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ジーン・ワルツ

4.2 4.2 (レビュー2件)
著者:
カテゴリー: 小説、物語
定価: 500 円

帝華大学医学部の曾根崎理恵助教は、顕微鏡下体外受精のエキスパート。彼女の上司である清川吾郎准教授もその才を認めていた。理恵は、大学での研究のほか、閉院間近のマリアクリニックで五人の妊婦を診ている。年齢も境遇も異なる女たちは、それぞれに深刻な事情を抱えていた―。生命の意味と尊厳、そして代理母出産という人類最大の難問に挑む、新世紀の医学エンターテインメント。

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    「ジーン・ワルツ」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 4.0

      自分は男性なので、子供を産む危険性・診療の現場のことなどは正直に言って全く知らない。その為、この本を読んで非常に勉強になったという感想がまず一つ。もう一つは最後に理恵が仕掛けた行動。予想が全くつかなかったので「やられた」という感じの読後感だった。解説を読んで「マドンナ・ヴェルデ」という小説が、ここに出ていたある人の視点から見た物語だということも知ったので、機会を見つけて読んでみたいと思う。

      2017/06/09 by

      ジーン・ワルツ」のレビュー

    • 評価: 5.0

      親から子へ伝えられる遺伝子はDNA配列で、それは、A、T、G、Dの四文字。その塩基の三つの組
      あわせが一種類のアミノ酸を指定する。
      つまり、生命の基本ビートは三拍子、ワルツなのだ。(文中より)

      体外受精のエキスパート曾根崎理恵は試験管の中で、採取した卵子と精子の結合の実験をしている。

      彼女はアルバイト先のマリア・クリニックの地下実験室でひそかに受精卵を育てる研究をしているのだ。

      彼女は、厚労省に一目置かれている国内でも有数の大学で講義を受け持ち主に学生には人類の発生学を教えている。

      閉院間際のマリア・クリニックには最後の5人の患者がいて、それぞれがさまざまな重い問題を抱えている。
      若すぎて育てられないという未成年の夫婦、なんども不妊治療をしてやっと妊娠できたが予断を ゆるさない人。
      仕事との折りあいに悩んで出産を決められない人。55歳の高齢で多胎妊娠がみとめられたひと(代理母出産が疑われている)心配した一人はついに流産してしまった。

      曾根崎理恵は既婚者だが夫は外国で暮らしていて、将来二人で家庭を続けていく見通しはなく離婚の話が具体的に進んでいる。
      彼女は同じ大学の、産科婦人科学会に属する、優秀な上司の清川教授の手で密かに、子宮と卵巣 摘出の手術を受けていた。

      55歳の多胎児の母親は無事出産するのか。
      肺がん末期の院長の閉院後の決断は。
      僻地の産婦人科医療に献身していた、院長の一人息子が、一万人に一例という難産で患者を死な せて逮捕されている。
      法に従わずに人工授精、代理母を擁護する理恵の本心は。


      少子化が社会問題になっている中で、産婦人科医師、産婦人科病院の患者離れが増加している。
      医師不足で、地方の病院、医院は閉院が続いている。

      お産は病気ではないという厚労省の見解の元で、危険なお産に立ち会う医師たちの姿勢と、 問解決策を模索する姿が、現場の医師である作者から、伝わってくる。

      それは命を生み出す発生学を選んだ曾根崎理恵の姿勢によく現れている、最後の授業に、出産誕 生の神秘を講義すると、学生から大きな拍手が沸く。

      現在の行政のあり方は、生まれて育っている子供には育児手当を出すが、これから生まれる命には保険も使えない、毎月の検診費用もままならない世帯では、検診率は半分に満たないと何かの新聞で読んだ。
      少子化を憂うまえに、安心して子供の生める社会態勢が望まれる。

      この本を読んで小さな力であっても多くの人に読まれ、今産婦人科医の抱えている問題、そして「欲しくても生めない人」「生めるのに生まない人」「生みたくないひと」それぞれに対する社会の理 解を深めなくてはならないと深く感じた。

      いかに今の行政はすべてのことに対して歪んだものであるか。
      たくさんの人に読んで欲しい
      >> 続きを読む

      2014/11/24 by

      ジーン・ワルツ」のレビュー

    • >いかに今の行政はすべてのことに対して歪んだものであるか。
      出産率をあげろ!って掛け声かけりゃいいってもんじゃないと常々思っております。
      出産の危険も隠しちゃいけないし、手厚いサポートもすべきですね。
      そして何よりも生まれくる命が大切なものであるという意識の共有が大切です。
      小さな命は「親の所有物」ではないということも。
      >> 続きを読む

      2014/11/25 by 月うさぎ

    • 課長代理さん
      最初は原稿を光文社に持ち込んだのだそうですね。だから初期のバチスタなどはそこで、後は出版社が違っているようです。
      新潮社が一番多いですか。相性がいいのでしょか。
      映画があって、ドラマがあって、賑やかです(笑)
      鼻高々(^^)私も嬉しくなります。

      月うさぎさん
      最近女性官僚を採用したりして(失敗してますが^^;)持ち上げようとしてますが、女性の能力が高くなっているのに、働ける環境が貧しいですね。
      待機児童が多くては、子育てもないがしろになるような気がします。
      子育て格差が広がる元にもなっているようで、若いお母さんはストレスと憤懣が溜まるでしょうね。少子化抑制なんて絵に描いてばかりでは困りますね。
      >> 続きを読む

      2014/11/25 by 空耳よ

    関連したレビュー

      新潮社 (2008/02)

      著者: 海堂尊

      • 評価: 3.0

        医療事故、少子化、代理母出産など、主に産婦人科の業界が抱える問題を取り上げた小説です。

        主人公は、様々な課題のある法律や制度、それを作った国や官僚に立ち向かっていくような果敢な行動をとってはいますが、その壁を崩していくという訳ではないので、読んでて歯痒く感じました。

        が、よく考えてみると、テーマがテーマなのでいつの間にかビジネス書的な感覚で読んでしまっていた自分がいて、それがそのような感想に繋がったのだと後から気付きました。

        なので、あくまでも小説だと思って読まないといけない本です。当たり前のことですが、それがしにくかった本とも言えるかも知れません。 >> 続きを読む

        2012/04/21 by

        ジーン・ワルツ」のレビュー


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