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長女たち

カテゴリー: 小説、物語
定価: 1,680 円
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    「長女たち」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 評価なし

      3部作で構成されていて、母の介護のために仕事も辞め、恋も諦め縛りつけられる長女、伴侶に先立たれた父の孤独死に直面したトラウマを持ちながら、異国の地で医療による延命について考えさせられる長女、糖尿病を患った母に過去の呪詛を吹き込まれ、腎臓を請われ、娘を自分と同一化する母への絶望を感じる長女など、それぞれの章で「長女たち」が、老いた親たちの事情に翻弄される有様を描いています。

      以前読んだ水村美苗さんの「母の遺産」もそうですが、親の老いと共に、最近こういった本に目がいくようになりました。同じく長女である私には、他人事とは思えないタイトルと内容で、自らを鑑みても、頼まれてもいないのにいつのまにか親の事情をしっかり背負いこんでいる自分に、うんざりすることもあります。親との関係に確執はありませんし、決して勢い込んでいるわけもありませんが、他の兄弟たちのように、自分の人生と親を上手く切り離して、自然な距離をとることが出来ません。今はまだ本書のような極限の状態に至ってはいませんが、やがてくる親のピンチに際しては、きっと率先して動いてしまうのだろうなと、今から想像がつきます。

      本書でも、肉親ゆえの愛憎入り混じる情や、長女らしい責任感に囚われてしまった「長女たち」が、自分の人生から親を退場させられず、もがき苦しみます。過激なエピソードにまさかと思う半面、類似事例はいくらでもあるのだろうなと否定できない面もありました。肉親とは、ことほど左様に、尊くも容赦のない、特別な関係性を有するものなのでしょう。しかし、親の呪縛から逃れられず、自己犠牲を強いられていたと感じていた彼女たちが、最後に辿り着く結末には、私も救われたような思いになりました。

      それにしても、篠田節子さんの筆致にはぐいぐい引き込まれました。ストーリーがたとえ荒唐無稽であっても、文章に読ませる力があれば、たちまちその世界に夢中になれるものです。こうしてぐっと入りこんでしまう本というのは、やはり物語の内容だけではなく、読者を引っ張り込むだけの力を持つ、著者の強い思いと文章力なのだと、改めて実感する一冊でした。
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      2016/01/03 by

      長女たち」のレビュー


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