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赤ひげ診療譚

5.0 5.0 (レビュー1件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 580 円
いいね! May

    「赤ひげ診療譚」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 5.0

      宮部みゆきの小説「淋しい狩人」を読んでいた時にエピソードの一つに登場した本で、すごく印象に残ったので取り寄せ読んでみることにした。
      一言で言い表すならば、傑作ですね。
      この本が出版されてから半世紀以上経過しているが、作品の魅力は全く衰えていない。
      おそらく今後数十年たっても読み継がれていく稀有の傑作小説だろう。


      主人公である医学生 保本登は、長崎遊学から戻ったばかりで医学を出世のための手段としか見ていない。
      また、許嫁がいたが遊学中にほかの男と駆け落ちしてしまい、このことが彼の心に影を落としている。
      彼が赴任した小石川養生所には、赤ひげと呼ばれる名物医長がいる。
      赤ひげは一見して無頼漢のような雰囲気をもつが、高い知性と高度な医療技術そして人生の酸いも甘い理解している稀有の男であり、日夜世の下層で生活する街の人々の診療に邁進している。
      当然、主人公の保本はこの赤ひげに最初反発するが、次第に彼のものの考え方に傾倒していき彼自身の人格も次第に人として成長していく。

      全部で八篇の短編からなる本書は、赤ひげと保本が様々な境遇の町の人を患者として診療する過程で、その人々の生活が明らかになっていくという形式で、現代的に言えばサイコスリラーのはしりの様なものから、胸が張り裂けそうになる悲恋の話、ちょっとおかしな話等バラエティーに富んでいる。
      しかし、どの話にも共通するのが、現代よりはるかに生活が厳しかった江戸時代の下層の人々の生きざまのリアリティーであろう。
      フィクションであるが、あたかも実際に存在した人々のように感じられる。
      善良なもの、悪人、弱いもの、苦しんでいる者、様々な人間がいて存在するが、作者の彼らへの眼差しは優しい。

      最後に保本は重大な決断をし、自らの人生を有意義なものにしようとする。
      そこに至るまでの彼の人としての成長は見ていて心地よかった。
      今後百年でも読み継がれてほしい本である。

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      2018/01/02 by

      赤ひげ診療譚」のレビュー


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