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狐笛のかなた

4.0 4.0 (レビュー2件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 620 円

小夜は12歳。人の心が聞こえる“聞き耳”の力を亡き母から受け継いだ。ある日の夕暮れ、犬に追われる子狐を助けたが、狐はこの世と神の世の“あわい”に棲む霊狐・野火だった。隣り合う二つの国の争いに巻き込まれ、呪いを避けて森陰屋敷に閉じ込められている少年・小春丸をめぐり、小夜と野火の、孤独でけなげな愛が燃え上がる...愛のために身を捨てたとき、もう恐ろしいものは何もない。野間児童文芸賞受賞作。

いいね! niwashi

    「狐笛のかなた」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 3.0

      作者あとがきにある通り、この物語は上橋さんの心の底にある〈なつかしい場所〉の物語です。
      桜や梅の咲き誇る日本のような国が舞台となっております。
      時代設定はないそうですが、強いて言うなれば安土桃山〜江戸時代といった感じでしょうか。
      ある2つの国のいがみ合いとそれに巻き込まれる小夜、野火、小春丸。
      両国の間にある深い憎しみ合いを終わらせることはできるのか。

      守り人シリーズの延長として読み始めたのが失敗だったか。
      長編と短編を比べる事自体ナンセンスだが、やはり物足りない。
      ボリュームが劣るのは致し方ないと思うが、もう少し話の奥行きが欲しかった。
      呪いについての細かい描写、その代償や小夜の才能についてもう少し詰めて欲しい。
      ぽっと出に呪いと言われても、どこか荒唐無稽で薄っぺらく感じてしまう。
      (上橋さんの頭の中には細かい設定があったのかもしれないけど)

      今作は憎しみ合うことの虚しさを描いている分、人物同士の関係性はシンプルになっている。
      そのため、守り人のような緻密さはあまりない。
      守り人のような世界観を求めているなら、今作には物足りなさを感じるかもしれない。
      逆に言えば、人物の心情や関係性は丁寧かつ分かりやすいので、上橋菜穂子入門としてはオススメと言える。
      >> 続きを読む

      2015/09/23 by

      狐笛のかなた」のレビュー

    • 評価: 4.0

      不思議な力を持った人間の小夜と、あやかしの霊狐である野火の関係が切なかった。
      どちらも孤独を抱えているけれど、とても純粋な心の持ち主。
      二人はお互い惹かれあいながらも、国同士の醜い抗争の中で傷つきあい、そして、未来へ向かって我が身を捨てる。

      純粋な心の主人公が人々の憎しみや悲しみの渦に翻弄されていくという構図は、上橋菜穂子作品の特徴だろう。
      そこに描かれる憎しみや呪いや怒りの感情はとても生々しく、児童文学の枠を超えている。

      でも、それら負の感情の生々しさを上回る、優しさや一途さや強さも描かれているのだ。
      だから、読み終えた後すがすがしい気分になる。


      世の中にはどうしようもなく汚いものが存在していて、
      そこから目をそらさずに強くまっすぐ生きるということは、
      泥臭く生きることでもある。


      読後のすがすがしさは、ファンタジーだからこそ味わえる気分なのかもしれない。
      もしもノンフィクションで現実味がありすぎたら、きっと毒気にやられて気分が悪くなってしまうだろう。
      >> 続きを読む

      2014/12/09 by

      狐笛のかなた」のレビュー

    • >読後のすがすがしさは、ファンタジーだからこそ味わえる気分なのかもしれない。

      思い切りファンタジーでありえない世界を堪能するの、いいですよねー。映画でもそういうの好きです! >> 続きを読む

      2014/12/09 by ただひこ

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      著者: 白井弓子 , 上橋菜穂子

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      • 評価: 4.0

        上橋菜穂子さんといえば、「守り人」シリーズ「獣の奏者」シリーズが特に有名ですが、この「狐笛のかなた」は一冊完結ものです。
        340ページと、決して長すぎはしない本なのに、読み終わったとき、長い長い時の中を共に歩んでいったような、そんな不思議な気持ちにさせてくれる一冊でした。
        小夜は産婆の祖母と里のはずれで暮らしていた。ある日、一匹の狐を助けるために、近寄ってはいけないといういわくありげな屋敷に身を隠したのがきっかけで、人生が大きく動き始める……、といった導入かな。

        上橋さんの物語のすごいところは、とにかくまるで自分たちもその景色を「視ている」ような気分にさせられる、その素晴らしい描写力にあると思います。
        小夜に助けられた野火が、小夜と小春丸と混ざって遊びたいと願う最初のほうのシーンからもう泣きそうになってしまいました。切ない……!

        この野火がすごくいいやつで、最後はそうなるのかあと思いつつ納得の結末でした。
        野火には報われてほしと思ったので、ちょっと切ない余韻の残る終わり方でしたが、この終わり方は好きです。
        私は小春丸も好きだったので、逆に小春丸の出番が予想以上に少なかったことが残念でしたが。
        全体的にページの割に人物がたくさん出てくるので、もっと書き込んでほしかった登場人物とかも多くて、そこがちょっと惜しかったです。木縄坊とか好きだったのですが。そう考えると、もうちょっと分量があってもよかったのかもしれないですね。

        でも、非常に切なく、けれど優しい気持ちになれるような、満足感の高いファンタジー小説です。やっぱり上橋さんの書くファンタジー小説はいいなあと思ってしまいました。ほかの物語も久しぶりに読みたくなったりして、余韻に浸っています。

        あと、何と言っても表紙がきれいで、断然ハードカバーのほうがお気に入りです。
        >> 続きを読む

        2013/10/22 by

        狐笛のかなた」のレビュー

      • >近寄ってはいけないといういわくありげな屋敷

        人一倍怖がりますけど、絶対入らずにはいられないですよねーw >> 続きを読む

        2013/10/23 by makoto

      • 冒頭から映画をみているような、山郷・夜・草の匂い・走る野狐・・・あっという間に引き込まれる。上橋さんの描写力は凄い!せつない物語であるけれど、後にほんわり胸が暖かい。大好きな本です。 >> 続きを読む

        2015/12/04 by nichiyobi


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