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居酒屋

4.0 4.0 (レビュー2件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 940 円
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    「居酒屋」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 4.0

      【何たる悲惨な】
       以前、とある書評で読んで以来、ゾラ、読まなきゃなぁとずっと思っていたのですが、この度ようやく手にとってみました。
       その書評で書かれていた作品を選んだつもりだったのに、読了してようやく気づきました。あらら、あの書評で取り上げていたのは「ナナ」の方だったかと。

       とはいえ、「居酒屋」もゾラの「ルーゴン・マッカール叢書」の第7冊目ですし、ナナは、「居酒屋」の主人公であるジェルヴェーズの娘ですし(「居酒屋」にも登場します)、何よりも、「居酒屋」も評価の高い作品ですから良しとしましょう(「ナナ」はいずれまた読むことにして)。

       ところで、「ルーゴン・マッカール叢書」ってご存知でしょうか?
       ゾラが25年に渡り書き続けた一大連作で、ルーゴン=マッカール一族を描いた全20冊、登場人物は合計1200名にも及ぶという、まさしくライフ・ワークとも言うべき作品です。
       第1巻の設定は、父親が狂死し、その狂気の遺伝子を受け継いだアデライードが全ての発端となります。アデライードは、ルーゴンと結婚しますが、ルーゴンの死後、アル中であるマッカールと関係を持ち、その後代々この血筋が続いていきます。つまり、狂気の遺伝子か、アルコール中毒の遺伝子(ゾラは、アル中は遺伝すると信じていたそうです)を持った子孫達が延々と続いていくというおぞましいお話。

       さて、「居酒屋」ですが、主人公のジェルヴェーズ(ルーゴン=マッカールの血を引いています)は、父親の虐待のもとに育てられますが、14歳の頃、色男のランチエと関係を持ち、半ば騙される様にして家を出てしまいます。ランチエとの間には2児をもうけるのですが、放蕩者でほとんど詐欺師のようなランチエは別に女を作り家を出てしまいます。
       独り身になったジェルヴェーズは、この頃はまだ可愛らしく、健気で働き者でした。自分一人で何とか2人の子供を育てるんだと頑張り、洗濯女として甲斐甲斐しく働きます。
       そんなジェルヴェーズに惚れてしまったのがクーポーというブリキ職人でした。
       ジェルヴェーズに拒絶されるにもかかわらず、しつこく言い寄り、ついにはジェルヴェーズと結婚することになりました。
       クーポーは酒を飲まなかったので、この人となら真面目にやっていけるって思っちゃったんですね。

       ジェルヴェーズの夢は、贅沢なんてしなくていいから、真っ当に働き、ささやかな幸せの内に一生を終え、自分の家のベッドで死にたいというものでした。
       その夢は、叶うかのように思われたのです。
       クーポーも真面目に仕事に行きますし、少しずつお金も貯まってきて、知人の援助もあって、自分の洗濯店を持つこともできたのですから。
       ですが、ここから転落が始まります。
       ことの起こりは、クーポーが仕事中に転落して大怪我をしてしまうことでした。
       何とか命は取り留めるのですが、その後、すっかり怠け者になってしまい、なかなか仕事に行こうとしません。
       そして、あろうことか酒を飲み始める様になってしまうのです。
       ジェルヴェーズは、そんなクーポーに愛想を尽かすこともなく、洗濯店を切り盛りして何とかうまくやってはいたのですが……

       とにかく、ここに出てくる男達は本当にろくでなしばかりです。
       女を食い物にする、乱暴する(自分の奥さんを蹴り殺した上、その後、家のことを甲斐甲斐しくやっていた娘までなぶり殺してしまうアル中の男なんかも出てきます)、働かない、その他、これでもかというほどに醜悪な男達です。
       とは言え、じゃあ女性はしっかり者ばかりかというと、これもそうでもありません。
       本書の主人公のジェルヴェーズだってそうです。
       やはり、ルーゴン=マッカールの血がたたるのでしょうか?
       最初は本当に頑張っていたのですが、徐々にだらしなくなり、意地汚くなり、性格も歪み、ついには自分も酒を飲み始め……

       あぁ、そんな家に生まれたナナがどう育つかは想像に難くないですよね。
       「居酒屋」の中では、不良少女で、働きに出る様になると家出をくりかえし、どこかで身体を売っているような雰囲気。酒場で踊りを見せびらかす様な若い女性として絵がカッれています(「ナナ」では高級娼婦になるのですけれどね)。

       とにかく読んでいて落ち込んでいきます。
       悲惨極まりなく、とことん転落していくのですから。
       ですが、ずっしりとこたえる作品でもあります。
       さて、今度は「ナナ」を読まなければね。
      >> 続きを読む

      2020/05/10 by

      居酒屋」のレビュー

    •  ルーゴン・マッカール叢書中、もっともよく知られた作品であり、また、それだけのクオリティをもった作品だと思います。
       いろいろな読みどころがありますが、ぼくは、食べ物が実に美味しそうに描かれているところに感銘を受けました。洗濯屋が繁盛していた頃の、パーティーを準備する場面なんか、大好きです。
      >> 続きを読む

      2020/05/15 by 弁護士K

    • 色々に読める作品ですね。

      2020/05/16 by ef177

    • 評価: 4.0

      19世紀のフランス文学の代表、自然主義文学のゾラの傑作。

      パリを舞台に転落していく人生。
      人格や生活が崩壊していく壮絶さは読んでいて怖くなります。
      労働者階級のちょっとした欲、見栄、お酒、怠け・・・
      それがそのうちに飢え、貧困、暴力・・・

      1人の女性の無惨な生涯が淡々と描かれていて決して面白い本ではないのですが、引き込まれて最後まで一気に読んでしまいました。
      >> 続きを読む

      2012/12/12 by

      居酒屋」のレビュー

    • >パリを舞台に転落していく人生。

      パリって付くだけで、なんでもオシャレに感じるのは何でなんでしょうね☆ >> 続きを読む

      2012/12/12 by sayaka

    • 興味深いストーリーですが、やっぱり女性には幸せになって欲しいなぁ。

      2012/12/12 by makoto


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