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朱夏

3.5 3.5 (レビュー3件)
著者:
カテゴリー: 小説、物語
定価: 580 円

あの日、妻が消えた。何の手がかりも残さずに。樋口警部補は眠れぬ夜を過ごした。そして、信頼する荻窪署の氏家に助けを求めたのだった。あの日、恵子は見知らぬ男に誘拐され、部屋に監禁された。だが夫は優秀な刑事だ。きっと捜し出してくれるはずだ―。その誠実さで数々の事件を解決してきた刑事。彼を支えてきた妻。二つの視点から、真相を浮かび上がらせる、本格警察小説。

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    「朱夏」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 4.0

      凄く暑すぎて何を読もうか迷っていたら、この「朱夏」が目に止まりかなり前に読んだがまた読む事にしました。たぶん、(夏)の文字に反応したと思います。 まず面白い、そして読みやすい、警察小説だがあまり小難しい内容では無い。ある日(樋口顕)の妻(恵子)が家に帰らない事がおきて、その内帰るだろうと思っていたが帰らず誘拐の線が強くなった。でも妻なので事件にできず、同僚の(氏家)と二人だけで捜査を始める。タイムリミットはあとわずか。何故なら別の事件の捜査本部が開始する。二人で犯人を追いつめる。このビンジョウ感は読み手をひきつけます。犯人は以外な人物だった。 そして、文中に今は兄弟が二人、一人っ子が多く特に一人っ子は親が特に母親が息子を溺愛して、父親をバカにして父親の帰る場所も無くなり会話も無くなり、そして何も出来ない(男)が出来るそうです。私の職場にも何を考えているか何も喋らない人がいます。この様な人って人とコミニケーションが出来ないんですよね。挨拶も出来ないし、声も小さいし。 最後に「朱夏」とは「青春」の次です。「青春」「朱夏」「白秋」「玄冬」の順です。勉強になります。 >> 続きを読む

      2017/07/16 by

      朱夏」のレビュー

    • 評価: 3.0

      その日、妻が消えた。
      何の手がかりも残さずに。
      樋口警部補は眠れぬ夜を過ごした。
      そして、信頼する荻窪署の氏家に助けを求めたのだった。

      その日、恵子は見知らぬ男に誘拐され、部屋に監禁された。
      だが夫は優秀な刑事、きっと捜し出してくれるはずだ――。

      その誠実さで数々の事件を解決してきた刑事。
      彼を支えてきた妻。
      二つの視点から真相を浮かび上がらせる本格警察小説。


      シリーズ1作目『リオ』に続き、樋口顕警部補の活躍する人気シリーズ2作目を読み終えました。
      初版は『リオ』と同じく幻冬舎さんから、1998年の作品です。
      主人公・樋口が携帯電話を持っていたり、カラーコピーが一般化してきたり、段々と現代に近くなった部分もあれば、“ストーカー”なんていう言葉が特殊なものであったり、防衛庁がいまだ六本木にあったり、描かれている時代を彷彿とさせる描写があり、そんなところも興味深く。

      代々木署に捜査本部が置かれた連続コンビニ強盗事件の犯人グループが逮捕される場面から物語は始まります。
      解決の決め手となった手がかりに目を付けたのも、最後、逃げだした一味のひとりを見事な足払いで昏倒させ逮捕したのも、若き捜査員・安達巡査のお手柄でした。
      本庁から強行班3係の面々を引き連れて捜査の指揮を執っていた樋口は、安達巡査の活躍に目を細めます。
      聞けば安達は樋口を手本としているとのこと。
      面はゆい思いにたじろぎながらも、心中では、冗談ではない私よりも優れた刑事は他にいくらでもいるだろう、と、いつものように本心から自分自身の能力に懐疑的な自分がいるのでした。
      ひとつの事件の終局は、新たな事件を担当する端緒に過ぎません。
      警視庁警備局長自宅宛てに届いた、脅迫状。
      “天誅”を謳い、世の不条理を嘆き、政治や官僚の腐敗を詰る内容に、高い知識レベルと、警視庁内部に精通していると窺わせる投函。
      難しい事件を託された樋口は、暮れもおしせまった金曜日の夜、『リオ』事件で相棒となった荻窪署生活安全課捜査員・氏家と久々の邂逅を果たし、痛飲します。
      日付が変わる頃、帰宅した樋口は妻の不在を知り、瞬間混乱します。
      -恵子が出て行った?なぜ?
      しかし、樋口は即座にそんな疑問を否定します。
      -いや、妻が理由も無く、書置きひとつ残さず、家を空けるはずがない。
      とすれば、何か事件に巻き込まれた可能性があると、思い定めた樋口は、別れたばかりの氏家に救援を求めます。
      タイムリミットは月曜日の朝、警備局長脅迫事件の捜査本部が立つまでの2日半。
      ふたりだけの捜査が始まります。

