門にあるを忘るべし、これ技工をもって天然の風景とその徳を争うものなり音曲の秘訣もここに在りと」
      長いまま引用しました。
      谷崎にとって芸術とは全て天然をそのまま映したるものではなく、技巧を駆使した虚構の創造物であるということです。
      それは単にリアリティを追求するものではないし、説明やバックグラウンドを用意しなくても、
      それに触れた人の心に、この世に在らざる美をさえも立ち昇らせるものなのであると。

      全く同感です( ・∀・ノノ゙☆パチパチ

      してみると、春琴の美しさについても谷崎は虚構だよ、と最初から言っているではありませんか!

      【加筆】『春琴抄』はオスカー・ワイルドの『幸福の王子』を下敷きにしていると、私は仮説を立てました。
      谷崎はオスカー・ワイルドから多大の影響を受けています。
      上記の芸術論もオスカー・ワイルドに倣っているように思います。


      この時期の谷崎は日本文学の古典回帰と言われるらしいですが、
      春琴のセリフには大阪弁の口語が使われていますし、
      文章の変化の自由自在ぶりからは、日本の古典とも思えませんでした。
      むしろ引用部なんて漢文の読み下し分にテイストは近いのではないかしら?
      (句読点が少ないのは日本古来の伝統ですけれども)


      『鵙屋春琴伝』なる小冊子を入手、墓参りをし、内弟子に取材までしている…
      これら二次創作、もしくはメタフィクション的手法が、本作の場合は
      真実らしさを生んでしまっているのだから、不思議というか、谷崎マジックというべきか。

      これによる弊害があるということを知りました。

      谷崎は盲人3部作といわれる小説を書き、盲人をテーマにしているくせに、
      独断で「盲人とは」と言い切っているので、それを真実だと勘違いする人が多いのだそうです。

      『佐助は彼女の笑う顔を見るのが厭であったというけだし盲人が笑う時は間が抜けて哀れに見える』
      『盲人に特有な意地悪さ』とか、
      私はひでぇこと書くな~。これ視覚障碍者、怒らないかなと思ったのですが…。
      なんでそのまんま信じる?この現代で?

      視覚障碍者の方の『春琴抄』に対するご意見がありました。

      『目の見えない人に天才肌が多いという話しは、残念ながら聞かないし、筆者は別段、人前での飲食を厭わない。又触覚を主体としたわが現実の日常が、特に官能的だとも思えないし、ましてやこの超耽美的な小説を、まるで目の見えない人に接する上での参考書のように錯覚する人物があろうなどとは…』
      (財)日本障害者リハビリテーション協会発行
      「ノーマライゼーション 障害者の福祉」
      1996年3月(第16巻 通巻第176号) 35頁~37頁
      より引用
      >> 続きを読む

      2017/02/06 by

      春琴抄」のレビュー

    • 神が人間を試す姿勢に関しては、私としては、別次元の「存在」からの問いかけとしてリアリティ(圧迫感)を薄めて自分の見える景色を拡げる努力をしようと考えることしか出来ないですね。

      そして、これも思考実験としてしか考えることができません。
      >> 続きを読む

      2019/01/03 by 月岩水

    • 月岩水さん
      「自分の見える景色を拡げる」というニュアンスでは「星を継ぐもの」はぴったりの小説であるように思います。
      人類が孤高の絶対的存在ではなくなり、遠い星星が身近になることでしょう。
      楽しいですよ。
      >> 続きを読む

      2019/01/03 by 月うさぎ

    • 評価: 5.0

      春琴、本名は鵙屋琴、明治十九年十月十四日歿。
      その脇に小さなお墓がある。
      温井佐助、明治四十年十月十四日歿。
      佐助は春琴より4つ上。
      実家は薬屋、父も祖父も大阪に出て鵙屋に奉公。
      鵙屋は累代の主家のため、春琴を九天の高さに持ち上げ百歩も二百歩も謙っていた。

      「鵙屋春琴伝」を手に入れた語り手が、二人の墓を訪れるところから物語は始まります。
      明治十九年と四十年と開きはあるも同じ日に亡くなっている二人の人生に、序盤から心に響くものがありました。
      特に献身的な佐助への好感度は高く、今まで読んだ谷崎作品の中でやっと共感できる人物が出てきたと嬉しくなりました。
      ・・・その期待は後半、大きく裏切られましたが。
      句読点がほとんどない文章は慣れればとても美しいリズムで、いつまでも読んでいたくなります。
      語り手が春琴の墓前に跪き、佐助の墓石に手をかけ、夕日が大市街の彼方へ沈んでいく情景は、心に残るシーンです。

      読んでいて、春琴がそこまでサディスティックな女性とは思えないのです。
      撥が飛んでくるのでもちろん激しさはあるのですが、読み進めていくと、だんだん佐助の異常さの方が際立ってきます。
      眼を突いたのは春琴の変わり果てた姿を見ないようにするためではなく、春琴と同化することに喜びを見出してしまったから。
      美しい春琴を生涯想い続けることが何よりも幸福なことで、子どものことなんて気にもとめない。
      ああ、またしても女性が悪女と見せかけて男性の方が歪んでいるパターンですか、谷崎さん。

      生涯、一人の女性を(異常に)愛し続けるなんて。
      これが究極の愛ってやつでしょうか。
      現実的ではないですね。
      谷崎作品で読めればそれでいいやって思います。
      >> 続きを読む

