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新編銀河鉄道の夜

3.9 3.9 (レビュー4件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 420 円

貧しく孤独な少年ジョバンニが、親友カムパネルラと銀河鉄道に乗って美しく悲しい夜空の旅をする、永遠の未完成の傑作である表題作や、「よだかの星」「オツベルと象」「セロ弾きのゴーシュ」など、イーハトーヴォの切なく多彩な世界に、「北守将軍と三人兄弟の医者」「饑餓陣営」「ビジテリアン大祭」を加えた14編を収録。賢治童話の豊饒な味わいをあますところなく披露する。

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    「新編銀河鉄道の夜」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 5.0

      ふと夜空の星を見上げたくなる、14の短編集。

      久々に読んだ宮沢賢治さん。
      一つ一つのお話を大切に読んでいきたい。そんな気持ちにさせてくれます。
      しかし解釈の難しいお話ばかりですね。
      宗教的な意味合いも含めると、理解したつもりでも本当は全く汲み取れていないのではないか、と思うことばかりでした。
      的外れなことを書いているかもしれませんが、自分が感じたことを記録していきます。
      だらだらと長くなってすみません。

      *双子の星
      天の川の西の岸。チュンセ童子とポウセ童子という双子のお星さまの住んでいる小さな水精のお宮があります。
      夜は空の星めぐりの歌に合せて、一晩銀笛を吹きます。

      大烏、蠍、彗星。それぞれに対する、双子の星の赦しと慈悲の心に考えさせられます。
      星空での出来事(海にも入りますが)なので、美しい描写が続きます。
      「あなた方もどうかますます立派にお光り下さいますように」
      相手が星なのでこのような言い回しになるのですが、思わずくすっと笑ってしまいました。

      *よだかの星
      みにくい鳥のよだか。
      名前を改めないとつかみ殺すと鷹におどされます。

      この短い物語の中に、苦難の人生、弱肉強食、宗教観、様々なものが詰め込まれていると感じました。

      *カイロ団長
      搾取する側のとのさまがえると、される側のあまがえる。
      王様の公正な命令のおかげでなんとかおさまりましたが、現実は首を切られるか死ぬまで労働を強いられるような気がします。
      現代社会にも置き換えることが可能なお話。
      あれ、カイロ団長のような人、いる気がするぞ・・・。
      悔悟のなみだをこぼす展開になることの方が少ないですよ。

      *黄いろのトマト
      ペムペルとネリの兄妹に起こったかわいそうな出来事を、剝製の雀蜂が語ります。
      これは子どものときに読んだ方が共感できそうです。
      あの頃感じた大人は、すごく大きく見えたから。

      *ひのきとひなげし
      美しくなりたいひなげしをだまそうとする悪魔の医者。
      夕方の空が暗くなっていく情景が良いですね。
      助けてもらったのに、ひのきに対して優しい言葉をかけられないのが女ってかんじがして嫌でした。

      *シグナルとシグナレス
      若様シグナルと、シグナレス(女性形接尾辞「-ess」を付けた造語)。
      身分違いの恋物語を路線の信号機でやってしまうのか。
      でも、ミスマッチなようで、なかなかロマンチックなんですよ。
      月の光が青白く雪を照らす。そんな情景がぴったりの恋人たちです。

      *マリヴロンと少女
      感想らしい感想が浮かばず。
      いつか再読します。

      *オツベルと象
      ある牛飼いがものがたる、オツベルが白象に過酷な労働を課す日々。

      なにより唐突なラスト一行に戸惑います。
      ―おや〔一字不明〕、川へはいっちゃいけないったら。
      これは何を指すのか。
      単純にオツベルと白象のお話が終えたタイミングで、牛が川へ入ろうとしたのを止めたのか。もっと深い意味があるのか。
      一つ疑問が出てくると、その前の
      ―「ああ、ありがとう。ほんとにぼくは助かったよ。」白象はさびしく笑ってそう言った。
      このときの白象の感情も気になってきます。
      自分が助けを求めたことで、オツベルが死ぬことになってしまった後悔・・・なんて。

