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ブンナよ、木からおりてこい

5.0 5.0 (レビュー2件)
著者:
カテゴリー: 小説、物語
定価: 460 円
いいね! bakabonn

    「ブンナよ、木からおりてこい」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 5.0

      蛙も雀も百舌もヘビもヒキガエルもツグミも小さな虫も蝶も… みんな愛おしい。

      「弱いってことは、わるいことではないよね、かなしいことだけど・・・わるいことではないよね」


      作者の水上さんは言う。

      「いったい誰が人なみでいることをわるいときめたのか。また、人なみでないことをダメだときめたのか。

      生きとし生けるもの、すべて太陽の下にあって、平等に生きている。蛙も鳶も同じである。だが、この世は、平等に生きているといっても弱肉強食である。賢い者は愚かな者を蹴落とし、強い者は弱い者をいじめて生きている。動物の世界だけではない。人間の世界がそれである。」

      ブンナは気づく。

      「自分のいのちというものは、だれかのおかげで生きてこれたんだ・・・地上にとんでいる小さな虫や羽虫は、みな鼠やへびや牛がえるの生まれかわり。それをくって生きるぼくらは、敵だと思っているへびや鼠をくっていることになるんだ。ぼくらのいのちは、大ぜいのいのちの一つだ・・・だから、だれでも尊いんだ。・・・」

      人間はもちろん、すべての命は平等である。

      生きとし生けるものはすべて、「生きたい」と思っている。しあわせに生きていきたいと。

      だから、どんな命であっても殺してはいけない。
      罪を犯しながら生きているという自覚が、人間であれば必要なのではないかと私は思う。
      命をいただいている、そのことに感謝だけでなく謝罪、謙虚な気持ちを忘れてはいけないと思っている。

      ブンナの母は教える。

      「この世に、自分がたべたものにあわれを感じるあまりに、くえるものをくわずにがまんして死んでゆくものがいますか。元気を出して、さあ、ちょうもはえもとってたべることです・・・ブンナよ、ちょうやはえは、わたしたちにたべられることを・・・あんなによろこんでとび舞っているではないか」
      「・・・わたしは鼠さんを殺してたべたのではない。・・・世の中は、みんな、まわりまわって、それぞれのえさになることで、死ぬものは死に、生きるものは生きている・・・」

      「生きるため」に食べるのである。必要だから。
      調理の仕方ではなく、生き物に「おいしさ」を求めたり、「好き嫌い」は「欲」ではないか。
      他の命を奪ってまで舌を肥やす、欲を満たす必要があるだろうか?
      足るを知る必要があるのでは?

      だから、今の経済優先の大企業化した畜産業界(全てではないが)には考えてもらいたいし、
      私たちも命の食べ方について見直していかなければならないのでは?


      食べられるため(殺されるため)だけに産まれてくる(産まされている)動物がどれだけいるか。
      劣悪な飼育環境下で、人間に食べられるためにどんな虐待行為が行われているか。
       (フォアグラ。 生後数ヶ月で殺される仔牛、子豚、若鶏。食じゃないけどダウン、毛皮。etc…) 
      どうやって殺されているのか。


      安い食肉や卵、牛乳を流通させるため大量生産される動物たちと、食べ残しや大量廃棄。

      (食ではないが)日本では、保健所に持ち込まれ、毎年30万匹の犬や猫が殺処分されているのはなぜか。


      百舌は言う。
      「人間の知恵というのは野蛮だよ、道具をもつと手の負えない悪魔になるのが人間だった」



      人間は、自己中心の(人間中心の)考え方を改めなくてはならないと思う。
      >> 続きを読む

      2013/01/17 by

      ブンナよ、木からおりてこい」のレビュー

    • bakabonnさんもお読みになったのですね。レビュー仲間が増えて嬉しいです。
      ブンナ」は壮絶な「生」に思いを馳せる物語ですね。

      >人間は、自己中心の(人間中心の)考え方を改めなくてはならないと思う。
      謙虚というのは、ここから始めなくてはいけないと私も思います。
      命を大切にとか、環境に優しく、なんて言っているだけじゃだめです。
      でもなぜか偉い人ほど地球が人間だけの物ではないという当たり前のことに気づかないわけで…。
      >> 続きを読む

