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羅生門・鼻

4.0 4.0 (レビュー19件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 389 円
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2013年05月の課題図書
いいね! sayaka chiaki emi mariak1994 nona

    「羅生門・鼻」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 3.0

      芥川の師匠、夏目漱石が絶賛していた『鼻』を読み終えました。芥川の作品は短編ばかりなので、どれもすぐ読めます。

      長い鼻にコンプレックスを持っている内供と、周囲の人々の心理がよく観察し書かれていました。少し心理描写をさらけ出し過ぎな感じもしましたが、人の綺麗とはいえない内面を如実に表していました。
      鼻を短くする場面は、ややグロテスクでしたが^^;

      2019/06/18 by

      羅生門・鼻」のレビュー

    • 評価: 4.0

      50頁近くある注釈により一見難しそうに見えますが、8編のほとんどが読みやすく感じました。

      *羅生門
      8編中、一番心に残った作品。
      不気味で恐ろしいと感じる情景描写ですが、何度も読み返していました。
      この情景と、下人の心の変化がとても合っています。
      ラスト一文がまた秀逸。
      注釈を読んで、初出稿と第一短編集稿は結びが全く違っていて驚きました。

      *鼻
      禅智内供の鼻は上唇の上から顎の下まで下がっている。
      こちらも有名な話ですね。
      「羅生門」同様、内供や周りの人たちの心の動きを客観的に追うのはおもしろくもあるけれど、自分を振り返るとドキっとさせられます。
      そんな身近な感情がたくさん詰め込まれています。

      *芋粥
      風采の甚だ揚がらない、多くの侍たちに愚弄されている男は、「芋粥に飽きたい」という欲望のみを大切に持ち続けてきました。
      そんな彼が、遠路はるばる命の危険に怯えながら辿り着いた先で、たっぷりと芋粥が振舞われ・・・
      「達せられないからこそ価値がある」人間の心理なんてそんなものですよね。
      その繰り返しで、人は豊かな生活を求め続けているのではないでしょうか。

      *運
      「物質的な幸福と精神的な幸福とは、どちらが真の幸福であるか」
      精神的な幸せ!ときれいごとは言いません(^^ゞ物質的な豊かさもないと心は満たされませんよね。
      少しゆとりのある生活ができる程の財力がベストだと思っています。
      どちらがなくても不平不満ばかりとなりそうです。

      *袈裟と盛遠
      盛遠の独白、袈裟の独白の二部構成。
      盛遠は袈裟を凌辱し、夫を殺そうではないかと囁く。
      愛憎、情欲、贖罪、蔑み、浅ましさ・・・・人間の醜い感情が嫌というほど溢れてきます。
      独白前の冒頭の文章がそれぞれを表しているようで、とても好み。

      *邪宗門(未完)
      若殿vs摩利信乃法師。
      ここからが読みたいのに・・・というところで終わってとても残念。

      *好色
      平貞文(平中)がいくら文を送っても、侍従は相手にしない。
      思いつめた平中が取った行動は・・・

      芥川さん、こんな話も書かれているのですね。
      邪宗門の風呂敷を広げすぎた未完の作といい、なんだか笑えます。
      侍従の容姿が序盤と変化しているのがおもしろい。
      恋は盲目、少々のことは美化してしまうものなのですね。

      *俊寛
      平安末期の僧。鬼界ヶ島に配流。
      倉田百三、菊池寛ver.と比較してみたい。
      >> 続きを読む

      2017/05/15 by

      羅生門・鼻」のレビュー

    • 評価: 5.0

      芥川龍之介が師である夏目漱石からの手紙で、「あなたのものは大変面白いと思います。落着きがあって巫山戯(ふざけ)ていなくって自然其儘(そのまま)の可笑味(おかしみ)がおっとり出ている所に上品な趣があります。夫(それ)から材料が非常に新しいのが眼につきます。文章が要領を得て能く整ってます。敬服しました。ああいうものを是(これ)からもニ三十並べて御覧なさい。文壇で類のない作家になれます。然し『鼻』丈(だけ)では恐らく多数の人の眼に触れないでしょう。触れてもみんなが黙過するでしょう。そんな事に頓着しないでずんずん御進みなさい。群衆は眼中に置かない方が身体の薬です。----」と、激賞された芥川の文壇でのデビュー作となった「鼻」。

      久し振りで彼の「羅生門」を読了した後に、私の芥川との出会いになった作品でもある「鼻」を再度、精読してみました。

      あらゆる作家の第一作目となる作品に、その作家のあらゆるものが投げ込まれているばかりでなく、作家はその生涯を通じて、その作家の第一作に支配され、最も顕著にその作家の核となるものが表現されていると思っていますが、まさしく、この「鼻」は芥川龍之介という作家にとっての核となるあらゆる要素が詰め込まれていると思います。

