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晴天の迷いクジラ

3.6 3.6 (レビュー5件)
著者:
カテゴリー: 小説、物語
定価: 1,575 円
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第10回 本屋大賞 / 6位

壊れかけた三人が転がるように行きついた、その果ては?人生の転機に何度も読み返したくなる、感涙の物語。

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    「晴天の迷いクジラ」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 2.0

      直近読んだ悼む人に比べ、こんな死生観ならまだ受け容れらる。偏愛犠牲者に対し希望の持てる形で終わって何よりです。

      2019/08/14 by

      晴天の迷いクジラ」のレビュー

    • 評価: 4.0

      窪美澄さんの作品は初めて読みました。

      全4章のオムニバス形式のお話です。話の中身自体は非常に重く、人間の苦悩や苦しみを描いたデリケートなテーマでもあると思うのですが、自然とページがめくれていくのは、窪美澄さんの文章力が非常に高いからなのでしょうね。




      窪美澄さんの他の作品にも手を出してみたいと思います。
      >> 続きを読む

      2015/05/04 by

      晴天の迷いクジラ」のレビュー

    • 私もこの本好きです!
      読み手を惹きつけるような文章を書かれますよね。

      他の作品のレビュー待ってます! >> 続きを読む

      2015/05/04 by あすか

    • >あすかさん

      コメントありがとうございます。読み次第レビューしたいと思います。拙い文章ですが…… >> 続きを読む

      2015/05/04 by alten

    • 評価: 3.0

      デザイン会社に勤める由人は、失恋と激務でうつを発症した。
      社長の野乃花は、潰れゆく会社とともに人生を終わらせる決意をした。
      死を選ぶ前にと、湾に迷い込んだクジラを見に南の半島へ向かった二人は、道中、女子高生の正子を拾う。
      母との関係で心を壊した彼女もまた、生きることを止めようとしていた。苛烈な生と、その果ての希望を鮮やかに描き出す長編。

      山田風太郎賞受賞作。

      あすかさんのレビューが、ほんとに読んでみたくなるようなレビューで。
      初めての作家さんで『ふがいない僕は空を見た』がデビュー作と知りつつも、同じくらい話題作だったこちらから読み始めました。

      東京のとある弱小デザイン会社を経営する田島野乃花(中年女性)と、その一従業員で殺人的な労働環境下の田宮由人(若者・男性)は、それぞれの理由で死ぬことを決めます。
      野乃花は行き詰った経営にどうにもならなくなって。
      由人は激務の末に大好きだった恋人に酷いフラれ方をして。
      練炭自殺を思い立った野乃花を、なぜだか懸命に引き止める由人。
      テレビでは狭い湾内に迷い込んできたクジラのニュースが流れる、午前3時のことでした。
      せめてこの、せめてこのクジラを見物してから死にましょう、と。
      野乃花は由人のこの脈絡のない説得を入れ、二人は一路、鹿児島へ。
      そこは実は野乃花の生まれ故郷でした、過去に振り切ったはずの。
      レンタカーに乗り込むと、早朝の道端をフラフラと歩いている若い女性(篠田正子)が。
      迷わず野乃花はピックアップします「クジラを見にゆこう!」。
      正子もまた生きる希望を失っていました。
      原因は執拗に生活に介入してくる母親との確執。
      3人が3人とも重い荷物を背負ったまま、少しの間だけ全部を放り投げてオンザロード。
      かわいそうな迷いクジラを見るだけのために。

      野乃花と由人は、いまの社会の生きにくさから。
      正子は、死んでしまった者の身代わりをさせられる辛さから。
      命を放り投げてもいいかな、と思ってしまった3人の再生の物語。

      唯一、野乃花だけには感情移入できたかな、と思いました。
      会社の経営が行き詰まった原因が、少なくとも自分の経営の才能の無さにあるとわかっていて、これまでの成功も自分の力量によってではなく時代が後押ししてくれていたからだと、客観視できていたから。
      故郷を捨てる覚悟も自分の意志で、今になって「ごめんなさい」という手紙を出さずに破り捨てたのもまた自分の意志で。
      彼女は自分の運命を自分で切り拓いてきていたから、ある時、諦めてしまって、疲れちゃったとしても、どこか潔く、そして理解できました。
      彼女の激しい生き方は、もっと深く知りたい、読みたかったです。

      由人は、すべて受け入れる人生を歩んできた男でした。
      何をも自ら選び取ってこなかった。
      兄が引き籠るのも、妹が堕ちてゆくのも、祖母と母の確執も、傍で見ていて何もしなかった。
      ただあるがままを受け入れて、父親の最後のしぼり汁のような良心が東京行きを勧めると、うまい具合にそれに乗っかって。
      故郷を出る時、由人は述懐します。

