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博士の愛した数式

4.3 4.3 (レビュー11件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 1,575 円
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第1回 本屋大賞 / 大賞
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    「博士の愛した数式」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 5.0


      小川洋子の第55回讀賣文学賞小説賞受賞作「博士の愛した数式」を読み終えました。

      交通事故のせいで、記憶の蓄積が1975年でとどまり、以降80分間しか記憶が持続できなくなった数学者の博士。
      家政婦紹介組合から派遣され、博士の身の回りの世話をしている「私」。
      阪神タイガースファンの10歳の息子。

      「博士の愛した数式」は、著者・小川洋子の小説が常にそうであるように、行間から温かみがほのかに立ち昇ってくる、愛にまつわる物語だ。
      でも、それは激しい感情を伴う愛ではない。

      「私」の息子を、頭のてっぺんが平らだから「どんな数字でも嫌がらず自分の中にかくまってやる、実に寛大な記号、ルート」と名づけ慈しむ博士の、幼き者に寄せる無償の愛。

      世界の不思議と歓びと真実を、数字と数式で詩的に表す博士に向けられる「私」とルートの深い敬愛の念。

      博士の記憶が続かないから、毎日、初対面同士として出会い直す三人の間に、それでも蓄積されてゆく礼儀正しくて、しかし少しもよそよそしくない親愛の情を示すエピソードの数々が素晴らしい。

      記憶障害のために、背広のあちこちにメモを留めている博士。
      なかでも、一等大切にされている「私」とルートに関する覚え書き。
      靴のサイズなど「私」やルートにまつわる数字を、素数や友愛数といった"数の概念"で愛情たっぷりに表現し、二人に数字の神秘や美を優しく伝授する博士。

      凄い業績を残しているのに「神様の手帳をのぞき見して、ちょっとそれを書き写しただけのこと」だからと呟く博士の、驕ることのない、控え目で純粋な魂に触れ、そんな博士を全身全霊で守りたいと願う「私」とルート。

      聖家族とでも呼びたくなるような三人の深い心の交流。
      著者は、それを抑制の効いた筆致で描いていくんですね。
      そして、説明を極力避け、その上品な文体ゆえに、逆にくっきりと浮かび上がってくるんですね。

      淡白な交歓の情景の底に流れている、強い絆をもった愛情の気配が-------。

      「不自然極まりない概念を用い、無関係にしか見えない数の間に、自然な結び付きを発見した」という、オイラーの公式に込められた博士の思い。

      それが、読み終えた後、しみじみと胸を打つんですね。
      カラカラに乾いた心に、しっとりと潤いを与えてくれる、そんな作品なんですね。

      >> 続きを読む

      2018/11/11 by

      博士の愛した数式」のレビュー

    • dreamerさんのレビューでこの本を読んだ時の気持ちが蘇ってくるようでした。他の本ではなかなか味わえない清々しい気持ちになった、素晴らしい本でした。

      読んだのがだいぶ前のことなので、秋の夜長に読み返したくなりました。
      >> 続きを読む

      2018/11/12 by chao

    • chaoさん

      この読書ログの良さは、お互いに読んだ本の感想や思いを語ることによって、あらためて読書の悦びを共有したり、触発されたりして、さらなる本の森への散策への糧になることだと思っています。

      私のレビューで少しでも、そんな思いを抱いていただけたのなら、私としても、とても嬉しいですね。
      >> 続きを読む

      2018/11/12 by dreamer

    • 評価: 5.0

      博士
      ルート
      数式
      記憶


      心温まる物語だった。
      博士が数式を愛していること。私自身学校の教育を受けたが、博士が物語でいっている数式は難しかったが、数式を知らずとも、数字に対して考え方が変わった。ただの数字、数、計算。そう思ってきたが、数字一つ一つに歴史があるということに気付いたこと。
      読書をすることで学ぶ言葉の一つ一つの大切さを学んできたが、
      数字もまた、大切な言葉だということを気付かせてくれた本でした。
      >> 続きを読む

