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百万ドルをとり返せ!

4.0 4.0 (レビュー4件)
著者: ジェフリー アーチャー
カテゴリー: 小説、物語
定価: 746 円
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    「百万ドルをとり返せ!」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 4.0

      【詐欺には詐欺で対抗しよう】
       大富豪のメトカーフは、その莫大な富を築き上げるために相当あくどいことも繰り返してきました。
       下品で強欲な男で、自らの利益のためなら他人を蹴落としても一向に後悔するようなことは無い男でした。

       今回も北海油田を出汁にして一儲けを企んでいるところ。
       どうやら、この作品が書かれたイギリスではインサイダー取引は規制されていなかったようなのですが、このインサイダー取引を逆手に使い、相場操縦して莫大な利益をあげようとの企みです。

       この企みにまんまとひっかかってしまった4人の男がいました。
       それぞれが一攫千金を夢見たのが落ち度と言えばそうかもしれませんが、そもそもメトカーフのやっていることが詐欺なのですから。
       その4人とは天才的数学教授、医師、美術商、貴族でした。
       彼らは、メトカーフに騙し取られた総額100万ドルを、びた一文まけることなく取り返してやろうというのです。

       そのために、それぞれの専門分野を活かした詐欺を考え出し、4回に渡ってメトカーフから総額100万ドルを騙し取ろうと言うのです。
       貴族であるジェイムズは、この復讐戦の過程で美貌のモデルであるアンと知り合ったこともあり(どうもアンの方に気を取られがちです)、約束の期限が迫っているというのに、詐欺のプランを立案できずにいました。
       とにかく、他の3人のプランを台無しにしたくはないですから、それらのプランには積極的に協力はしているのですが。
       肝心の自分の作戦がどうしても思いつきません。

       というわけで、本作は4人がどうやってメトカーフを騙して100万ドルをとり返すかというお話です。
       少々都合が良過ぎはしませんか?という展開が目に付きますが、まあ、作品のタイプが痛快に騙して100万ドルを取り戻そうというテーマなので、その辺りは大目に見るのが吉でしょうか。

       最後の最後にはちょっとしたどんでん返しも用意されています。
       気軽に楽しめる痛快な一作というところでしょうか。
      >> 続きを読む

      2019/07/19 by

      百万ドルをとり返せ!」のレビュー

    • 痛快という言葉がまさにぴったりですね。
      本当におなか切っちゃうとか、やり過ぎって思う部分もありますが、「総額100万ドルを、びた一文まけることなく」そして多すぎることもなく。ってところが紳士的というか上品で、ただの犯罪小説と一線を画す部分ですね。

      一時ジェフリー・アーチャーを読み漁った時期があります。
      懐かしいです~。
      >> 続きを読む

      2019/07/19 by 月うさぎ

    • 私も「読み漁る」までは行きませんが、ジェフリー・アーチャーはよく読みます。
      どれも手慣れた作品で安定感がありますよね。
      >> 続きを読む

      2019/07/19 by ef177

    • 評価: 4.0

      「あの男を毎日観察していて一つ困るのは、いつの間にかあいつを尊敬しはじめていることなんだ。まったくあれほど計画的に行動する人間にはあったことがない。休暇中でこの調子だとしたら、仕事中はいったいどんなだろうね」

      「悪党のプロ」である大富豪のハーヴェイ・メトカーフの詐欺まがいな株式取引により、総額100万ドル(現在の価値で言うと15億ほどだろうか)を奪われ生活を追い込まれた四人の被害者。

      その中の一人、天才数学研究者であるスティーブンは被害者を集め、投資詐欺の黒幕であるハーヴェイから100万ドルを取り返す計画を提案する。

      「僕は盗まれた金を盗み返すことを提案します。1ペニーも多くなく、1ペニーも少なくなく、です。」

      数学教授、医者、画商、イギリス貴族、それぞれの領域では優秀であるはずの彼らが騙されたのは何故か?それは自分の知らない相手の土俵で戦ってしまったからである。よって彼らは各々のプロの領域にハーヴェイを引きずり込み金を騙し取るプランを考えた。

