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撃てない警官

3.5 3.5 (レビュー2件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 578 円
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    「撃てない警官」 の読書レビュー (最新順)

    最新のレビュー順 | 人気のレビュー順
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    • 評価: 4.0

      「BOOK」データベースより

      模範的な警官になろうと、誰よりも強く思ってきた。ノンキャリアながら管理部門で抜擢され、エリート部署へ配属された。だが、待っていたのは不祥事の責任を被る屈辱の左遷…。若き警部・柴崎令司が、飛ばされた所轄署で体験する人生初の悪戦苦闘。他人には言えない屈託を抱えた男が、組織と世間の泥にまみれて立ち上がる人気シリーズ全七編。第63回日本推理作家協会賞短編部門受賞作「随監」収録。


      これを読んではっと思ったのは、管理部門とかだと警察の人でも捜査とかに関わらないんですね。警視庁の人なんて言われたらそういう事にみんな1回位関わっていると勘違いしそうです。エリートだったのに左遷でそういう部署に飛ばされたら、周りからは使えない奴めなんて言われて悔しい思いしてしまうのでしょう。どんな業種でも現場と事務職の軋轢っていうのはありますですね。

      この主人公正義の味方でも悪党でもなく、ひたすら組織の中でもがいて自分の立ち位置を模索する様が何とも人間的で、僕的にはかなり良い作品だと思いました。
      主人公が自分を陥れた同僚上司たちに一矢報いようと、正規の方法では無く弱みを握ろうと画策しますが、現場の空気を吸う事によって、次第に考え方が変わっていく描き方も自然で違和感なく読めました。

      警察も人間の集まりだし、これ以上無い位に部署ごとの軋轢や思惑にまみれているだろうし、警察組織の内部事情と絡み合って色々なものが置き去りになって行くんだろうなとしみじみと思う本でした。


      >> 続きを読む

      2015/08/14 by

      撃てない警官」のレビュー

    • 私も読んだけどこの作品は素晴らしい。
      完成度高いです。

      2015/08/14 by 俵屋金兵衛

    • 俵屋金兵衛さん
      はい!面白かったです。新たに他の本も買ってあるのでとても楽しみにしています。警察小説好きなのでこういういい作品は貴重です。 >> 続きを読む

      2015/08/15 by ありんこ

    • 評価: 3.0

      総監へのレクチャー中、部下の拳銃自殺を知った。
      柴崎令司は三十代ながら警部であり、警視庁総務部で係長を務めつつ、さらなる出世を望んでいた。
      だが不祥事の責任を負い、綾瀬署に左遷される。
      捜査経験のない彼の眼前に現れる様々な事件。
      泥にまみれながらも柴崎は本庁への復帰を虎視眈々と狙っていた。

