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アムステルダム

4.0 4.0 (レビュー2件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 500 円
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    「アムステルダム」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 評価なし

       この物語はある一人の女性の葬式から始まります。
      モリーという40代にして、痴呆性の難病にかかってしまい、最後には自分の事すらわからない「みじめな死」だったという。

       モリーは、自由奔放というか、たくさんの男の人と関係し、その葬式には、今は大手新聞の編集長のヴァーノン・ハリディと現代クラッシック音楽の大家と言われるクライブ・リンリーが呼ばれました。

       この2人は時代が違ってもかつてはモリーと暮らしていたという過去があります。
      最初はモリーの若すぎる死を悼む2人ですが、第三の男、外務大臣のガーモニーの登場に驚きます。

       さらにこの2人のところにある写真が届く。その写真をめぐってモリーと関係があった、というだけの共通点の3人にさざなみが立ち、事件が起きます。

       この3人は、大臣、編集長、音楽家と世間からみれば成功者であり、裕福です。
      The man of the world、日本語で仮に「有識者の集まり」などというものがあったとしたらこの3人は有識者に選ばれるでしょう。

       しかし、この3人はそれぞれ、もう若くない身体を駆使してそれぞれの仕事をしている。
      特に描かれるのは、2000年、新世紀を迎えるにあたっての国を代表する交響曲を作曲しているクライブののたうつような作曲の姿。

       そして、ライバルがたくさんいるなかで、生き馬の目を抜くような新聞の競争の中で、さらに売上をのばし、高級新聞編集長のプライドを持ちながらも、仕事に追われるヴァーノンの姿。

       単語の羅列のような短いセンテンスの連続。
      それは、切れ味のよいナイフでまさに身を削っているような幻覚を覚えるほど、鋭い観察と考察と毒のある怜悧な言葉の連続で、ストーリーよりもその文章、音楽を、新聞記事の文章を創り上げる苦悩を描きます。

       しかし、何故アムステルダムなのか?
      それは、最後になってわかるのですが、許されることが許されない、そうかと思うと許されないものが許される、そんな人間の苦渋の世界を甘えのない苦み走った文章で描き出します。

       結局、モリーは最後の最後まで主人公だったのです。

       冒頭、その葬式から始まったとしてもモリーから誰も逃れられなかったのだから。死んでも、死なず。死んでも、生きる。死んでも手玉にとる。死んでも、死んでも・・・モリーは死んでいない。
      それがこの物語の一番の恐怖だと思います。
      >> 続きを読む

      2018/06/24 by

      アムステルダム」のレビュー

    • 評価: 4.0

      以前から読んでみたかったイアン・マキューアン。
      「贖罪」を探したがどこにも売っていない。本屋さんでもネットでも取り扱っていない。ようやく見つけたのが「アムステルダム」だった。

      物語は単純なもの。
      性に奔放と言えるモリーが亡くなった。
      モリーの葬儀から物語は始まり、モリーに関わりのあった男性ふたりを中心に進む。

      物語の途中でだいたいの予想はついてしまう。でも翻訳がいいのか、文章の流麗で品のある感じが最後まで惹きつける。

      物語に出てくるふたりの男性の友情。同じ女性を愛し、その女性を失い、仕事においての悩みや挫折といったものがあってと描かれているが、そもそも時期は違っても同じ女性を愛した者同士で友情が成立していることに驚きも感じる。
      男性だとわだかまりもなく友情を築くことが出来るものなのか。わたしには経験がないけれど、わたしの周囲では同じ男性を愛し合った女性同士の間に流れるものは、何とも言えない落ち着かない感じや牽制し合うような騒ついたものだった。
      男女の違いは様々で面白い。

      訳者のあとがきもわかりやすく良いものだった。
      マキューアンの作品の中ではこの「アムステルダム」は少し毛色が異なるらしいので、やはり「贖罪」が読んでみたい。でも入手出来ない。
      取り敢えず「未成年」を入手したので、次のマキューアンは決定。
      興味を持ち、読んだ後に他も読んでみたくなる作家だ。
      >> 続きを読む

      2016/02/16 by

      アムステルダム」のレビュー


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