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雨恋

4.0 4.0 (レビュー1件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 540 円

ある晩、マンションの居間で彼女は語りだした。「わたしは幽霊です。そういうことになるんだと思います」。OL・小田切千波は自殺したとされていた。だが、何者かに殺されたのだ、と訴えた。ぼくは彼女の代わりに、事件の真相を探ることにする。次々と判明する驚愕の事実。そしてぼくは、雨の日にしか会えない千波を、いつしか愛し始めていた。名手が描く、奇跡のラブ・ストーリー。

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    • 評価: 4.0


      妊婦ばかりが集められた未来都市を舞台にした連作SFミステリ「バルーン・タウンの殺人」や、身体が縮んでいく妻が必死に夫を探す「ピピネラ」で、すっかり私のご贔屓の作家のひとりになった松尾由美。

      今回読了した「雨恋」は、そんな松尾由美の特質が良く出たSF的恋愛ミステリ。

      オーディオメーカーの営業部に勤める沼野渉は、アメリカへ赴任することになった叔母に留守を頼まれる。
      二匹の猫の世話さえしてくれれば、管理費だけで品川の高級マンションに住めるというのだから、願ってもない申し出だった。

      だが、いざ暮らしてみて渉は驚いた。若い女の幽霊が出るのだ。
      雨の日に限って声だけが聞こえるその幽霊は、三年前にこの部屋で死んだ小田切千波という女性であった。

      記録では彼女は自殺したことになっており、直前で翻意したにもかかわらず、何者かに毒を飲まされてしまったのだというのだ。
      いきがかり上、渉は千波の過去を探り、犯人を捜すと約束するのだが-------。

      幽霊の死因を探るという、ミステリとしての縦軸に対して、渉が次第に千波に恋をしていくという、恋愛小説としての横軸が設定されているのが読みどころだろう。

      そして、謎が解けるたびに、逆に千波の未練が薄れ、その姿が徐々に見えてくるという設定も、実に効果的だと思う。

      冒頭の渉のモノローグによって、既に一連の事件に決着がついていることは明かされているが、単純なハッピーエンドでないことは、容易に予想がついてしまう。

      人間と幽霊-------。
      結ばれないことがわかっている二人の切ない恋を、雨の音にのせて描いた、恋愛ミステリの傑作だと思う。

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      2018/04/24 by

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