      *猫の事務所
      軽便鉄道停車場ちかくにある猫の第六事務所。
      いつもからだが煤だらけのかま猫は、ほかの猫に嫌われています。

      またもラスト一行に考えさせられます。
      「半分獅子に同感」とは、ひどい職場なのでしょうがないと思う反面、事務所を廃止にされたら生活が困るということでしょうか。
      もっと深い意味があるような気もしますが。
      こんな職場、実際にありそうですね。獅子のような人はいないけど。

      *北守将軍と三人兄弟の医者
      今までのお話とは雰囲気がガラッと変わります。
      兄弟三人の医者と、ソン将軍の帰還。
      それぞれの医者が得意分野で、文字通り人馬一体となってしまった将軍の体を軽くします。

      中国のどこかの時代のお話。
      軍歌が「唐詩選」ということは、そこから得たイメージなのでしょうか。
      おもしろかったです。

      *銀河鉄道の夜
      星々の美しさと、物悲しさと。
      一度では足りなかったので二度読み。

      氷山にぶつかった船に乗っていた子たちを見て、カムパネルラの身に起こったことを察しました。
      貧困により苛めにあうジョバンニと、友を救おうとして亡くなったカムパネルラの旅は、様々な想いをのせて銀河をめぐっていきます。
      双子のお星さまや彗星のお話も出てきます。

      *セロ弾きのゴーシュ
      ゴーシュは町の活動写真感でセロを弾く係り。
      仲間の楽手の中で一番下手で、いつも楽長に怒鳴られます。
      音楽団では小さくなっているゴーシュですが、来客には大きな態度。相手が変わるとそんなに違うのか、と少し呆れました。
      ねこ、かっこう、狸の子、野鼠のお母さんと接するうちに、音楽を学んでいく過程が楽しいお話です。

      *飢餓陣営
      宮沢さんが書いた戯曲。
      飢餓により全滅寸前の軍隊が描かれています。
      バナナン大将を称えつつ、部下に勲章を食べさす特務曹長役をやってみたい。

      *ビジテリアン大祭
      ビジテリアンと反ビジテリアンが議論を重ねます。
      難解な言葉が多く非常にやっかいなお話ですが、それぞれの主張がテンポよく進んでいきます。
      残念なことに、あまり理解できませんでしたが・・・。
      >> 続きを読む

      2016/08/30 by

      新編銀河鉄道の夜」のレビュー

    • 宮沢賢治の作品は数えるほどしか読んだことがなく、しかもあまり理解できた覚えがありません。
      「オツベルと象」は中学の国語の教科書に収載されています。
      しかし、これ、中学生に理解できるのでしょうか。少なくとも、私には理解できなかった記憶があります。最後の一文についても、やはり引っかかりますよね。私は、あすかさんのように深く考察してみなかったのですが…気になってきました。
      他にも、レビューを読んで気になった作品が沢山ありました。宮沢賢治再チャレンジの時にはこちらを選ぼうと思います。
      >> 続きを読む

      2016/09/03 by pechaca

    • pechacaさん
      出張に出てて、返信が遅くなりすみません!(スマホから打てない人)
      宮沢さんの作品って、こう解釈したけれどもっと深い意味があるのでは!?と考えさせられるものばかりですよね。
      pechacaさんのような読書家でもそう思いますかー(゚д゚)!ビックリ

      「オツベルと象」が中学生の国語・・・
      先生は(というか教科書的には)どのような解釈が正解になるのでしょうね。
      自由に想像できるなら、すごく楽しめるような気がしてきました。
      再読、ぜひぜひ!
      特にこの作品をどう解釈したか、レビュー読ませて頂きたいです(*^▽^*)
      >> 続きを読む

      2016/09/06 by あすか

    • 評価: 3.0

      「銀河鉄道の夜」のみ読了。

      途中中断期間が長かった点は有るが、これほどストーリーが追えない作品も珍しい。

      「セロ弾きのゴーシュ」に続き読了。

      「銀河鉄道の夜」の存在を知る前に、「銀河鉄道999」を観ていたのと、動物がキャラクターの「銀河鉄道の夜」のアニメ映画が何となく記憶に残っていたので終始アニメと言うか、キャラクターがネコな状態で読み進めるハメに陥った。