      …この家が、この家族が嫌いなわけじゃないけれど。だけど、もう十分なんだ、と由人は思った。

      あくまで“嫌いなわけじゃない”わけです。
      そこに家族に対する本来持つような愛情や執着もなかったのです。
      鬱のきっかけになった恋人も、向こうからやってきた愛情。
      こちらから手を伸ばして掴み取った幸福ではありませんでした。
      いつも、流されています。
      過酷な労働環境も仕方ない、恋人の決定的な浮気現場も仕方ない…。
      土下座までして回復しようとした愛情は、とてもとても取り戻せるはずもなく。
      これからの行く末がかなり不安な若者ではあります。

      さて、正子ですが。
      彼女の場合、問題はそう複雑ではありません。
      若くして逝ってしまった姉の身代わりに、母親の異常なまでの愛情を一身に背負ってしまって。
      ある時、それが爆発したとき、母親も正子も対処する方法がわからずに。
      引き籠った挙句、あてもなく家を飛び出してしまうというものです。
      彼女の場合、生まれ育った家庭環境に縛られてしまっていたという、いわば避けがたい不幸でありました。
      母親の“虐待”といってもいいほどの過剰干渉。
      正子にはその世界がすべてで、選び取る選択肢さえもなかった。
      踏み出せる世界が限りなく広いと気付いたとき、心が純粋な分、羽ばたき方もまっすぐで。
      手を添えてあげる誰かが間違わなければ。
      彼女は意志を、しっかり告げることのできる女性になりました。

      ここに描かれる、いまどきの若者の引き籠りまでの距離が近すぎる気がします。
      僕も仕事上のプレッシャーでお薬のお世話になったことがありますが、今日びの若者は学生時代から、こんなにも厭世的になる出来事と向き合いながら生きてるのでしょうか。
      本作が、そういった若者たちの支持を集めているというのであれば、それは真実に近いからなのだろうと思いました。
      それは僕が思うに、決して個人が弱くなったからなのではなく、世間が殺伐としすぎているから。
      失敗した者がもういちどスタートラインに立つことがとても難しくなっていて、誰もが明日の自分に自信が持てずにいるような気がします。
      病んだ社会だからこそ、多くの人の共感を得るのかもしれませんね。
      あまりいい傾向では無いのかもしれませんけれど、こういった作品に出会うことで救われる優しい心があるのなら、本作が存在する意義も十分にあるのだろうと思いました。

      なかなか読ませる作家さんです。
      あすかさん仰る通り、ぐいーっと物語の中に引きずり込まれ、あっという間に読了です。
      今日はいつもながら、本をよんでばかりいないで仕事をしなさい、と自己嫌悪でした。
      >> 続きを読む

      2015/03/08 by

      晴天の迷いクジラ」のレビュー

    • >あすかさん
      いつも、コメントありがとうございます。
      いい本を教えてくだすって、ほんとうにありがとうございました。
      あすかさんに紹介していただかなければ、窪さんの著作を読んでいたかどうか。
      僕の読書の幅が広がったのは間違いありません。
      どうもありがとう。今後もよろしくおねがいします。

      ボトルの写真、変えましたね。
      どこか高い所からの風景のようですね。
      >> 続きを読む

      2015/03/09 by 課長代理

    • 課長代理さん

      いえいえ。自分の方こそ拙いコメントに返して頂き有難う御座います。

      確かに、それは自分も感じます。

      そのシーンは(も)色々と考えさせられましたし、深く胸に来ました。
      確かに仰るとおりだと思います。女性はほんとに凄いです。大事にして敬って耳を傾けて行かなければいけないと思います。

      読書ログはほんと勉強になりますし、良い刺激を受けます。自分も読書の幅が日々広がっているのを感じてます。
      >> 続きを読む

      2015/03/09 by 澄美空

    • 評価: 5.0

      この著者の作品を読むのは初めてです。
      家族のあり方を描くのが上手いなぁと思いました。
      あと、読みやすい。主人公が3人、1人当り100ページくらいなのですが、すっと読めます。
      この世界観にいとも簡単に引きこまれます。

      これは「ふがいない僕は空を見た」も読んでみたくなる・・・!