      実行する上で発生するアクシデント、彼らは100万ドルを取り返せるのか。

      というのがあらすじ。






      この作品の一番面白い点は、まず悪役ハーヴェイ・メトカーフの魅力だ。いくつになっても大金を稼ぐことに貪欲でギラギラしていて常に理性的で堂々としていてリターンが見合えばリスクを恐れず行動する。ウォール街的な強者である。30万ドル近く騙されたにもかかわらずジェイムズはハーヴェイを観察し続けて敬意すら覚えている。悪役が良い作品は大抵面白い。



      ここから先はこの小説を読んで考えたこと。

      コンゲームは好きな小説のジャンルなのだけれど、私はこの詐欺の手法だったり騙す手段を推測したり詳しく理解しようとしてこなかった。なんとなく把握程度だ。

      にも関わらず好きなのは、この手の小説は最終的に「良い結果」になることが多いからである。

      「最終的に面白い経験を通してちょっと幸せになった話」「登場人物の知的さに説得力がある」という話が好きなのだろう。

      流し読みで本を読んでいる人はこのような読み方をしている人も多いのではないだろうか。

      私がこの本を読み終わった時に思ったのが、結末の終わりが良ければ「まあいい本」程度の評価は与えてしまうということである。

      これは不思議な事で理屈で考えればプロである以上、一つの文章の表現方法がいくら素晴らしくてもほかがダメであればダメといいたくなるはずなのだ。例えば他の仕事でも一つミスをしただけで批判されることは少なくない。しかし小説の場合、よくわからないところがあっても、多くの読者は分からないまま先に進むことに慣れているので流せるのだ。


      結論としては、もしあなたが小説家として出版するなら、デビュー作の結末はハッピーエンドにしましょうってこと。
      >> 続きを読む

      2016/06/06 by

      百万ドルをとり返せ!」のレビュー

    • >彼の熱烈なファンは太宰のこの作品に限って好きだという人はいなくて、彼が好きなんです。彼の描く世界が情けない自分に近いとか、あの弱さが愛しいとか、そういう知古への愛着に近いものを感じてしまいます。

      わかります。というか私も情けない自分との共感がありました。「だけどこんなのに共感してたらしゃあねえよな」。と思ったのを覚えています。

      作品の魅力と作者の魅力ですね。
      今年度のお笑いの大会R1グランプリでハリウッドザコシショウが優勝したときに、松本人志が「R-1は人を笑うかネタを笑うか。今年は人やったね」というコメントをしましたが、作品の質ではなくその人の魅力で優勝したということだと僕は解釈しています。

      他にも僕はバンドのTHE BLUEHEARTSが好きなのですが、それは甲本ヒロトというボーカルが好きだという点が強い気がします。その作品の音楽的完成度など気にしたことがありませんしそもそも能力の問題で音楽の意義など考えることができません。

      ジャンルや格が違うのでそのまま当てはめるわけではありませんが、人を強く多く惹きつけるものは、私は一流だと思います。それは芸術というものの意義はどれだけ高度な技術を使うかではなくどれだけ相手の心を動かしたかによるものだと思うのです。(これは私の理解力の低さに起因するかもしれません)ただ見る側のレベルが上がってしまうと、感動させることができる作品のレベルも比例してあがるので、作品のレベル=作家の能力になるのはまちがいないのですが……。