      読中、読後の印象は非常に印象的。
      何とも幻想的な半面、表現が華美ではなく過美に感じられ、当初は全くスピードが乗らなかった。

      読書スタイルとして、普段は脳内で映像化することは無く、風景描写みたいなものは(意識的ではなく)キレイにスっ飛ばして読むことが多いのだが、この作品はそれを許さずに強制的に映像化させられるような気がした。

      この取り組み?は、世界観を組み立てる意味では重要なのだろうが、各場面の描写が本当にクドく感じるため、自分にとっては、本筋が追えなくなり、本末転倒と言わざるを得ない。

      また、脳内で映像が組み立てられることを前提としているように感じるだけに、アニメ化してはいけない作品のように感じた。

      名作を味わう情緒が育っていないのだとは思うが、名作と言っても必ずしも楽しめる作品ばかりではないと思い知らされた。
      >> 続きを読む

      2013/10/02 by

      新編銀河鉄道の夜」のレビュー

    • 〉強制的に映像化させられるような気がした。
      そんな感じ。そんな感じ。(^^)
      それが好きな人がこの作品のファンなんですよね。
      子どもの頃はこの話はさっぱり好きではなかったです。

      ストーリーというよりも、生と死の境目の世界を描いたものとしてとらえるほうが一般的です。
      三途の川を渡るよりも銀河鉄道に乗っていきたいと思いませんか?

      しかも未完成なので、ジョバンニがこれからどうするのだろう?
      ってところでお話しが終わってしまっているのです。
      結構ツライですよね。それ。
      >> 続きを読む

      2013/10/02 by 月うさぎ

    • 私も銀河鉄道の夜のイメージでは主人公2人は擬人化した猫ですよ。

      2013/10/02 by Shimada

    • 評価: 3.0

      「セロ弾きのゴーシュ」のみ読了。

      セロと言う楽器がイメージできず、マジシャンが浮かんで来てしまったので入り込み辛かった...

      短めの名作や文豪の作品を読んじゃおう作戦の一環。

      町の活動写真館でセロを弾く係のゴーシュ。

      他にも、トランペット、ヴァイオリン、クラリネット、ボーボーなどを担当する人がおり、それを楽長が取り纏める、言わばミニオーケストラ的な楽団に属しているような形。

      ゴーシュの奏でるセロは上手くないと評判で、楽長に怒られる毎日を送っている。

      そんな彼は、自宅に帰ってからも練習を欠かさない真面目な男で、彼を慕って次々と動物達がやって来る。

      三毛猫
      カッコウ
      子ダヌキ
      野ネズミ

      ある意味、練習の邪魔をされているようでは有るものの、彼らとの出会いから、確実に何かを掴むゴーシュ。

      全てが説明されているわけではなく、読者に委ねられている部分が多い作品だと思うが、読んで何を感じたのかを語り合うにはとても良い作品ではないかと思った。

      正直、あまりピンと来ていないので、他の人がどう感じるのかに興味がある。
      >> 続きを読む

      2013/08/20 by

      新編銀河鉄道の夜」のレビュー

    • 宮沢賢治の作品は優しさとかあって、しかもどことなくファンタジー的な所が良いですよね。 >> 続きを読む

      2013/08/20 by Shimada

    • >たしか、「インドの虎刈り」という曲じゃなかったっけ。
       たしか、それでした♪

       いやいや、よく考えてみると(考えなくても)、「インドの虎狩り」ではないでしょうか。
       インドで虎を追っているシーンは目に浮かびますが、インドに下手な床屋さんがいて…では音楽になりそうもない。
       すみません、自己ツッコミでした。
       
      >> 続きを読む

      2013/08/21 by 弁護士K

    • 評価: 3.0

      宮沢賢治の代表作「銀河鉄道の夜」を含む短編集です。

      読んでみるとどこか悲しいような、切ないような、純粋でとても澄みきっているようなそんな印象を受けます。宮沢賢治の世界観が好きという人がとても多いのもわかるような気もします。

      本当にファンも多い名作ですが、でもとても正直に言うと、この作品の良さがわかりませんでした。
      あまりピンとこなかったことがちょっと悲しかったです。

      幻想的?とでも言うのでしょうか。
      なんだかとらえどころのないような、そんな感じです。
      とても難しいと感じてしまいました。
      ピュアな人ほど、この世界観に浸ることができそうです。

      時間をおいて、もう一度読んでみよう。
      >> 続きを読む

      2012/10/31 by

      新編銀河鉄道の夜」のレビュー

    • そう言えば、まだ読んでいませんでした。
      これは読まないとですね♪

      2012/10/31 by emi

    • 「新編」というのは、何か特別なアレンジがあるのでしょうか?
      編集が新しい作品集という程度の意味かな?