      2013/01/17 by 月うさぎ

    • makotoさん
      読書は読むことに意味がある。とにかく読んでみて。
      私はmakotoさんのようなナイスなコメントは書けないよ^^

      emiさん
      図書館で借りました。司書さんに言うと探して他館から取り寄せてくれたりもしてくれます。図書館って親切で便利ですよ。

      iceさん
      >スーパーで購入していると、そんな当たり前の事実を認識する機会も・・・
      私も少し前までは「スーパーって便利」って、何の疑問ももっていませんでした。でも、ネットで現実を見てしまったら…;

      tsukiusagiさん
      >でもなぜか偉い人ほど地球が人間だけの物ではないという当たり前のことに気づかないわけで…。
      ホントにね。
      いい本を紹介してくれてありがとうございました。
      >> 続きを読む

      2013/01/17 by バカボン

    • 評価: 5.0

      児童書ですが、ものすごい本なのです。
      子供の頃読んで、泣いて泣いて、人生で最も泣けた本でした。
      大人になって再読すると、悲しいだけの、辛いだけの話では全くなかった、
      非常に深い生と死の問題を語った真に感動的なお話しだということがわかりました。
      そして、日本的、仏教的な生死感というものが、我々にいかに自然に深く浸透しているのか、
      それがよく理解できるに違いないと思います。
      どうか、機会があったら手に取ってもらいたい一冊。

      そして、この本を書いた作者、水上勉氏の真のメッセージも感じてもらいたいです。

      「今日の学歴社会を生きぬこうとする凡庸の子らに、どのような夢を作者は托したか。
      凡庸に生きることが如何に大切であるかを、
      母親は先ず自分の心の中で抱きとって、子に話してほしい。」

      それは、最も弱い者、最も貧しいものに常に心を向けていた水上氏の
      真心からの祈りだろう。
      強いもの人より優れた力のある者が正しいのではないのだ。上下も貴賤もない。
      どんな生き物にもその生には命の輝きがある。

      「ぼくらのいのちは、大ぜいのいのちの一つだ・・・
       だから、だれでも尊いんだ」

      木登り自慢のトノサマガエルのブンナはある時、カエルの到達したことのない高みを目指そうと思いつく。
      高い椎の木のてっぺんに素晴らしい広場を見つけ、そこの土に潜って一冬をすごそうと計画する。
      天敵の蛇がいない天国に思えたその場所は、実は、鳶の餌の一時保管場所だった。
      半殺し状態の鼠、雀、百舌、蛇、ひきがえる、つぐみなどが次々と運ばれてきては、
      やがて鳶の巣へと連れ去られ、食われていく。
      生の終りのギリギリにそれぞれの生き物はいろいろな言動をブンナに見せつける。
      泣いたり悔やんだり、怒ったり、諦めたり。

      これは、弱肉強食などではない。
      生きとし生けるものは全て、何かの体をいただいて命をつないでいる。
      食うものが悪なのではなく、それが命のつながりというものなのだ。
      それが、仏教の言う「生まれ変わり」の真の意味なのではあるまいか。

      生まれ変わったブンナはどうするか。
      その結末にも、非常に含蓄がある。


      「かもめのジョナサン」と似て、仲間を見下し憐み、高みをめざす孤高の存在が主人公。

      しかし結論は真逆の話です。
      これがおそらくキリスト教と仏教の命というものの価値の違いなんですね。
      >> 続きを読む

      2012/07/10 by

      ブンナよ、木からおりてこい」のレビュー

    • sayakaさん ほめてくださってどうもありがとうございます。
      心の中に残っていくようないい話です。
      自分なら誰に感情移入するかという個性の差も
      語り合ったら楽しいかもしれません。
      >> 続きを読む

      2012/07/10 by 月うさぎ

    • chibadebuさん コメントありがとうございました。
      泣けますよ~。とにかく最初読んだときは衝撃的でした。
      でも、悲しいだけではないお話しです。余韻もあります。
      たまには、いいと思います。読んでみてくださいね。
      >> 続きを読む

      2012/07/10 by 月うさぎ


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