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ルーズベルトの刺客

4.0 4.0 (レビュー1件)
著者: 西木 正明
定価: 1,468 円
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    「ルーズベルトの刺客」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 4.0

      歴史好きで、尚且つミステリー好きの私にとって、その両方の興味を満たしてくれる、"歴史ミステリー"が大好きで、その中でも"現代史ミステリー"をこよなく愛し、暇をみつけては色々と読み漁っています。

      歴史的な事実を背景にして、その中でフィクションとしてのミステリーが渾然一体となって融合している"歴史ミステリー"、本当に大好きなジャンルです。

      かつて、"魔都"と言われた、悪魔的で魅惑的な都市、上海を舞台にした、壮大な現代史ミステリーの西木正明原作の「ルーズベルトの刺客」を胸をワクワクさせながら読み始めると、あまりの面白さに一気に読破してしまいました。

      この小説のテーマは、ズバリ、"ルーズベルト大統領の暗殺"で、主人公は当時、"上海のマヌエラ"と呼ばれた美貌のダンサー、山田妙子。

      彼女の他にも、周恩来や、映画「慕情」で知られるハン・スーイン、ジャーナリストのアグネス・スメドレーなど、歴史上の有名な人物が時折、顔を出し、虚実入り混じった、ワクワクするような物語が展開するという、緻密な時代考証のもとで紡ぎ出された、リアリティー溢れる大長編になっているのです。

      明治45年生まれの山田妙子は、東京松竹楽劇部の一期生として芸能界に入ります。結婚後2年で夫が病死、わずか19歳で未亡人になった彼女はやがて再婚しますが、放蕩な再婚相手に嫌気がさし、なかば捨て鉢になって別の男と満洲へ駆け落ちをします。

      そして、大連で逮捕された彼女は、かつてのダンサー仲間に助けられ、やがて上海に渡り、"上海のマヌエラ"と異名をとるトップダンサーへとのし上がっていくのです。

      一方、明治42年生まれ、陸軍砲兵少尉の和田忠七は、特務機関配属となり上海に派遣され----。

      この物語は、ダンサーとして山田妙子が成長していく姿と、和田忠七の上海の英米支配下の租界地である敵性地域での活動ぶりを、交互に描いていく形で展開していきます。

      この二つのストーリーが、脈々と進行し、ラスト近くになって交錯し、ようやく二人の男女が出会い、サスペンスに満ち溢れた結末へと怒涛のようになだれ込んでいくのです。

      一気呵成に読み終えて思うのは、この作品は、妙子が和田と出会うまでの一種の人間が成長していく物語のような気がします。しかし、現代史ミステリーを数多く書いている著者の西木正明の持ち味は、この作品でも見事に発揮されていて、その巧みな文章で、"歴史の大きなうねり"の中の人間模様を、ダイナミックにそして、サスペンスフルなタッチで鮮やかに描き上げているなと思います。

      特に、感心したのは、第二次世界大戦下の"魔都"上海の、混沌とした雰囲気の描写は、リアリティーに満ち溢れていて、見事のひと事につきます。

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      2016/09/29 by

      ルーズベルトの刺客」のレビュー


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