      前作『リオ』で今野敏さんは、ひたすら全共闘世代の功罪をあげつらい批判していました。
      本作では、すべてが若者におもねるようになり惰弱した社会と、ぬるま湯に浸り何を考えているのかわからない若者たちへの怒りが、くりかえしくりかえし綴られます。
      つまりは、今野さんご自身の世代(団塊の世代)だけが、正しくまっとうであるというご主張。
      いえいえ、僕ら世代からしたら団塊世代こそ、この国をおかしくした当事者世代じゃないか、と思ってみたり。
      結局、世代論争というのは答えがないのですね。
      ただ思うのは、明治という日本の夜明けを創り出し、そして生き抜いた世代が生み、残した次の世代が太平洋戦争までを引き起こしたということ。
      戦後、ゼロから始まった日本の復興を、歯を食いしばって立ち上がり続けた世代が生み、残した次の世代が団塊と呼ばれ、経済や、思想や、風習や日本の何もかもを食い散らかして、残滓のような希望のない現代日本をつくりだしたということ。
      苦労した賢明な世代のあとには、苦労知らずの愚かな世代がやってくるという約束ごとのようなくり返しがあります。
      脱線しました。

      本作では、割と早い段階で犯人が判ります。
      ですから謎解きのスリリングに著者が重きを置いていないことが感じられます。
      著者が読者に味あわせたかったのは、樋口と氏家の視点と、拉致された恵子の視点、ふたつを交互に描くことと、そして解決まで時間の制限を設けることで、救出に至るまでの緊迫感あふれる捜査過程でした。
      警視庁と神奈川県警のいがみ合いや、警視庁管内とはいえ所轄署が違えば情報を引き出しにくい現実だったり、公安・刑務と刑事の部門間の軋轢など、今野警察小説になくてはならない警察の内部事情が、物語のリアリティを増幅させます。
      一見、無駄のように長い樋口と氏家の会話も、物語を彩る大切なエッセンス、冗長と捉える方もいらっしゃるかもしれませんが、内容は深く僕はとても楽しめました。

      気になったのは2つの点は、
      ① 手錠を犯人の手首に叩きつけて逮捕するのドラマの中だけ
      ② 護身用スタンガンで瞬時に気絶するのもドラマの中だけ
      という点です。
      重箱の隅をつつきますが(宣言して、開き直ったようで嫌ですが)、
      同じ警察小説の書き手さんで、僕は鳴海章さんという作家さんをこよなく愛しているのですが、その方が作品の中で上記の点を指摘しておられました。
      手錠は鉄製ではなく今は軽くて丈夫な素材が使われているらしいのですが、軽いといってもさすがに人間の手首に叩きつけたら骨折してしまうとのこと。
      また、手首に叩きつけてグルリと回転するようにはできていないと。
      スタンガンも同様で、市販で、そんな一瞬で人を気絶させてしまうような強力な電流を流す武器は日本では取扱いができないとのことでした。
      たぶん、この件では鳴海さんの取材力に分があると思います。
      2点の現実との齟齬で物語の本質が覆るような粗悪な作品ではありませんでしたが、少し雑さが気になったので書いておきます。

      タイトルの『朱夏』とは五行思想でいうところの人間の一生のうちの青春の次にやってくる時期のことのようです。
      青春、朱夏、白秋、玄冬と人生は移ろうということです。
      この言葉から人生そのものを表す言葉として「青朱白玄(あおあけはくろ)」という言葉も使われるようになったということです。
      初めて知り、勉強になった次第です。
      持つ意味の通り、人生の後半部、“朱夏”にさしかかった樋口とその妻の夫婦の物語であるともいえ、また同じように“朱夏”を迎え時代を憂う樋口と氏家という刑事ふたりの物語ともいえます。
      >> 続きを読む

      2015/06/07 by

      朱夏」のレビュー

    • >何を考えているのかわからない若者たちへの怒りが、くりかえしくりかえし綴られます
      >つまりは、今野さんご自身の世代(団塊の世代)だけが、正しくまっとうであるというご主張。
      ああ。そういうの、すっごく目につくんですよ私は。
      しょうもないこと小説に描くのね。不毛ですよ、その主張は。
      手錠の件もスタンガンの件も粗雑さの現れです。
      この作家嫌いかも。
      >> 続きを読む