      Ⅰ.ソラナックスルボックス
      デザイン会社に勤める20代前半の田宮由人。
      激務と失恋により、うつ病を発症する。
      ソラナックスとルボックスは、うつ病と診断された時に処方された薬です。
      病院の待合室で大きなスヌーピーを抱きしめて癒やされたり、出された薬を並べて「死」を作るエピソードが好き。他人ごとのように、「ああ病んでるなぁ、自分」とぼんやり見つめて。
      あまりに仕事が忙しすぎて会社で寝泊まり、周りの人たちも皆薬を飲みながらとにかくこなし、毎日が極限状態。
      生々しい。。

      Ⅱ.表現型の可塑性
      田宮由人が勤めるデザイン会社の社長、野乃花。
      潰れゆく会社とともに人生を終わらせる決意をした。

      美術の才能があるも家が貧しく美大へ進学できず、また紹介された美術の先生との子ができ18歳で出産。
      その後育児ノイローゼ、離婚を経て上京。働きながらデザイン学校に通う。
      デザイン会社の社長になるまでの経緯があまり書かれていなかったのが残念です。
      まぁでも、この本でうーんと思ったのはここだけだったので。

      由人も野乃花も、恋の始まりはすごくキラキラしていました。
      相手のことを知っていく過程は本当に楽しく、この気持ちが永遠に続けばいいのに、と願ったり。あぁ、眩しい。
      たとえその後うまく行かない未来が待っていたとしても。

      なんか懐かしい感情を思い出しました。
      いや、今さら新たな出会いなんていらないけれども!でも!…(;´Д`)ウウッ…

      Ⅲ.ソーダアイスの夏休み
      この話が一番重かったです。
      生後7ヶ月で亡くなった子を思い続け、異常に過保護となる母親。亡くなった子の妹の正子は、母親に心配されることで自身が縛られ、それが呪いとなり心を壊して行く。
      友達が遊びに来たら殺菌、男の子の友達が出来たら産婦人科に連れて行くという狂っているとしか思えない行動。
      そして、それを「母さんに心配かけるな」という父親。
      いろいろな家族がありますが、子ども心を殺していることに気がつかないものなのかな。
      父親までこんなのでは、居場所がなくなってしまいますよね。

      Ⅳ.迷いクジラのいる夕景
      死を選ぶ前に、由人と野乃花は湾に迷い込んだクジラを見に、半島へ向かった。
      道中、女子高生の正子を拾う。

      私がこの物語を好きになったのは、「悪いことは悪い」とちゃんと糾弾されているところ。
      例えば正子が野乃花の子どもを手放したことについて批判するシーン。
      「いろいろな状況があったとしても、子どもに優しく出来ない、そんな大人には絶対になりたくないです」と言い切ったのが良かったです。
      そういえば、正子は母親にもはっきり自分の意見を言えるようになっていたな。

      この物語は、とりあえず死を選ぶことはなくなったけれど、抱えている状況が変わったわけではありません。
      それでも読後感は爽やかです。
      いいなぁ、と静かな感動がありました。
      >> 続きを読む

      2015/03/01 by

      晴天の迷いクジラ」のレビュー

    • 課長代理さん
      わ、うれしいです!ありがとうございます!!
      この本もぜひぜひ。でもおもしろくなかったらすみません・・・(また保険かける)

      そちらに書いたコメントの話ですが、話がそれてしまうのでこちらに書かせてください。
      私も「坂の上の雲」が一番好きです!!夢中になりますよねー(*^_^*)

      ・・・と言いたくて。笑
      >> 続きを読む

      2015/03/03 by あすか

    • あすかさん。

      そうなんですね♪

      了解です。いえいえ。今のところ薦めて頂いた作品で面白く無いのはないので大丈夫だと思いますよ。

      はい。レビュー・・時間掛かるかもですが・・頑張ります(笑)
      >> 続きを読む

      2015/03/03 by 澄美空

    • 評価: 5.0

      生きること、死ぬことについてとても考えさせられる本。

      3人の主人公。その3人はそれぞれとても悩んでいて、それこそ死んでしまいたいくらい、苦しんでいる・・・みんな悩んで自問自答して苦しんで、でもなにかを見つけようとしている・・・

      読んでいて、とても応援したくなった。

      良い本だなーと思ったので、この本が本屋大賞として選ばれたのは嬉しい。 >> 続きを読む

      2013/04/15 by

      晴天の迷いクジラ」のレビュー

    • > 3人の主人公。その3人はそれぞれとても悩んでいて、それこそ死んでしまいたいくらい、苦しんでいる・・・みんな悩んで自問自答して苦しんで、でもなにかを見つけようとしている・・・

      心の病が蔓延する時代ですし、自分の心のケアについても注意を払うべきなんでしょうね。

      強制リフレッシュの手段を持っていると強い気がします。

      私の場合は、単車に跨ってブッ飛ばす!です。(制限速度は守ろうね♪)
      >> 続きを読む

      2013/04/15 by ice

    • 3人の主人公というと、ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」を連想します。

      2013/04/16 by iirei


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