      >芥川が芸術に命を削ったのに比べると太宰は芸術家と呼ばれることに命を捧げた気がします。それは芸術で世界を変えるという志向性の欠如にもつながっています。

      憧れの対象の違いなのかな。何かを変えたいという芥川と、自分を変えたいという太宰と。

      テクニックの問題ではなく、目標、目的の違いということなのですかね。

      もしかしたら、何かを変えたいという気持ちである芥川と、芥川などのような小説家になりたい。と望んだ太宰。という対比ができるのかもしれません。妄想ですが。

      作者の目標の違いで、対象とする読者の幅が狭くなったり広くなったり、太宰は狭いのはなんとなく分かります笑

      勉強不足ですいません。梶井基次郎の檸檬と桜の樹のしたにはを先ほど読みました。
      >普遍的な感情と特異な感性のバランス

      まさにこれですね。
      >> 続きを読む

      2016/06/09 by ryochan333

    • 〉もしかしたら、何かを変えたいという気持ちである芥川と、芥川などのような小説家になりたい。と望んだ太宰。
      げ。するどい。私の文脈、読み取っちゃいましたね。
      研究者でも何でもないから大声で言えませんが、実はそう感じていました。
      彼は芥川になりたかったんです。自殺でさえ真似なんじゃないかって。
      それも若いころにそう思ってしまったので、今更修正が効きません。
      彼の作品に感動できたことが無いので、文学青年たちがなぜかぶれるのかが今でもわかりません。
      私は太宰とはベクトルが違っているんだと思います。
      でも太宰ファンを説得できるとも思いません。
      だって例えばゾンビ映画を好きなひとに対していくらゾンビの欠点を挙げてみせても無駄なんですから。

      ああ。ここはアーチャーのレビューなのに(・_・;)
      アーチャー大好きでした。
      彼はストーリーを描くことに集中しています。
      内面や心の声を面々連綿と書き綴らなくても人間は描けるってことを彼は見せてくれています。
      デビュー作だし、だましのアイディアはなんちゃってな部分もありますが、面白さは本作が一番かもしれませんね。
      >> 続きを読む

      2016/06/09 by 月うさぎ

    • 評価: 4.0

      初めて読むので作者の来歴を検索しようとしたら何度Wikipedia見ても政治家が出てくる。おかしいなあと思ったら、あ、政治家でも有った人なのか!しかもこの作品のモチーフとなっているのは、本人が体験した油田採掘のペーパーカンパニーに投資して文無しになった経験を基にしているのですね・・・。それでこの作品を書いたということ。

      この作品は、成り上がりの強欲親父に株で騙された4人が、能力を結集して騙し取られた金を取り戻そうという話です。
      ただ騙して金を強奪するのではなく、奪われた金以上の金額は取らないという自主規制の下で計画を立案して実行するという、英国的な紳士的なゲームのノリで話が進んで行きます。

      発端は強欲親父が情報を流し、引っかかった人間がペーパーカンパニーに投資投資をし、株価を釣り上げた所で資金を引き揚げ会社を潰す。投資者は紙切れとなった株券を手に茫然と佇む。
      その中で数学者のスティーヴンは、被害者のロビン【医者】、ジャン=ピエール【画商】、ジェイムズ【貴族】という3人の被害者に話を持ち掛け知恵で金を取り返そうと持ち掛ける。
      ハーヴェイ【強欲親父】から気が付かれないように100万ドルを奪取することは出来るのか?

      この本は超一級のエンターテイメントで、小難しい事を考えずに読み進めて行けば必ずや楽しめる事間違い無しです。
      前半も楽しんではいたのですが、何しろ後半で一気に面白さが加速しました。読まないと分かりませんが、ある一瞬で思わず笑ってしまいました。

      何しろ嬉しいのが、敵役のハーヴェイが何とも憎めなく、騙されている姿が何となく可愛らしく見えてしまう事と、ある部分で騙している被害者4人も彼の事が決して嫌いではないという事が垣間見えるのです。最後の最後までエンターテイメントに徹していて、最終ページまで楽しませて貰いました。
      >> 続きを読む

      2015/05/06 by

      百万ドルをとり返せ!」のレビュー

    • スティングって名前は聞いたことあるのですが見てはいないんです。でもこの作品の中で「僕らはスティングとはちがう」というようなセリフが出てくるんです。なので似ている所もあるんだと思います(`・ω・´)
      作家さんにお金がいかないと書き手がいなくなってしまいそうですね。困ります。僕はなるべく安く仕入れようと必死なので作家さんの懐にあまり貢献出来ていなくて申し訳ないです。。。
      >> 続きを読む

      2015/05/06 by ありんこ

    • jhmさん
      そうなんです、ドルは分かるのでいいのですがポンドって言われると換算が大変でした。そうですねマイルで言われると分かるけど、ヤードで言われるとほんと分からないです。
      この本なんとなく映画で騙し合い的な物があるとこれに似た感じかもしれません。面白いですよ(^◇^)
      >> 続きを読む

