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ねじの回転 (新潮文庫)

4.0 4.0 (レビュー1件)
著者: ヘンリー ジェイムズ
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    「ねじの回転 (新潮文庫)」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 4.0


      現代のホラー小説の先駆的な作品で、文学的な香気さえ漂う、ヘンリー・ジェイムズの「ねじの回転」を読了。

      かつてヘンリー・ジェイムズは、他の作品集の序文の中で「私は大主教から、若い頃ある貴婦人から聞いた話をまた聞きしたことがある。それは、"二人の幼い子供たちが人里離れた所に住んでいたが、そこへ、この家に傭われていた悪い召使たちの亡霊が、その子供たちを自分らのものにしようという企みをもって現われた"という実話談だった」と書いています。

      恐らく、作者のヘンリー・ジェイムズは、この小さな実話にヒントを得て、この作品を書き上げたものと思われます。

      そして、この「ねじの回転」という題名については、冒頭で怪談話の集いが開かれている時、居合わせた人々が、「子供に幽霊が出るということが、ねじの回転を一段と利かせているというのなら、ふたりの子供だったら、ふた回転の効果になる」という意味のことを言っているんですね。

      つまり、ひねりを利かせた怪談話という意味でつけられたものなのだろう。

      この作品で興味があるのは、亡霊が見えるのは語り手の家庭教師だけで、他の人間には見えないことだ。
      その意味では、家庭教師の単なる幻想と解釈することも出来て、読む側にこれは幻想なのか、または恐るべき真実なのかという選択を迫っているともいえる。

      亡霊もまた邸の内外に出没はするものの、二人の子供に取り憑くという説明はあるが、特に危害を加えたという説明はない。
      では、何のために姿を現わしたのか。

      その理由として、同性愛を仕掛けたということも考えられるが、相手が幼児であることから幼年愛ということも考えられるかもしれません。

      作中、グロース夫人が、そうした行為を暗示するような言葉を、非常に遠回しの表現で口にはするんですね。
      だから読者としては、亡霊の目的を同性愛と解釈しても、さらにそれ以上の邪悪な行為と解釈しても差し支えないわけだ。

      姿ははっきりと現われるが、真の目的が何なのか、主人公の家庭教師にはわからない。
      このように、すべてをはっきり書いてしまわずに、暗示にとどめて、後は読者の解釈に委ねるという手法は、実に見事だと思う。

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      2018/06/03 by

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