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苦役列車

3.5 3.5 (レビュー6件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 420 円

劣等感とやり場のない怒りを溜め、埠頭の冷凍倉庫で日雇い仕事を続ける北町貫多、19歳。将来への希望もなく、厄介な自意識を抱えて生きる日々を、苦役の従事と見立てた貫多の明日は―。現代文学に私小説が逆襲を遂げた、第144回芥川賞受賞作。後年私小説家となった貫多の、無名作家たる諦観と八方破れの覚悟を描いた「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」を併録。

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    「苦役列車」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 4.0

      再読。
      第144回芥川賞受賞作。
      主人公の北町貫多が織りなす小説は、著者が公言しているうえ読めば一発でわかるのだが、西村賢太本人を投影している私小説である。
      「苦役列車」は日雇い仕事をしている貫多が同僚の日下部と親しくなることころから物語が展開する。
      日雇い仕事の単調さなども描写されているが、花村萬月「鬱」の描写には遠く及ばない。
      貫多の精神のひねくれ具合は尋常ではなく、金を貸してもらった恩のある日下部とその彼女に居酒屋で絡むシーンなどは無茶苦茶である。
      「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」でも貫多は編集者に難癖をつけており、貫多が西村本人と思うと周りの編集者は大変だろうなと同情してしまう。
      西村賢太はエッセイや日記も何冊か発行しているが、カラッとした筆致で面白く読める(何月何日に風俗に行った、ということまで事細かく記しているのは如何なものかと思うが)。
      僕が読んでいる小説は本格ミステリと純文学がほとんどだが、正直ジャンルとしては本格ミステリの方が純文学より面白いと思っている。
      ただ、本格ミステリばかり読んでいると飽きるというか「謎の提出→その解明」という形式がないと小説を面白がれない自分が狭量な気がして、純文学も読んでいるという感じである(なのでミステリしか読まないという人の気持ちはわりと理解できるのだが、純文学しか読まないという人に関しては正直「もったいないな」と感じてしまう)
      本当は、SFやホラーや歴史小説やラノベも読まなければいけないと思っているのだが、とてもそこまでのキャパシティがない。
      困ったものである。
      >> 続きを読む

      2020/05/18 by

      苦役列車」のレビュー

    • こんにちは。月うさぎと申します。
      SF面白いですよ~。下手なノンフィクションより社会をとらえていたり
      上質のSFはミステリーでもあることも多いのです。
      殺人よりももっと大きな謎解きです。
      そしてもちろんエンタメ小説なので、面白いです。
      (あっ!「星を継ぐもの」読まれているじゃないですか!
       あれってミステリーですよね!私もそう思います!)
      この小説のような自虐ネタこそが「純文学」って構図、まだ通用するんですね。
      日本の文学界ってホント不思議。
      >> 続きを読む

      2020/05/18 by 月うさぎ

    • 月うさぎ様。
      こんにちは。確かにSFも面白そうです。
      「アルジャーノンに花束を」も、とても素敵な小説でした。 >> 続きを読む

      2020/05/18 by tygkun

    • 評価: 3.0

      聞いたことのある題名で、Wikipediaの純文学のところに挙げられていたので手にとった。中卒で日雇いでしのいでいる男がグズグズしているようなお話で悪くない。私小説の分野らしく、作者の経験が投影されているのかもしれない。もう一遍収められている「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」も主人公は一緒。やや文語調の文体で読みづらいとまでは言わないが、のめり込むほどの面白さはないかな。

      2019/12/24 by

      苦役列車」のレビュー

    • 評価: 4.0

      劣等感について、非常に深い...。

      作者氏が中卒なのだ。
      本を書いてるなら○○大学文学部(近年は文学部とかでなくとも通りが良さげ)卒。なんてのが普通で、高卒だっていないところ、中卒。
      そしてそれをウリにしてるところがまず驚いた。
      もちろん文がおかしいわけじゃないですよ。ちゃんと文学な人(何だソレ)が書いてる感じw
      なんというかスゴイのは、実体験をかいたような生々しい感じか...。
      底辺に生きる人間について、なまじ達観した学歴の人間が蔑んで書いたもの(コレは言い過ぎだけども)なんかよりも魂が揺さぶられる!
      芥川賞受賞、とても意義があります!
      >> 続きを読む

      2018/07/28 by

      苦役列車」のレビュー

    • 評価: 評価なし

      重なる心情が多すぎて…。それでいて嫌な読後感ではない不思議。

      2016/01/15 by

      苦役列車」のレビュー

    • 評価: 5.0

      この本のメインである「苦役列車」自体は面白いとは思わなかった。
      しかし、おまけにあたる「落ちぶれて袖に涙の振りかかる」の最後の2ページの伏線であると考えると、この小説の価値は私の中で一変した。

      自分がクズであると自覚する人であればあるほどこの小説を読むべきだと思う。

      2015/05/15 by

      苦役列車」のレビュー

    • メインでない短編などが面白いと得した気分になりますね♪

      2015/05/16 by sunflower

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      • 評価: 4.0

        芥川賞受賞作品で、この夏「友ナシ、金ナシ、女ナシ。この愛すべき、ろくでナシ」のキャッチフレーズで映画化されたようです。

        いきなり書評ではなくて申し訳ないのですが、元AKB48の前田あっちゃんが好きです。
        国民的アイドルグループの「絶対的エース」とまで言われながら、(たぶん人見知りな)あの素振りに親近感を感じるから。

        で、書評に戻りますが・・・

        格差社会を、こうまで感じさせる作品に出会ったのは初めてです。

        父親の性犯罪による一家離散から始まり、その日暮らしを絵に描いたような爛れた生活。

        そんな生活を、彼は「苦行」と考えています。しかも、死という終着駅まで、そこから降りられない「列車」のようで有ると。

        もちろん、どんな環境で有れ、本人の意識と努力で這い上がっていくことはできるはずですが、希望を完全に失ってしまったような彼に、彼自身だけの責任を問うのも可哀想に思います。

        余りにも救いが無いストーリーのため、読後は寂寥感に苛まれましたが、(むりやり)一縷の期待を抱くことにしました。

        自分が恵まれ、幸福な生活を送っていることを思い知りましたが、彼のような若者にチャンスと希望を与えたいと切に願います。
        >> 続きを読む

        2012/11/08 by

        苦役列車」のレビュー

      • みんな楽しく希望を抱ける社会がいいですよね♪
        しかし、前田のあっちゃんとの落差が激し過ぎですw >> 続きを読む

        2012/11/08 by makoto

      • 私もこの前同じ本のレビューを登録しましたが、やや表面的なものでした。emiさんのそれは、この「苦行列車」を語るのに、適切だと思いました。 >> 続きを読む

        2012/11/12 by iirei


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