      2015/05/06 by ありんこ

    • 評価: 4.0

      一流の詐欺師とは、カモが騙されたことにさえ気づかないものだとか……。

      騙されたなら騙し返してやるまでさ。
      数学者、医師、美術商、貴族の4人組が筋金入りの商業詐欺師の億万長者にリベンジを挑む、痛快なコン・ゲーム小説。
      詐欺で財産を失った4人の被害者たちがタッグを組んで報復するのですが、
      英国紳士らしくとてもスマートでユーモアあふれるストーリー。
      自分たちのお金を取り返すだけという厳密なルールにのっとって、頭脳で勝負を仕掛けます。

      Not a Penny More, Not a Penny Less
         「1ペニーも多くなく、1ペニーも少なくなく」

      これがポリシー。 
      この詐欺はまるでスポーツ。

      自分の損を取り戻すのが目的なので、詐欺で儲ける気はありません。
      「スティング」(映画)と我々は違うな。なんてセリフもあったりしますよ。

      コン・ゲームとしてはもちろんですが、人間描写も上手く、
      4人の面々(特にスティーヴンとジェイムズ)、また敵役の成り上がり者でワガママオヤジの大物詐欺師メトカーフが、憎み切れないキャラクターなのです。

      そして最後はさらにあっと言わせる展開に…。

      ジェフリー・アーチャーのデビュー作で、この後の彼は世界的なベストセラー作家へと変貌を遂げます。
      この作品を描くきっかけとなったのは、自ら投機詐欺にあって破産し、下院議員の地位も失って失業者になってしまったことでした。
      相当悔しかったんでしょうね~。
      その口惜しさを小説にしてしまうあたりが凡人と違うところです。
      20代の前半で読んだ時には気づかない様々な名称や経済的な仕組みやらアーチャーの後年の作品に共通な要素などがいろいろ発見できて感慨深い再読となりました。
      ウインブルドンもアスコットもモンテ・カルロも株式市場も北海油田も今なら私でもイメージが湧きます。
      それと同時にこの小説の時代の古さも味わえます。
      キング夫人が現役でテニスをプレーしていたり、携帯電話の代わりにトランシーバーだったり、もちろんインターネットなんかなかったり。

      でも、まさか、そんなことが理由ではないですよね?
      この小説を含め、アーチャーの初期作品が絶版というのは?!
      どういうことなんでしょうか!新潮社さんっ!!
      多くのアーチャー・ファンは怒っていますよ。
      彼の初期作品には根強いファンがまだたくさんいるのです。
      そして最近作よりも高い評価を与えている人も大勢います。
      新版いつか出すんですよね?
      これらの作品が読めないのは損失だと思うんですが。


      前半は非合法な国際詐欺事件を説明するのに経済問題が少々詳しく難しげに書かれていますが、
      事件が動き出すと、奇想天外のアイディアとチームワークが楽しくて、あっという間に読めちゃいます。
      あ…リアリティは気にしないでくださいね。
      コメディを読むようなノリでどうぞ。
      >> 続きを読む

      2014/09/12 by

      百万ドルをとり返せ!」のレビュー

    • ただひこさん
      「知らぬが仏」ですね~(・∀・)
      メトカーフさんも、真実を知ったらショック死するかもしれません。 >> 続きを読む

      2014/09/14 by 月うさぎ

    • chaoさん
      「パン屋再襲撃」絶版なの?
      彼の短篇は近年違う形で再編集され別の出版社からタイトルも別の形で出されていたりするので、そっちに入っているかもしれません。
      全集もあるから、読めなくなってはいないはずでしょうけれど。迷いますよね。

      アーチャーは非常に人気の高い作家で、翻訳モノでベストセラー作家になった先駆け的な存在なのです。
      代表作「カインとアベル」の続編ともなっており、私的には一番好きな長編なので「ロスノフスキ家の娘」を絶版にすることは認められない事と思っております。
      もうひとつ大好きな「大統領に知らせますか?」という作品にもリンクしている作品です。
      この3作はセットで考えてもらいたいです。
      >> 続きを読む

      2014/09/14 by 月うさぎ


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