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無伴奏

4.0 4.0 (レビュー1件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 540 円

その果てに待つものを知らず、私はあなたを求めた―。多感な響子は偶然に出会った渉に強く惹かれるが、相手の不可解な態度に翻弄される。渉に影のように寄り添う友人の祐之介と、その恋人エマ。彼らの共有する秘密の匂いが響子を苛み、不安を孕んで漂う四角形のような関係は、遂に悲劇へと疾走しはじめる。濃密な性の気配、甘美なまでの死の予感。『恋』『欲望』へと連なる傑作ロマン。

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    「無伴奏」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 4.0


      小池真理子の「無伴奏」は、第114回直木賞を受賞した「恋」の前に書かれた作品で、後に発表された「欲望」とあわせて、「恋・三部作」と呼ばれるようになったシリーズの第一作。

      この小説は、1960年代後半の仙台が舞台で、ちょうど日本中で、学生運動が盛んだった頃の物語だ。
      高校生の響子は、バロック喫茶「無伴奏」で、年上の大学生、渉と知り合い恋におちた。

      だが同時に、友人カップルらとの関係が、複雑に絡み合い、やがて思いもよらない悲劇に見舞われてしまう-------。
      この小説は、殺人事件の謎をめぐるミステリではないし、異常な事件が起こるスリラーでもない。

      にもかかわらず、ノスタルジックな背景とともに、ヒロインの情感が、繊細に描かれているせいか、読み出すと、たちまち小池真理子の華麗な小説世界に取り込まれてしまう。

      大人になりたい、大人の恋がしたい、でも怖いというような女子高生の心情が、生々しく伝わってくる。

      次々と起こる出来事に対して、響子がどう感じ、どう応じていくのか、その関心が高まり、ページをめくらずにはおれなくなる。

      読み終えて振り返ると、単純に思える物語なのに、読んでいる間、これほどのサスペンスを感じさせる小説も珍しい。

      少女のロマンスから、大人の恋愛へと移り変わる、恋の行方もさることながら、輝きにあふれた青春時代の裏側にひそむ「生」の苦さ、救いのなさ、「死」の妖しさ、美しさなどが、登場人物の言動のあちこちに表わされていて、それが記憶を刺激し、心の琴線を揺さぶるのです。

      >> 続きを読む

      2019/06/04 by

      無伴奏」のレビュー

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      集英社 (1994/08)

      著者: 小池真理子

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      • 評価: 5.0

        地域密着型の話が好きだ。
        具体的な都市が舞台となり、その舞台が大きく物語に影響を与えてくるような話。
        作者にとって、思い入れ深い土地である程面白い。
        そういう本を読んだ後は、舞台となった都市に思いを馳せる。
        私は今仙台に行きたい。

        無伴奏では1960年代の仙台が舞台となる。

        1960年代というのもいい。
        「あの頃」だ。
        全く分からないけど、何故か「あの頃」と呼びたくなる時代。
        学生運動にジャズ喫茶だ。
        みんなが活気に溢れている気がする。
        なんとなく。

        私は1960年代を生きてはいないし、仙台に行ったこともない。もちろんこの話のような経験もしたことがない。
        なのに、自分の記憶のように光景が目の前に広がり、心情が浮かんでくる。

        無伴奏はそういう迫力を持っている。

        無伴奏は実際にあった喫茶店の名前だ。
        是非行ってみたかった。

        ちなみにこの本は三部作の一作目らしいので、他のものも読んでみようと思う。

        とても良かったです。
        >> 続きを読む

        2011/08/25 by

        無伴奏」のレビュー

      • >私は1960年代を生きてはいないし、仙台に行ったこともない。もちろんこの話のような経験もしたことがない。

        Irisさん、仙台には行ったんですか?

        行ったことある場所が本に出てくると情景が浮かぶしなんだか嬉しかったりするように、本に出てきた場所に行くのも楽しいですよね。
        >> 続きを読む

        2012/08/07 by chao

      • 仙台と言うと牛タンくらいしかイメージが有りません。

        友人で牛タンを「ギュターン♪」と発音する人がいたと言うどうでも良過ぎることを思い出してしまいました・・・ >> 続きを読む

        2012/08/07 by makoto


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