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新・平家物語(二) (新潮文庫)

3.0 3.0 (レビュー1件)
著者: 吉川 英治
定価: 724 円
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    「新・平家物語(二) (新潮文庫)」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 3.0

      骨肉相食む保元の乱に勝利した清盛。
      しかし、その三年後、戦後の処遇を不満に思う源氏の棟梁・源義朝が挙兵し、平治の乱が勃発。
      熊野詣のため京を離れていた清盛は窮地に陥るが、天皇を自邸に迎えるという奇策が奏効し、激しい合戦の末に勝利する。
      義朝は東国へ落ちて行く途中で殺され、十四歳の頼朝は伊豆へ流される…。
      源氏との闘いを制し、権力を掌握した清盛を描く第二巻。

      保元・平治の乱をダイナミックに活写した本巻。
      主人公・平清盛はすでに四十の男盛りで、徳の篤かった父親・忠盛を亡くし、平家一門の棟梁として朝廷に仕えています。
      北面の武士や、侍所頭などの役職を経つつ、徐々に朝廷内にも人脈を広げてゆく清盛。
      天真爛漫、明朗快活、情にもろく、それでいて押さえるべきところはそつなく行う。
      主人公としての魅力には事欠かない、いかにも人間臭い男ではあります。

      物語として読んでももちろん面白いのですが、なかなか理解しづらい当時の歴史を知るという意味からも、人間関係、利害関係、時系列でつづられる出来事など、たいへん価値の高い小説であると思います。

      清盛ばかりが採り上げられるのではなく、どちらかというと清盛よりも脇役たちの活躍がひときわ輝く本巻。
      保元の乱の後、これまでひた隠しにしていた吏僚としての才覚を発揮し、瞬く間に朝廷内を牛耳った藤原信西入道。
      源氏の棟梁として親子相争う骨肉の戦に勝ったものの、戦後の処遇や信西の専制政治に嫌気をさし、平治のクーデターの首謀者となった源義朝。
      父・源為義とともに保元の乱では院側につき、さんざんに暴れまわった鎮西八郎の異名を持つ若武者・源為朝。
      平治の乱では寡兵ながら、圧倒的多数の平家六波羅に果敢に挑み続けた源義朝の長男・源“悪源太”義平。
      同じく武家の棟梁の嫡男として戦に臨み、武芸に勝る源氏の坂東武者たちに負けじと得意の矢を放ち続ける清盛嫡男・平重盛。
      そして、平治の乱後、若年を憐れとその一命を助けられ、流罪となった源義朝の忘れ形見・源頼朝。
      それぞれ、個性溢れる登場人物たちの一挙手一投足から目が離せません。

      時は、武家政治の夜明けです。
      鎌足以来、藤原氏の蜘蛛の糸は天皇家の血筋に絡みつき、本作の舞台となる平安末期には、天皇家との結びつきはまるで年月を経た古木のように幾重、幾様にも幹が重なり合っている様相です。
      摂関家のみならず朝廷にのぼる公家は末端の枝葉にいたるまで藤原一色。
      そこへ、天皇家から源家と平家という武家が現われました。
      古くは源義家の東征に遡る武辺の血流は、しかし、いつまでも朝廷の番犬としての役割しか与えられず、当の武士たちもそのことに一片の疑いを持っていなかったのです。
      しかし、藤原家内の覇権争いは政争のみならず、ついには武力をもった衝突にまで発展、当然、源平両家は騒動の渦中、中心となって歴史を動かしはじめます。

      嫉妬や虚栄心ばかりで、時代の趨勢を見誤った藤原氏。
      旭日の勢いの平氏。
      一旦は没落の憂き目に遭う源氏。
      天皇家や院を中心に魑魅魍魎の跋扈する京の都の覇権を争う暗闘は、老若男女入り乱れて、まさしく混沌としています。
      >> 続きを読む

      2016/03/19 by

      新・平家物語(二) (新潮文庫)」のレビュー


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