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ギリシア人の物語III 新しき力

5.0 5.0 (レビュー1件)
著者: 塩野 七生
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    「ギリシア人の物語III 新しき力」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 5.0

      塩野七生最後の長編歴史エッセイ。

      塩野さんの著作との付き合いはもう数十年の長きにわたる。
      始まりは、学生時代に読んだ「ローマ人の物語」であった。
      この本により初めて本当の意味で歴史が面白くエキサイティングであると知った。
      それからずっと彼女の歴史長編は欠かさず購入し読んできた。
      それも今回で最後になるというのは、少し悲しい気がする。

      「ギリシア人の物語Ⅲ 新しき力」は、西洋史においてもっとも著名な将軍であり君主であるアレキサンダー大王の生涯を扱っている。
      前回の「ギリシア人の物語Ⅱ 民主政の成熟と崩壊」では、古代ギリシア史に燦然と輝く都市国家アテネの衰退の話で、全体として暗く悲惨な雰囲気が漂っていて読後感も余り良くなかった。(本としては面白かったのだが)
      本書の雰囲気は前回とはガラッと変わって非常に明るい。
      ぺロポンネソス戦争の勝者となったスパルタの覇権も長く続かず、エパミノンダスの率いるテーベがギリシアの次の盟主になるかと思われたが、あえなく戦死してしまう。
      その後、フィリッポス率いるマケドニアがその力を伸ばし始める。
      そしてついにアレキサンダーの時代が始まる。

      素直にアレキサンダーは、戦闘の天才なのだとな感じた。
      彼が弱冠18才で初陣を飾ったカイロネイアの会戦での活躍が凄まじい。
      2千の騎兵を与えられ、待機の命を受けていたアレキサンダーは、戦いの最中、敵中央と右翼の間に生じた間隙を見逃さず、そこを騎馬で走り抜け右翼の後方に回り込み当時最強の部隊と考えられていたテーベの神聖部隊を後方から襲撃し壊滅させる。
      この攻撃が戦いの帰趨を決しマケドニアは大勝する。
      この事実を知ると後のいくつもの会戦の大勝 グラニコス、イッソス、ガウガメラ、ヒュダペスも当然の帰結なのだろうと納得させられる。
      アレキサンダーの東征の様子を見ているとどうしても衰退期のアテナの指導者たちが率いたそれと比べてしまい「勇将の下に弱卒無し」は確かに至言だなと実感させられた。

      塩野さんのアレキサンダー大王を語る口調は楽しげで、まるで自分のお気に入りの孫の事でも語っているかのようであった。
      彼女の最後の長編歴史エッセイという事で、最後に塩野さんから読者に向けての感謝のメッセージが綴られていた。
      人によっていろんな受け止め方があると思うが、私は彼女の作家としての誠意を感じた。
      >> 続きを読む

      2018/01/19 by

      ギリシア人の物語III 新しき力」のレビュー


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