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ビート

警視庁強行犯係・樋口顕
3.3 3.3 (レビュー2件)
著者:
カテゴリー: 小説、物語
定価: 780 円

警視庁捜査二課・島崎洋平は震えていた。自分と長男を脅していた銀行員の富岡を殺したのは、次男の英次ではないか、という疑惑を抱いたからだ。ダンスに熱中し、家族と折り合いの悪い息子ではあったが、富岡と接触していたのは事実だ。捜査本部で共にこの事件を追っていた樋口顕は、やがて島崎の覗く深淵に気付く。捜査官と家庭人の狭間で苦悩する男たちを描いた、本格警察小説。

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    「ビート」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 4.0

      まずこの「ビート」は、ダンスミュージックのビートを指す意味の様です。主人公の樋口顕は「杉下右京」の様な天才では無く、正反対に地味な存在です。でも誰も気にしない所に目が行き、そこから事件が動く感じです。あらすじは、銀行にガサ入れが入りでも空振りにおわる。それが、銀行員と警察官が柔道の先輩後輩の関係で警察の息子も柔道家で子供の頃銀行員に教わりそこからガサ入れの情報が洩れ、そこから殺人事件が起こり・・・。文中に「汗は嘘をつかない」と出てくる所にグッと来た。これだから、読書はやめられない。

      2017/07/30 by

      ビート」のレビュー

    • 評価: 3.0

      警視庁捜査二課・島崎洋平は震えていた。
      自分と長男を脅していた銀行員の富岡を殺したのは、次男の英次ではないか、という疑惑を抱いたからだ。
      ダンスに熱中し、家族と折り合いの悪い息子ではあったが、富岡と接触していたのは事実だ。
      捜査本部で共にこの事件を追っていた樋口顕は、やがて島崎の覗く深淵に気付く。
      捜査官と家庭人の狭間で苦悩する男たちを描いた、本格警察小説。

      2000年に幻冬舎さんから刊行されたものを、2008年に新潮社が改めて文庫化したものです。
      樋口顕を主人公とした警察小説シリーズの3作目にあたります。

      愚兄賢弟ならぬ、賢兄愚弟。
      警視庁捜査二課に属する島崎洋平には二人の息子がいました。
      兄は、父親が卒業した大学に入り、同じく在席した柔道部のエース。
      弟はといえば、高校を中退し自宅の部屋に引きこもったまま。
      過去に、素行不良を咎めた島崎は、次男から殴り倒されたことがあり、ショックを引きずったまま家庭内没交渉になっていました。
      問題を起こすのなら、次男の方かと考えていたのですが。
      捜査二課と言えば、経済犯・知能犯を扱う専門部署です。
      そのころ二課は大掛かりな決算擬装を行ったとして、ある大手都市銀行経営陣をターゲットに緻密な捜査を行っていました。
      家庭に仕事を持ち帰ることがある島崎のパソコンの中の捜査資料を、こともあろうに長男が盗み読み、柔道部のOBのひとりで件の都市銀行に勤務する富岡という男に情報を提供していたことがわかります。
      長男の先輩と言えば、自分の後輩にあたる人物です。
      島崎は単独で富岡に接触をもち、問題のもみ消しを図りますが、長男の不始末をネタに返って脅迫されてしまい、家宅捜索の日程を漏らしてしまいます。
      苦悩する父子。
      そこへ、富岡が自宅で絞殺されたとの一報が。
      決して喜んでなどはいけないと思いつつも、安堵の気持ちを抑えられない島崎でしたが、二課から富岡殺人の捜査にあたる樋口班へ派遣されます。
      胸のつかえがとれたせいか、精力的に捜査に協力する島崎。
      その島崎はまたしても冷水をあびせかけられたような、強い衝撃に襲われます。
      殺害現場のマンション付近をうろついていた若い男の似顔絵が、次男の風貌と瓜二つだったからです。
      無関心を装っていた次男は、父と兄の深刻そうな話を、扉越しに立ち聞きしてしたのでした。
      単独捜査を志願する島崎を訝しむ樋口。
      島崎は次男を張り込み、追跡を開始します。
      次男は、親の知らぬところで、ダンスに熱中していました。
      最初、けしからん奴と思っていた島崎も、真摯な姿勢でダンスに向き合う次男や若者たちを見張り続けるうちに、少しずつ理解をしめすようになっていきます。
      しかし、殺人を犯した容疑が次男から晴れるわけではありません。
      思い込みが強い島崎は、遂に拳銃を片手に、次男を家から連れ出してしまうのでした。