      2016/06/16 by

      春琴抄」のレビュー

    • 今年の新潮文庫スペシャルカバー買いました。

      「人間失格(黒装帳でタイトルは赤キラ文字でした)」
      ・「こころ(白装帳でタイトルは銀キラ文字でした)」
      ・「変身(橙色でタイトルは紫キラ文字でした)」
      ・「卍(赤装帳でタイトルは虹キラ色でした)」
      ・「盗賊会社(黄緑装帳でタイトルは金キラ文字でした)」
      ・「銀河鉄道の夜(紫装帳でタイトルは銀キラ文字でした)」
      ・「青い鳥(水色装帳でタイトルは金キラ文字でした)」
      ・「檸檬(黄装帳でタイトルは緑キラ文字でした)」

      全種類買ったか分かりませんけど、名文ばかりで愉しみながら読んでいるところです。

      「刺青」・「蘆苅」は面白そうなタイトルですね。偏人(変わった人ではなく、その人の個体差でしか生きられない偏った人)好きな私としては谷崎さんの文は読んでみたくなります。

      作家さんは変人扱いされることが多いですが、文庫を売る商売が成立するんですから、偏っていても受け入れられる力、文才って言うんでしょうか?(私は文で彩ると書きたいですが、)があるんでしょうね。基本的なことですけど、そんな能力が育まれるなんて改めて不思議なことだと思います。

      でも、生き残ってきた考え方を自我を通して抽象して捉え直し、本質の名画(抽象度の高い考え方)に触ってみたいですね。
      >> 続きを読む

      2018/12/30 by 月岩水

    • 月岩水さん
      2018年夏のフェア、全種揃えられたのですね♪
      私は変身、盗賊会社、卍、青い鳥を買って、卍のみ未読です。
      毎年の楽しみなんですよねー(*≧∀≦*)
      刺青は、昨年の新潮フェアで読みました。谷崎さん初期の短編集でしたよ。
      谷崎キャラは、男性が変態で女性が激しいと、個人的には思っています。。。
      >> 続きを読む

      2019/01/15 by あすか

    • 評価: 4.0

       谷崎潤一郎代表作。

       一文がなかなか途切れない文体は一見読みづらいですが、慣れて来ると、まるで詩を読んでいるように流れ込んできます。軽く朗読してみると、その圧倒的な文章力がよくわかります。

       いや〜さすがに文豪です……と感心しつつも、どうしても心に引っかかることが一つありました。本作の中心である盲目の三味線弾き・春琴について。「これはいわゆるツンデレではないか?」と思ったのです。しかも、ほとんどが「ツン」で構成されている筋金入りの正統派です。(近頃のツンデレはすぐにデレてしまいます)

       思えば、自分の心の内を他人に見せずに凛と振る舞う女性が古典小説には少なからずいます。立場や「あるべき姿勢」を重視して、気品を保つ女性の美しさや、あるいは愚かしさに切り込む作品もあり、その流れが小説の娯楽性を突き詰めたライトノベルという形態に至り「ツンデレ」として花開いた……とか。ないですね笑

       何はともあれ、春琴と付き人の佐助の関係の歪さから逆に愛の純粋さが見えて来るわけです。「この関係は「いじらしい」とも取れる。まるで姫と騎士のようじゃないか」と言う具合にです。こういう愛の形も良いのです。

       さて、感想としてはこれで「めでたし」でも良いのかもしれませんが、終盤に至り、私は少し見え方が変わりました。作中のある事件後、佐助の愛がやはり歪んでいることに気づいたのです。佐助は自分のうちにある「理想の春琴」を愛し、彼女に仕える自分に囚われているように思いました。物語が進むにつれ、春琴の存在はどんどん薄れていきます。『春琴抄』と題しつつも、これは佐助の物語なのかもしれません。


       少しググってみると、本作をテーマにした対談会で佐助を「萌え豚」と評したものがあり、なるほどなぁと妙に納得したのでした。
      >> 続きを読む

      2016/02/20 by

      春琴抄」のレビュー

    • >澄さん
      少なくとも春琴はツンデレで間違いないと思いますね笑
      >娯楽小説の最終形態!
      どうでしょう? でも、一つの突き詰められた形ではありますよね。

      ところでどうしてファンのことを豚というんでしょうねぇ……笑
      >> 続きを読む

      2016/02/21 by あさ・くら

    • ファンと豚は熱量の差で使い分けられているんじゃないでしょうか。

      「ファン」という言葉に極端な印象を受けないというだけなのでハッキリ何が違うのかは私には分かりません。

      豚は異常の前の異質さくらいの感じでしょうか。もう愛情の量としては異常でしょうが、キリストの愛情の量はもっと異常ですから、それから影響力が伝播するところはあると思いますが。なんと言っても人類愛ですし。どちらの人にもあったことがないので実際には分からないのですが。

      また、キリストさんが言ったことが「教え」として広まったということは、考え方は共有できるもので愛情が異量だった(「集団」が他のものを異質かどうか決める時は考えが広まるかどうかで決まる?「社会」は権力を脅かすものを潰す。)みたいなことでしょうか。キリストさんは権力者には嫌われたでしょうから。
      >> 続きを読む

      2018/12/30 by 月岩水

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