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火車

3.9 3.9 (レビュー18件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 900 円
いいね! naho-11

    「火車」 の読書レビュー (最新順)

    最新のレビュー順 | 人気のレビュー順
    すべてのレビューとコメントを開く
    • 評価: 4.0

      宮部みゆきの代表作の一つに挙げられる作品。
      原作は92年であり、26年も前と感じる部分はある。
      だがそれ以上に驚くのは、核となる登場人物を最後しか出さず、周りの人間に語らせて浮かび上がせる構成だ。

      休職中の刑事の本間は、従弟から頼まれた婚約者の失踪場所を探してほしい依頼を受ける。
      その失踪者である関根彰子の行方を追ううちに、彼女に隠された秘密が明かされていく。

      ほぼすべてを本間の視点から追っていき、最後に結実させるのだが、その中に社会情勢を織り込んでいく。
      カードローン破産だとかその時代の問題を絡ませている。

      本人は出てこないのに壮絶な人生を分からせてしまうのは、流石としか言いようがない。
      >> 続きを読む

      2018/12/29 by

      火車」のレビュー

    • 評価: 5.0

      今年読んだミステリーの中でもトップクラスに良かった。
      読み終えた時、普通のミステリー小説を読み終えた時とは違う狂気の様な、人間の本当の恐ろしさのようなものが感じられた。
      雰囲気だか、ちょっとだけ東野圭吾さんの白夜行に似ているように思えた。

      2018/05/09 by

      火車」のレビュー

    • 確かに面白い本でした。宮部みゆきさんの現代ものは、けっこう重くて、読むのに覚悟がいるのですが、何度も読み返しているので、結構ボロボロです。「彼女」のやった事は決して良い事ではありませんでしたが、彼女を見つけ出す過程で、善人がたくさん出てくるので、彼女を責めたい、追い詰めたい、という視点ではないラストがとても良かったと思っています。 >> 続きを読む

      2018/05/09 by チルカル

    • 評価: 5.0


      "巡り来る火の車-----普通の女性が迷い込んだ夢と悪事の狭間を鮮烈に描いた 「火車」"

      この宮部みゆきの社会派推理小説「火車」は、第6回山本周五郎賞を受賞した作品で、クレジットカード社会の実態、とりわけ自己破産のそれにまつわるエピソードの数々を、物語の中に溶かし込み、表面上は社会派推理小説の形をとりながらも、事件に関わる様々な人物像を掘り下げていき、"厳しい人間ドラマ"となっており、彼女の著作のひとつの頂点を極めた代表作だと思います。

      ------以下、ネタばれ注意------

      人生をやり直したい。違う私になりたい------。どれだけ願っても、いったん歩き始めた人生をご破算にするのは難しいものです。だが、ここに一つの方法がある。

      違う人間の戸籍を手に入れ、別の人間になりきってしまうこと。もちろん非合法に。だが、それを行なうには、手に入れるべき戸籍の当事者をどうするのか? それでも、消したい過去への悔いが、ひっそりと事件を生み出していく------。

      「電車が綾瀬の駅を離れたところで、雨が降り始めた。なかば凍った雨だった」という印象的な書き出しで始まるこの長編小説は、「関根彰子」の失踪から幕を開け、我々読者はクレジット社会に隠された"闇の世界"へと迷い込んでいくのです。

      この物語は、徹底した追跡小説仕立てになっていて、怪我で休職中の刑事・本間俊介は、親戚の銀行マンから失踪した婚約者の関根彰子の行方に関する調査を依頼される。

      彰子はクレジットカードで自己破産した経歴があるのでバレて間もなく、彼の前から忽然と姿を消したという。本間は早速、彼女の職場や自己破産手続きに携わった弁護士などに当たってみるが、やがてとんでもない事実が判明することになる。

      自己破産した彰子と失踪した彰子は、全くの別人だったのだ。そこに事件の匂いを嗅いだ本間は、真相究明に乗り出すことを決意するのだった------。

      "巡り来る火の車------。火車とは、生前に悪事をした亡者を乗せて地獄に運ぶという、火が燃えている車のことです。だが、悪事とは、どこまでが悪事なのだろうか?

      まず、クレジットカードをつくる。勧められるままに枚数と回数が増えてくる。そのうち雪だるま式に借り入れが増えて、やがて破産に至る。ささやかな夢の連なりが地獄への火の車につながるのだとしたら、余りにも悲しすぎる。何かがおかしい------。

      この作品は、現代の女性が迷い込んだ、夢の末路が悪につながる"迷宮"を、緻密な構成で鮮やかに描いた傑作だと思う。

      サラ金、破産の物語というと、ひと昔前なら「失敗者」的に書かれがちだったが、宮部みゆきの目はあくまでも優しい。「OLも、二十代も後半になって、使い走り程度の事務仕事をしていると、それなりに惨めで辛い思いをすることだろう」と温かな視線で、"夢と悪事の狭間"を問いかけるのです。

      クレジットカードを手に、なぜ、何の夢を追うのか? 現代になっても尚、「花の命は短い」からではないのか? 小説としての圧倒的な面白さもさることながら、生き急ぐ現代女性の姿を見つめて、私を含む多くの宮部ファンの心を捉え、共感を得た作品になっていると思う。

      読み終えて、あらためて思うのは、この「火車」という作品は、従来の社会派推理小説ものと大きく異なり、話の興味が謎というものから人間ドラマの方に徐々に移行していき、遂には事件の顛末そのものよりも、社会の暗黒面に絡めとられたまま生きざるを得なかった"犯人像の受容"へと至る点にあると思う。



      >> 続きを読む

      2017/05/11 by

      火車」のレビュー

    • 評価: 5.0

      宮部みゆきさんの作品は2つ目です。
      クレジットカードや自己破産という言葉が出てくるので難しいのではと思ったのですが、そんなことはなくスラスラ読めました。
      久々に読む手が止まらないという作品に出会えました。
      カードローンや借金の恐ろしさを痛感しました。
      そこから始まった地獄のような生活から脱出するために彼女が使った方法は決して正しいものでは無かったと思うがその壮絶な人生を知ると同情せずにはいられなかった。
      ミステリー特有の謎が溶けてスカッとする快感があったが悲しい話であると思いました。

      2016/10/07 by

      火車」のレビュー

    • 評価: 5.0

      カードローンによる破産、両親の借金による人生の崩壊など、2016年でも全く解決しない社会問題を取り上げた傑作です。

      一旦不幸な境遇になると、そこから這い出したり逃げ出すこともままならない、とても他人事などとは思えません。

      物語の中で、弁護士が「借金をする人間だけが悪いと言えるのか、その制度そのものは?」みたいなことを言います。
      人生を崩壊させるようなシステムを作り上げ容認している社会の方にも問題を提起するのでした。
      今の貧困の問題と同じですね。

      さて、ミステリーとしても超一流です。
      この先はどうなるのか、ページをめくらずにはいられません。

      「よく出来た寓話」ではなく、現実で起きている事件をそのまま描写したようにも感じられる物語、すごいですね。
      >> 続きを読む

      2016/07/18 by

      火車」のレビュー

    • > 「よく出来た寓話」ではなく、現実で起きている事件をそのまま描写したようにも感じられる物語

      とても読んでみたくなりました♪
      >> 続きを読む

      2016/07/19 by ice

    • この作品、昔に読んで理解できなくて投げた作品でした。
      大人になった今もう一度読んでみようと思います。 >> 続きを読む

      2016/07/19 by 瑠李凛

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