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十二の意外な結末

3.0 3.0 (レビュー1件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 580 円
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    「十二の意外な結末」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 3.0

      【事実は小説より奇なり】
       ジェフリー・アーチャーの手慣れた短編集です。
       非常にアイロニカルなオチを用意した作品ばかりで、小気味よい作品集と言っても良いでしょう。
       扱っているテーマも様々で、犯罪あり、復讐あり、就職あり、恋愛あり。

       こういった作品集の場合、ネタばれしてしまっては何にもならないのでレビューが非常に難しいのですが、さわりだけ、何編かご紹介しましょう。

      ○ 清掃屋イグナチウス
       ナイジェリアの大蔵大臣に就任したイグナチウスは辣腕でした。
       政治家や閣僚の不正を次々と暴き出し、健全な国家財政に貢献するところ極めて大です。
       イグナチウスは、遂にスイスの銀行に不正蓄財がなされていることを察知しますが、ご承知の通りスイスの銀行は顧客情報の保秘は徹底しており、なまじっかなことでは情報を漏らしてはくれそうもありません。
       そこで、イグナチウスは、ナイジェリア国家の特別委任状、全権特命大使の地位さらには拳銃まで国家元首から与えられてスイスの銀行に乗り込みました。
       しかし、予想したとおりスイス銀行の口は堅く、どんなに脅しをかけても、頭取の頭に拳銃を突きつけても全く口を割りません。
       しかし、イグナチウスはにっこりと微笑むのでした。
       それは何故?

      ○ 本物じゃない
       幼い頃、ケロッグの景品についてきた勲章のおまけを集めるのが大好きだったハスキンズは、長じて下水道工事の権威になりました。
       様々な都市の下水道計画を見事なまでに仕上げたことにより、この業界での第一人者と認められるようになったのです。
       今や、莫大な利益を上げるようになり、その工事は海外諸都市にも及んでいました。
       彼は、ある時、ムルタヴィア国から、国家プロジェクトとしての大規模な下水道工事を請け負うことになり、満足する成果を残しました。
       ムルタヴィア国は、その功績を讃えて、ハスキンズに見事な勲章である孔雀章(勲三等)を授与したのです。
       元来勲章好きですし、大変名誉に思ったハスキンズは、その勲章をつけて公式行事に出席したのですが、どうもおかしい。
       同席した知人からも、やんわりと、随分安っぽい勲章だとからかわれる始末。
       名のある宝石商に孔雀章の鑑定を依頼したところ、何と、これがとんでもない食わせ物で、ガラス玉と真鍮製の超安物だと分かったのです。
      そこでハスキンズが弄した策とは?

      ○ チェックメイト
       あるチェスクラブのキャプテンをつとめていた主人公は、総当たりのチェス・トーナメントのホストを任されることになりました。
       ビジターのクラブも参加する大会であり、続々と参加者が集まってきます。
       その中に、プロポーション抜群の素晴らしい美人がいることに気付きました。
       何とかお近づきになりたいと思うのですが、ホストとしての役割もあり、なかなかその機会をつかめません。
       自分の試合が早く片づいたことから、ホストのつとめとして参加者のゲームを見回っていた時、ようやく待ちに待った機会が訪れました。
       主人公は、絶世の美女とお近づきになることができ、大会終了後、車で送っていく栄誉に預かったのです。
       帰りの車の中で、「どうです、我が家にちょっと寄って軽く飲んで行きませんか?」と誘ったところ、「少しだけなら」と承諾してくれました。
       家に招き入れ、ワインを差し出したところ、家に置いてあったチェス・セットがお気に召した様子です。
       すかさず「どうです、一勝負。賭けもやりませんか?」ともちかけます。
       私が負けたら50ポンド進呈しましょう。でもあなたが負けたら身につけている物一つを取ってくださいと申し出たところ、「一戦だけなら余り困ったことにもならなさそうね」と勝負を受けてくれました。
       主人公は、彼女の実力は大したことがないと見切り、適当に手加減しながら勝ちを収めます。
       負けた彼女は「仕方ないわね」と言いながら靴を脱ぎました。
       「じゃあ、今度は私が負けたら100ポンドということでもう一戦やりましょう。」
       少しずつ彼女の服を脱がし、どんどん賭のレートを上げていく主人公ですが……。

       著者は、この本の冒頭で、収められている12の作品のうち、10編は実際にあった出来事を脚色したもので、残りの2編だけが完全なフィクションであると宣言しています。
       この収録作の中の10編もが本当に起きたと言うのですか?
       そりゃあ、まさに事実は小説よりも奇なりですねぇ。
      >> 続きを読む

      2020/07/15 by

      十二の意外な結末」のレビュー


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