      日本推理作家協会賞受賞作『随監』収録。

      連作短編7本。
      なかでも、さすが、日本推理作家協会賞受賞の『随監』が、頭ひとつ抜きんでた出来栄えでした。

      “隋監”とは、警視庁の各方面本部が抜き打ちで警察署内部を監察してまわる、随時監察の略です。
      主人公・柴崎が刑務課長代理を務める綾瀬署は第6方面の中規模警察署です。
      午前3時の隋監の報せに、仮眠中だった柴崎は飛び起きます。
      第6方面本部からの監察官3名を迎え、柴崎は痛くもない腹を探られる不快感を抱くのですが、副署長以下幹部はのんびりしたもの。
      「適当に対応しておけ」との指示に、憤りさえ覚える柴崎でしたが、担当官として監察につき合うことに。
      銃保管庫、交通課、刑事課…と監察が進む中、監察官のひとりの携帯が鳴ります。
      管内交番のひとつ弘道交番から“タレ”がでた…。
      “タレ”とは被害届のこと。
      監察官にわざわざそのことが伝えられたということは、市民からの被害届が出ていたにも関わらず、正式な手続きを踏まず、書類が放置されていたことを示すものでした。
      しかも傷害事案との報に、柴崎は青くなります。
      なぜ、その被害届を受理した警察官は、正しく処理することをせず、隠匿するようなマネをしたのか。
      厳しく問い詰めると、交番所長の指示によるものだと白状します。
      弘道交番所長・広松昌造巡査部長は、交番勤務9年に登るベテラン。
      管内の事情には誰よりも精通しており、細々としたものから大きな事案までそつなく処理する優秀な警察官で、地域住民からの信頼は絶大。
      彼の、異動の話が漏れるや否や、地域の自治会長と商店会長が連名で異動取り消しを嘆願してきたといわれる、いわば模範的な警察官でした。
      そんな、彼がどうして。
      本人を呼び出すと、監察官を監察官とも思わぬ、木で鼻をくくったような対応に終始し、上司に対しても傲岸不遜な態度をとる広松に、柴崎は目を白黒させます。
      しかし、わが身に降りかかってくるかもしれない火の粉は、燃え上がる前に消さなければならない…柴崎は、広松の行動の裏に何か特殊な事情があるのではないか、と自ら現場に赴き、ひとりひとりの関係者の話を丁寧に聞き始めます。
      この地道で確かな捜査手法は、皮肉にも、左遷された綾瀬署で培った、柴崎のおハコになりつつありました。

      警察という組織の内部を赤裸々に描いた作品集です。
      警察内部のお家事情を書かせたらパイオニアは横山秀夫さんですが、本作の著者・安東さんが横山さんの作風をまるで意識していなかったといったら嘘になるでしょう。
      悪く言えば人のふんどしで相撲をとってしまった感はありますが、実力のある作家さんだけに内容が充実しています。
      同じジャンルで書かれた佳作と、良くとってよかろうと思います。

      警察に限らず、組織の論理に馴染めず、組織内で浮いてしまう人間というのはいます。
      まるで無能ならば害はないのですが、なまじっか有能であると、組織そのものの存在・存続を危うくする場合があるので、考えもの。
      本作で登場する、ベテラン交番警察官のように、市民には熱烈に支持される反面、署内上層部からは煙たがれるという立ち位置に、僕の個人的な立場を投影してしまって、激しく感情移入してしまいました。
      別に自分を有能だとは思っていませんが、顔を向ける方向が内向きか、外向きかだけで、行動パターンというのは大きく変わるもの。
      ひたすら内向きで、人畜無害、ご機嫌伺い一本やりの人間って、ほんとうに実在するんだなぁと、社会に出てみて驚きました。

      情だとか、義理だとかが理の上を行ってしまって、ルールを逸脱してしまう、しかしその責任を免れようとは思わない。
      特に警察のような四角四面を求められる組織に置いて、非常に取扱いに困る、優秀な人材。
      そんな不器用な男を、かつて出世だけがすべてと思いこんでいたが、左遷されたことで少しずつ考え方が変わりつつある主人公がどう見たか。
      警察社会を通して、現代社会の行き辛さを読み手に問う、硬派な警察小説です。
      >> 続きを読む

      2015/04/07 by

      撃てない警官」のレビュー

    • >arinkoさん
      いつも、コメントありがとうございます。
      本作、期待外れにはならないと思いますよ。図書館に予約を入れてください(買うほどのものじゃないです)
      ギチギチの上下関係、人間関係の中、主人公の選ぶ選択って…。
      ま、面白いです。
      新潮社からなので、まず、間違いないところです。
      >> 続きを読む

      2015/04/07 by 課長代理

    • 課長代理さん、再度コメントすみません。
      >官僚=クソ
      分かります、分かります。ぼくが大学で助手の頃、官僚養成大学に石を投げに行ったので、すごくよく分かります。後日、その大学出身の先輩から呼び出され、厳しい指導を受けました。(その大学が幅を利かす学会で不当な扱いを受けたので)
      >馬鹿ほど上に上がってゆく
      風が強いときの風見鶏みたいなやつが上から気に入られるんだ。ぼくたちは現場主義の所轄のオッサンになりましょう。
      >> 続きを読む

      2015/04/07 by 素頓狂


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