      銀河鉄道の夜は未完の作品です。
      だから読後、読み終えた爽快感がないのは当然なんですよね。
      好きな人は単純にことばのきらめく感覚や、イメージの豊富さや美しい視覚効果などを愛しているのだと思います。
      あと、死の影の不気味な夢のような雰囲気とかも。

      アニメーションもSFXもない時代でイマジネーションを刺激してくれる
      素晴らしい素材だったと思います。

      だからあれは必要以上の(読者が深読みする類の)深い哲学的な意味はないと
      私は思うんですが。

      ますむらひろしさんの漫画で描いている「銀河鉄道」とか、
      「アタゴオル物語」シリーズとか、そっちから、イメージを膨らませてはいる人も
      今では多いのではないかしら?
      もし、賢治ワールドにご興味があれば、試しにご覧になってみてください。
      主人公は猫だけど(=^・^=)
      >> 続きを読む

      2012/10/31 by 月うさぎ

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      著者: 宮沢賢治 , 清川あさみ

      • 評価: 5.0

        前に王様のブランチで紹介されていて、ずっと欲しかった本。ビーズやスパンコールを使ったイラストレーションがとても魅力的で、ジョバンニたちが見た銀河鉄道の世界を体感できた。特に「ずっと一緒に行こうねえ」のシーンは、綺麗で哀しくて泣いてしまった。本当の幸いとは何なんだろう。

        2014/12/30 by

        銀河鉄道の夜」のレビュー

      • 何とも言えない不思議な世界観の代表のような作品ですよね。

        銀河鉄道999のイメージに邪魔されたのを覚えています(笑) >> 続きを読む

        2014/12/30 by ice

      • コメントありがとうございます。
        とても素敵な本ですよね!

        2014/12/30 by 花緑青

      岩波書店 (2000/12)

      著者: 宮沢賢治

      • 評価: 4.0

        宮沢賢治さんの作品は、暗いものが多く、あまり好んで読みませんが、唯一『銀河鉄道の夜』は何度も読み直したくなります。

        私もクリスチャンです。この作品で出てきた神様のことや空遥か彼方にある美しい国のことも分かる気がします。
        ジョバンニが自分の弱さに向き合い、犠牲になってもみんなの為になろうと決心する気持ちも。
        一人ぼっちが長いため、ジョバンニも友情に飢えていたのでしょう。
        弱い心は、「自分の足で歩く」よりも、支えてもらえる仲間に頼りながら進むことを望んでいたでしょう。
        でも結局人生は人それぞれの旅。自分歩き続けなければなりません。
        その歩みが誰かに希望を運ぶように。
        その道程の先に、夢みた幸せがありますように。
        >> 続きを読む

        2017/09/01 by

        銀河鉄道の夜」のレビュー

      講談社 (1982/12)

      著者: 宮沢賢治 , 藤城清治

      • 評価: 3.0

        父が宮沢賢治は大人になってからのほうがおもしろいとあった
        大学院の先輩も学部時代には宮沢賢治を研究していたらしい
        久しぶりに私も宮沢賢治を読んだ。
        星に囲まれた世界を行く物語のはずなのに
        私の中ではずっと夜の花畑を静かに走っているような気分だった。
        花畑で寝てしまって花の香りに酔って見た夢のよう

        2014/04/30 by

        銀河鉄道の夜」のレビュー

      • 銀河鉄道の夜は詩的な表現が多いですが、宗教的な表現も多いといわれています。
        一つの物語の中から、筆者の心情を読み取ってみるのもおもしろいでしょう。 >> 続きを読む

        2014/04/30 by tak_198

      • 夢のある絵ですね♪
        いろいろな想像が広がります♪♪♪

        2014/04/30 by tamo


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