こんにちはゲストさん(ログインはこちら) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト →会員登録(無料)

ローマ人の物語

5.0 5.0 (レビュー1件)
カテゴリー: 古代ローマ
定価: 380 円

若き副帝ユリアヌスは、前線での活躍で将兵や民衆の心を掴んでゆく。コンスタンティウスは討伐に向かうが突然病に倒れ、紀元361年、ユリアヌスはついに皇帝となる。登位の後は先帝たちの定めたキリスト教会優遇策を全廃。ローマ帝国をかつて支えた精神の再興を目指し、伝統的な多神教を擁護した。この改革は既得権層から強硬な反対に遭うが、ユリアヌスは改革を次々と断行していくのだった―。

いいね!

    「ローマ人の物語」 の読書レビュー (最新順)

    最新のレビュー順 | 人気のレビュー順
    すべてのレビューとコメントを開く
    • 評価: 5.0

      この歳になってみて分かったこと。それは、人は真実を追い求めるのではなく、人は願望を追い求めるということ。だから真実を追い求めることは、孤独である。宗教が現世を支配することに反対の声を挙げた、このユリアヌス帝という人物は本当に真実を追い求めた人だったのだろう。読んでいても、ユリアヌス帝はすがすがしくも孤独である。"背教者"などという蔑称で呼ばれる、この皇帝が不憫でならない。わずかの在位期間であったが、この人が長くローマ皇帝であったなら、と思わずにいられない。彼の死後、北方蛮族に近いとされるローマ皇帝誕生。

      【このひと言】
      〇権力とは、他者をも自分の考えに沿って動かすことのできる力(パワー)であって、多くの人間が共生する社会では、アナルキア(無秩序)に陥ちたくなければ不可欠な要素である。ゆえに問題は、良く行使されたか、それとも悪く行使されたか、でしかない。
      〇キリスト教会に対抗する目的で成された法には、福祉事業に関したものもある。ユリアヌスは、キリスト協会の主導で行われている、貧しく身寄りのない人や孤児や未亡人を救済するための事業が、キリスト教の勢力の拡大に役立った事実に眼をつけたのだった。
      〇哲学は、つぶしが効かない学問だと言われている。しかし哲学の真髄は、知識ではなくて思索である。思索とは、体操が筋肉の鍛錬であるのと同じで、頭脳の鍛錬である。言い換えれば、思いをめぐらせる作業に頭脳を慣れさせる、ということだ。ターレスは、思索することに慣れ親しんでいれば、対象にするのが哲学であろうと投機であろうと、成功できることを実証したのである。つまり、哲学はつぶしが効く学問であることを、実証したのだった。
      〇しかし、後にマキアヴェリが言うように、個人間の約束を守るか否かは信義の問題だが、国家の間で成された協定を守るか否かは、国益の問題なのである。
      〇誰に対しても公正で、何ごとに対しても思慮深い人だということで、衆目は一致していたのである。だが、このような人物にはよく見られることなのだが、公正で思慮深く振舞おうとするあまりに、考えてはいてもそれを直言することまではしない。皇帝ユリアヌスに対しても、誰も批判しようのない公正な態度で接するが、その結果は、と言えばそれだけなのである。この種の人物は、常に決断を下さねばならない立場にいる人にとっては、頼りがいがある人物とは言えなかった。
      >> 続きを読む

      2017/03/19 by

      ローマ人の物語」のレビュー

    最近この本を本棚に追加した会員

    この本に関連したオススメの本

    取得中です。しばらくお待ちください。

    ローマジンノモノガタリ
    ろーまじんのものがたり

    ローマ人の物語 | 読書ログ

    会員登録(無料)

    読書ログってこんなサービス
    映画ログはこちら
    読書ログさんの本棚

    最近チェックした本