      私は愛してやまない芥川の数々の小説を読み続けてきて思うのは、彼の全作品は大きく二つの時期に分けて考えるようにしています。

      その前期は、この「鼻」から始まり、「芋粥」「或る日の大石内蔵助」「地獄変」「奉教人の死」「南京の基督」「藪の中」から、前期において芸術的に最も完成された作品だと信じて疑わない「六の宮の姫君」あたりまでで、その特徴は大部分が古典に材をとった"歴史小説"であり、その後期は、「一塊の土」「大導寺信輔の半生」「点鬼簿」「玄鶴山房」「河童」から「歯車」に至るまでで、前期とは明らかに作風に変化を生じ、自伝的色彩を強烈に持った作品群になっていると思います。

      つまり、前期の"シニカルな懐疑主義者"だった芥川が、後期においては"徹底的な厭世主義者"に変わっているように思うのです。

      この「鼻」という短編小説は、「今昔物語」の中から、その題材を採っているのですが、考えてみれば芥川の前期の作品の中で「芋粥」「龍」「往生絵巻」「好色」「六の宮の姫君」などと数多くの作品で「今昔物語」から、その題材を採っているんですね。

      この「鼻」は夏目漱石が激賞したように、"おっとりしたおかしみの、上品な趣のあるもの"で、確かに主人公の禅智内供の心理の曲折に工夫を凝らし、"ユーモアと諧謔"というもので表面上は装っていますが、しかし、この作品の本質は、「人間存在の哀しみ」であるような気がします。人間本来の自己に根を下ろした生き方が出来ずに、絶えず世間という外部に影響され、振り回されて、一時も心の安まる時がないという、そういう、"哀しい人間性"を、芥川一流の顕微鏡で人間の心の中を"シニカルで冷ややか"に見つめるところに、この作品「鼻」の核心部分があると思っています。

      この「鼻」で自分のものとした"機智と諧謔とユーモア"というものは、その後の芥川の文学の大きな武器になったのではないかと思っています。そして、その明るい笑いの仮面の下に、"憂鬱で暗い芥川の素顔"が、いつも隠されていたのではないかとも思っています。

      このように芥川は、表面上はユーモラスな物語の中に、鼻によって傷つけられる禅智内供の自尊心のための苦しみを描いていて、それから、内供の長かった鼻をいくらか同情的に見ていた人々が、その鼻が短くなると急につけつけと笑い出した傍観者になるという"利己主義"を描いているというところも非常に考えさせられましたね。

      このあたりを表現している、「---人間の心には互に矛盾した二つの感情がある。勿論、誰でも他人の不幸に同情しない者はない。所がその人がその不幸を、どうにかして切りぬける事が出来ると、今度はこっちで何となく物足りないやうな心もちがする。少し誇張して云えば、もう一度その人を、同じ不幸に陥れて見たいやうな気にさへなる。さうして何時の間にか、消極的ではあるが、或敵意をその人に対して抱くやうな事になる。---内供が、理由を知らないながらも、何となく不快に思ったのは、池の尾の僧俗の態度に、この傍観者の利己主義をそれとなく感づいたからに外ならない」という箇所に、私はこの作品の重要なテーマが隠されているような気がします。

      この「鼻」という作品は、このような点に立った、ある意味、"テーマ小説"であると思います。芥川は、この「鼻」で今昔物語という古い物語を現代的に書き直そうとしたというよりも、このテーマを芸術的に力強く生かすために、今昔物語の一つの話を借りて来ただけだと思うのです。

      そして、そこに芥川の前期の歴史小説家としての基本的な姿勢があるのだと思います。芥川はこの「鼻」以外にも、同じ手法で数多くの歴史小説を書いていますが、それらをただ古い物語を現代の物語として翻訳して書いているのではなく、それらの中で様々な"人間の心理を解剖"しているのだと思います。
      >> 続きを読む

      2016/11/02 by

      羅生門・鼻」のレビュー

    • 評価: 5.0

      どちらも読んだ記憶はあるのですが、鼻がどんな話だったかさっぱり忘れている...
      羅生門は高校の教科書にでてきて、授業で取り扱うのが終わった後も何度か読み返しました。羅生門の黒、烏、必要悪、エゴイズムなど、読み返すたびに考えさせられ、ホラー映画でも見終わったような、ゾクッとした気分になっていました。もう三年前思ったことを頼りに書いているので、また読み直そうと思います。

      2016/03/29 by

      羅生門・鼻」のレビュー

    • 「羅生門」も「鼻」も中高生の頃にはこんな気色の悪い話は無い!と思った2作品でしたが、大人になって読み直すとホラー色は感じなくなっていました。
      でも自分の鼻の角栓を見つけるたびにこの和尚の「鼻」を思い出しちゃうんです。
      影響が消えませんヽ(´Д`)ノ ゚ ゚
      >> 続きを読む

      2016/03/29 by 月うさぎ

    • 白黒映画版の羅生門では、雨の存在感を出すために墨を混ぜたと言う話を聞いたことが有ります。

      いつか観たいと思っています。
      >> 続きを読む

      2016/03/29 by ice

    • 評価: 3.0

      図書館にて借りてみたい。

      2016/03/12 by

      羅生門・鼻」のレビュー

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