      2015/07/16 by 月うさぎ

    • >月うさぎさん
      いつも、コメントありがとうございます。

      >この作家嫌いかも。

      ま、でしょうね(笑)。でも、ベストセラーになってる『隠蔽捜査』シリーズは間違いなく面白いですよ。…と、勧められて、
      試しに読んで、「ふんっ」って鼻で笑う月うさぎさんが、見えるかのようです。
      >> 続きを読む

      2015/07/16 by 課長代理

    • 評価: 4.0

      このシリーズを読むなら最初の「リオ」からだろうと思ったのだが、
      あとがきを読んで「朱夏」の方が身近で読みやすいかもしれないと、まず一冊。

      * * *

      冒頭、コンビニ強盗で暮らしている不良たちが出てくる。使いに出したユウジが帰ってこないので、二人はいらいらしているが、そのころドジなユウジが代々木署の連続コンビ二強盗捜査本部に捕まっていた。
      ユウジの自白によって隠れ家を突き止められ、二人は逮捕、そのとき活躍したのが安達弘という巡査だった。見事な払い腰で犯人の一人を仕留めた。
      解決後、乾杯の席で、彼は係長の樋口に酒を注ぎ、樋口を尊敬している、出世に関心は無いが、捜査畑を歩む刑事になれるように努力すると言った。

      そしてクリスマスの夜は無事に帰宅し、特に変わったことも無い夜が開けた。

      樋口は温和で誠実で優秀な刑事だと思われている。事実それには違いないが、自分では周りの思惑ばかりを気にする小心者で、軋轢をさけるために本音を言えないできたと、内心忸怩たるものを抱えている(とひとりで思い込んでいる)。

      しかし、家庭は円満で優しく賢い妻と娘がいる。長い共同生活を過ごすうちにあまり会話もなくなり、家族はそれぞれ自由に生きている。それが家庭生活を持続する上で緩衝材になってはいるが、時にはこの生ぬるさに慣れてきているのではないかとも思っている。
      そんなとき妻が誘拐される。アメリカ留学の経験のある妻は翻訳小説の下訳のアルバイトをしていて、26日にその原稿を届けに出たまま帰ってこなかった。

      一方、警備部の幹部に脅迫状が届く。
      2日後にはそのための捜査本部が出来る。樋口はそれに参加しなくてはならないが、個人的な事情は出来るだけ自分で解決したいと思っている。

      妻を探す日に余裕がなくなって、樋口は夜を徹して活動を開始する。以前仕事で組んで以来の付き合いをしている、氏家が力添えをしてくれることになる。彼は物事にこだわらない独特のキャラクターではあるが洞察力も持っている優秀な警官で、面白い。

      一方、妻の恵子は、優秀な夫を信じて必ず救い出してくれると信じている。犯人は素顔を隠してマスクを被ってはいるが、紳士的で身の危険はなさそう。
      樋口の捜査は順調に進み、誘拐に使ったらしい白いミニバンにたどり着く。
      恵子も夫の捜査が近づいていくる気配を感じる。


      ミステリには色々な場面が登場する。テロを装う暴力的な背景を持つ犯罪。ハイテクを駆使する犯人。裁判劇。冤罪。復讐犯。古典的な本格派。
      さまざまな場面が背景になって年々密度が増してきている。
      出来のいいミステリには引き込まれて時間を忘れることが多い。この樋口顕係長の話は一般家庭の身近な話題もあって読みやすく彼の性格も親しみを感じる。
      職場での立場や警察機構は、特殊な世界かもしれないが、人間生活の元が分かる気がした。
      >> 続きを読む

      2015/04/09 by

      朱夏」のレビュー

    • わ~レビュー拝見したらこれも気になります。
      今野敏さんお好きなんですね。
      前に紹介されていた『とせい』も気になるし! >> 続きを読む

      2015/04/09 by すもも

    • すももさん

      今野さんの本は沢山並んでいて迷います。
      ジャンルも様々ですがこれだけあるのだから読者も多いのだろうとおもって読んでみたくなります。軽い動機です(^^)
      このシリーズは評判がいいので安心して買ってきました。新しいものにチャレンジして何度も失敗していますので、安全策です。
      面白かったです。お読みになってみてください(^^)
      「とせい」は気軽に楽しめます。覚えていてくださって嬉しいです。
      >> 続きを読む

      2015/04/09 by 空耳よ


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