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沈黙

4.0 4.0 (レビュー11件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 540 円
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    「沈黙」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 5.0

      映画を見て。
      一時期、単行本を持っていたか家にあった記憶があるけど、読んだことがなかったのは、重たくて辛そうなイメージだったから。
      そしてやっぱり、間違っていなかった!
      英語で読んだんですが、これは主人公がポルトガル人司祭なわけだし、全然違和感はない。
      むしろ、日本のこの時代の様子を傍から見るという意味で言葉というカタチから入れる。

      まずは、映画の筋書きの忠実さにびっくり。ただ映画ではどうしても表現しにくい主人公の複雑な心境や微妙な心の動きは、小説のほうが丁寧に書かれている。
      ただ、エンディングは…
      原作は映画のようではないはず、と思っていたのでスッキリ。
      遠藤周作自身のキリスト教徒であり日本人であるという(著者本人曰く)矛盾が、この作品の土台ですが、
      日本の歴史の中の暗い部分をくり抜いて曝け出し、宗教とは、社会とは、信念とは、個人の命とは、という普遍的な問題をぶつけてくる強いメッセージを持った小説。
      信念を貫き死を選ぶことは正しいのか、自分の命を惜しむことは間違っているのか弱いのか。
      では他人の死の上に申し訳なさそうに正座をして信念(宗教)を貫くのは正義なのか、諦めてもうこれ以上一人でも犠牲を出さないように心を無にして生きるのは悪なのか。

      守られた社会でしか生きてこなかった若造が大人の事情を知り成長する、という部分も重要な部分。
      勇敢な気持ちで期待していた肉体的苦痛を一度も与えられなかったという虚しさ、自分を常にキリストと比較している自惚れた傲慢さ、そして弱い者を軽蔑し、神の沈黙を疑う神父、という危うい側面はハリウッド映画としてはスッキリ来ない。
      映画上ではここが賛否両論の原因なのでは。
      でも小説ではその微妙な心境の変化も逃さずに書かれているので腑に落ちる。
      踏絵という、効率的なシステムの凄さに驚きですが、それでもキリスト教の神を信じ死を選ぶ日本人が実は歪んだキリスト教を崇拝しているという矛盾。
      じゃあ何のために彼らは死ぬのか。
      すべてを腐らせる沼である日本の中で、真のキリスト教徒として生きるにはキリスト教徒であることすべてを否定しないいけないという「悟り」の域に達する主人公。
      考えれば考えるほど、次へ次へと物語のベールは脱がされ、この小説の素晴らしさが見えてくる。
      映画がもし、素晴らしい映画だとして後世に残ることになるとしたら、讃えられるべき要素は映画製作者ではなく原作者だと思う。
      それだけ力強い小説であり、キリスト教の根本である絶対的な存在、絶対的な正義を地の奥から揺さぶるような恐ろしい物語でもある。
      >> 続きを読む

      2018/01/12 by

      沈黙」のレビュー

    • 評価: 3.0

      映画が面白かったので読んでみた。
      読んでる途中、常に『神とは?宗教とは?』を突きつけられ続けた気分。
      すごく哲学的。
      3~4回繰り返し読むと自分なりの答えが出るのでは。

      2017/12/25 by

      沈黙」のレビュー

    • 評価: 5.0

      キリスト教の神髄を見ることができる。 とにかくすごい。

      2017/10/27 by

      沈黙」のレビュー

    • 評価: 4.0

      人が本当に大切にしている支え、信条みたいなものに対し、外から力を加え歪めること以上の罪はないかもしれない。江戸時代のキリシタンと司祭の物語だけど、たった今、世界で日本でおこっている物語でもあると思うとやりきれない。
      同時に信仰って何だろう。人の強さ、弱さとは何ではかるんだろうかと考えずにはいられない面白い小説だった。

      2017/06/26 by

      沈黙」のレビュー

    • 日本国憲法 第十九条
      思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。
      自民党の改正案
      思想及び良心の自由は、保障する。

