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葬送

4.0 4.0 (レビュー1件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 540 円

ロマン主義の全盛期、十九世紀パリ社交界に現れたポーランドの音楽家ショパン。その流麗な調べ、その物憂げな佇まいは、瞬く間に彼を寵児とした。高貴な婦人たちの注視の中、女流作家ジョルジュ・サンドが彼を射止める。彼の繊細に過ぎる精神は、ある孤高の画家をその支えとして選んでいた。近代絵画を確立した巨人ドラクロワとショパンの交流を軸に荘厳華麗な芸術の時代を描く雄編。

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    「葬送」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 4.0

      『葬送』[全四冊](平野啓一郎)<新潮文庫> 読了です。

      ショパンとドラクロワという、ジャンルの異なる二人の天才芸術家の生き方を中心に、芸術論、政治情勢、民族紛争、歴史、旅行記、地理、恋愛、社交界、等等、とにかく濃密な記述に満ちた作品です。
      一文一文が非常に凝った表現に満ちており、じっくり読めば面白いのだろうと思いますが、何分全四冊という長編なので、私は途中で「じっくり読む」ことを諦めてしまいました。

      私は音楽の知識はあまりなく、一方で美術館にはちょくちょく足を運ぶので、繊細で甘えん坊に見えるショパンにはあまり心を寄せられず、力強く自分の足で歩いているドラクロワのほうにばかり興味がありました。

      完成した下院図書館の天井画を、ひとつひとつドラクロワ自身が鑑賞するシーン(第一部下巻 P349~P364)は圧巻で、これだけ取り出して売られていても買いたいぐらいの感動的なものでした。
      一方で、ショパンの演奏会のシーン(第二部上巻 P57~P104)は驚くほど退屈!
      場所も近いので、作者にはこれを対比させる意図があったのではないかと思います。
      音楽にも絵画にも理解のある読者なら面白く読めたかもしれませんが、私には手にあまりました。


      ※ここから少しネタバレが入るので、嫌な方は読まないでください。


      ショパンの死に際し、親友ドラクロワがその場に立ち会わなかったのは実に意味深いことだと思います。
      立ち会えなかったのではなく、立ち会わなかった。
      なぜ立ち会わなかったのかを自問自答するドラクロワですが、もちろん答えは見つかりません。
      小説はそこから「死」のもたらす意味に向かっていきますが、私はショパンとドラクロワという二つの天才のあり方にあったのではないか、と、漠然と感じました。
      この長編小説が、ドラクロワの次の大作に向かうところで終わることも、とても象徴的だと思います。
      >> 続きを読む

      2018/07/30 by

      葬送」のレビュー


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