      このシリーズは、樋口顕という。万事控えめで、自己採点の辛い稀有な個性を持った刑事が、社会を覆う問題が産みだしてしまった事件を追う過程のなかで、自分なりの答えを導き出してゆくという特徴があります。
      今回は、変わりゆく日本の家庭の姿と、若者たちの虚ろな青春にスポットをあてた小説に仕上がっています。
      本作が発表された2000年と比較しても、成人になっても職業に就かず親の庇護のもとで暮らしている若者は増加しているようです。
      彼らの皆が皆、問題を抱えたいわゆる“ひきこもり”“ニート”という者たちではないにせよ、数万を超えるそうした人々の存在は異常といえる状況です。
      捜査情報をOBである銀行員に漏らす島崎の長男も、就職難のご時世、希望する都市銀行への入行に有利に、といった下心も手伝っての行動でした。
      老いも若きも生きにくい現実のなか、無理な歪がやがて大きくなりすぎて手に負えなくなったとき、「事件」として噴出するのでしょう。
      シリーズを通して、樋口顕という独特のキャラクターを通じて、著者の切り口は常にぶれませんでした。

      ただ、作品の評価としては、前2作に比較すると、明らかに劣るといったところ。
      あとがきで著者が自ら書いておられますが、まったく興味のなかったダンスレッスンを見学に行ったところ、存外にそのカッコよさに魅了され、ファンになってしまったとのこと。
      そこからこの作品の着想は生まれたものと思われるのですが、何せ痛々しい。
      それなりに取材を重ね、重層な知識武装にされての執筆だとは見受けられるのですが、だからこそ、ダンスの描写が冗長で、かつ鼻につき、閉口してしまいました。
      中年のおっさんが、無理矢理若者の心をわかったふりをしているのに似ていて、嘘くさく、訳知り顔がたまらなく嫌に感じました。
      また、島崎が次男とひと言、会話を交せば済んでしまう問題を、それができないでいるがために無駄に長い動きや、納得のできない思考回路をつらつらと読まされる読者の身になってもらいたい、と思いました。
      この辺りから、いま現在の今野敏さんに近づいてきたようで、残念でなりませんでした。
      樋口のキャラクターも、どこか『隠蔽捜査』の竜崎に似てきたし。
      竜崎と対になるようなキャラクターも書けるぞ、というのが、ある意味では本シリーズの強い持ち味なだけに、最新作『廉恥』はおっかなびっくり開くことになりそうです。
      >> 続きを読む

      2015/07/19 by

      ビート」のレビュー

    • >sunflowerさん
      いつも、コメントありがとうございます。
      まったく仰る通り。自分が興味を持ったからといって、読者もそうとは限らない。
      だんだんと今野さんの化けの皮が剥げてきた一作でもあります。
      今月のダ・ヴィンチでインタビューを受けていますが、現在進行形の連載を7本お持ちとのこと。
      どうやって書くのか?という問いに、前回分を自分で読みなおしてそれから…って。え?えーっ?プロットは?マジ、行き当たりばったり?…そりゃ、質も落ちますよ。がっかりです。
      >> 続きを読む

      2015/07/20 by 課長代理

    • >iceさん
      いつも、コメントありがとうございます。
      この表紙からたけしさんを想像することは、かなり困難かと。
      感覚として、わからないではないですが。
      年齢的にも。
      >> 続きを読む

      2015/07/20 by 課長代理


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