      明らかな人権の後退です。なぜわざわざ「言い換える必要がある」のか?
      侵してはならないは、憲法が政治を規制している言葉です。
      保障するは保護して損害を与えないこと。「誰か」の力でお墨付きを与えることです。
      基本的人権の項目も削除すると言っています。
      やりたいことは明白です。国民に対する政府の権限拡大です。
      自民党の憲法改正がどれほど大問題なのか。
      9条だけに固執してはいけません。私達の人権を守るには。
      これを知ることから始めなければなりませんね。それも大至急。

      この小説がこういう風に読めるような時代が来るとは!
      予想さえしていませんでした…。
      >> 続きを読む

      2017/06/26 by 月うさぎ

    • 評価: 5.0

      あらすじ
       江戸時代初期、日本では激しいキリシタンの迫害が行われていた。その頃、ローマ教会にはフェレイラ教父が拷問の末に棄教したという報告が入る。教父の教え子だったロドリコら若き司祭は、事の真相を突き止めるため、危険極まりない日本への渡航を希望する。マカオで出会った日本人のキチジローを案内人とし、一縷の希望の元、上陸を果たすも、住民の生活と信仰は地獄であった。淡々と流れる日常の中で行われる虐殺。そこには神の救いはない。自身にも危険が迫る中、主イエス・キリストへ問うロドリコ。沈黙の中、彼はイエスへ導かれる。そこには、イエスがキリストとして生まれ、死んでいった意味が表されていた。


      ネタバレ感想
       序盤は苦難はあれど恐怖はない。想定内の展開が、サスペンスやホラー映画の冒頭の静けさのようだった。日本に上陸してからは、ロドリコたちがいつ捕らえられるかと生きた心地がしない。案の定、身の毛がよだつ結末へ物語は走り出す。この渦中にロドリコは、神や信仰に疑問を持ったり、逆に教えられたっ協議に立ち返ったりする。激しく心が乱れるさまは、司祭というより一人の人間だった。遠藤周作さんの文章は、とても読みやすい。キリスト教ではない私にも、神を信じる人の気持ちに触れることができる。


      踏むがいい。

      お前の足の痛さをこの私が一番よく知っている。

      踏むがいい。

      私はお前たちに踏まれるため、

      この世に生まれ、

      お前たちの痛さを分かつため十字架を背負ったのだ。


      最後のこの部分、涙が溢れた。私も言われたい言葉だった。
      母親か、父親か、恋人か、
      人は誰かに無償の愛をもらいたい。
      宗教は、この無償の愛をもらえるものかもしれない。

      この本から、本質を見極める難しさ、赦すということの難しさを知った。凝り固まった観念にとらわれず、何が大切なのかをわかる人になりたい。

      >> 続きを読む

      2017/03/21 by

      沈黙」のレビュー

    • >洗礼を受けなければ〜
      なので「キリスト教は」ではなく、「宗教は」としてみました。それぞれの信ずる神から愛を貰うと言う意味で。

      ちゃんぽん宗教で、大らかな日本人に、遠藤氏はロドリコを通してイエスの愛を感じられるようにしてくれたのかなぁ。

      私は原始仏教に興味がありますね。神も無く、苦悩から逃れる究極のサバイバル術みたいで。
      >> 続きを読む

      2017/03/22 by momotaro

    • 〉それぞれの信ずる神から愛を貰うと言う意味で。
      それ!私もそのニュアンスの人なんですが、それは「信仰心」だと思うんです。
      「宗教」というものは必ず体系を持たざるを得ないものだと思います。
      〉原始仏教に興味がありますね。
      お釈迦様のおっしゃった哲学でしょうか?仏教には特定の神はありませんね。
      そしてそれは人間を模したものでもないです。
      それにしてもイエスもゴータマさんも自分では書き残したものはないのですよね。
      所詮他人の解釈でできたもの。ならば全部自己流解釈でOKにしてしまえばいいのにと思います。
      遠藤周作はその試みを本作で完成させたのではないかと考えています。
      >> 続きを読む

      2017/03/23 by 月うさぎ

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