      2016/04/10 by

      博士の愛した数式」のレビュー

    • 評価: 4.0

      家政婦の女性とその息子、そして記憶が80分しか持たない数学者の物語
      読んでみて、久しぶりに数字とかをやってみたいと思った。
      数学の持つ神秘性とかを楽しみながら読めました。

      2016/01/14 by

      博士の愛した数式」のレビュー

    • 評価: 4.0

      事故で30年ほど前から記憶がない元数学者(博士)のところへ家政婦としてやってくる。
      その博士は現在も記憶が80分しか持たない。
      そんな障害と向き合う家政婦とその息子。
      素数、自然数、完全数など数への興味がわいたし、こんなに奥が深く面白いものだったんだと気付かされました。
      また、数を愛し、子供を愛する博士の姿は特に温かいものでした。
      それと、1992年に阪神が2位になった当時の状況が度々出てくるので個人的にそこも惹かれた。その年からタイガースファンになったので。

      子供に読ませたい本。
      さらに欲を言えば数学好きになってもらえれば。
      >> 続きを読む

      2015/08/21 by

      博士の愛した数式」のレビュー

    • > 1992年に阪神が2位になった当時の状況が度々出てくるので個人的にそこも惹かれた。その年からタイガースファンになったので。

      こういうところでグイっと入り込めたりしますよね♪
      >> 続きを読む

      2015/08/21 by ice

    • いつだか課題図書で読みました。
      少し理解が難しかったので、結構前に読んだと思います。博士の80分しか持たない記憶に衝撃を受けたのと、今まで読んだことない独特な時間の流れだったような気がします。 >> 続きを読む

      2015/08/21 by r-nn

    • 評価: 5.0

       これはいい話だ!

       記憶が80分しかもたない「博士」
       その家政婦「私」とその息子「ルート」

       の三人の心の交流がいいですねー!

       「私」に対してはそっけない博士もなぜかルートには無上の愛を注いじゃうんですよね!「子供は守られなければならない!」って言って。博士まじいい人。ちょっぴりユーモラスなところも含めてすっかり博士に魅了されてしまいました。こんなおじいさんの家になら絶対遊びに行くし、数学も好きになっていたんだろうなぁ。

       数学のウンチクも確かに出てきますが、ついていけないほどのものでもなく、物語を理解する上で障害にはならなかったです。

       数学音痴であること山のごとしな私でも読めたので大丈夫です!

       
       これも教材として扱うので目を通しておこうと読んだのですが、そうでなければ読まなかっただろうな・・・こういう不意の「いい本との出会い」ってホント好きw
      >> 続きを読む

      2013/11/07 by

      博士の愛した数式」のレビュー

    • この本が教材として扱われているということにビックリです!

      これ、いいですよね~☆
      心が洗われるというか。 >> 続きを読む

      2013/11/08 by chao

    • >makotoさん

      算数、はできないとマズイかもしれませんw

      >chaoさん

      演習系の科目で、テキストに載っていました。いいですよね!さすが本屋大賞受賞作品!w
      >> 続きを読む

      2013/11/08 by kissy1986

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      著者: 小川洋子

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      • 評価: 5.0

        本屋大賞を受賞したり、映画化もされたので、
        読んだ人は多いかもしれません。

        80分しか記憶が持たない博士と、そこにやってくる家政婦さん(”私”)、そしてその息子とのお話です。

        博士は元大学教授(数学)で、
        ”私”や息子に数学の話をするので、数学の話がちらほら出てきます。
        でも、難しい数式とかは出てきていないと思います。

        これを読んだのは中学生のときでした。
        本屋大賞受賞前でしたが、
        (そのとき既に話題になっていたのでしょうか)
        母親が図書館から借りてきて、
        数学が好きだった私に薦めてくれました。

        とても読みやすく、読書をあまりしない私でも
        すぐに読むことができました。

        心があたたまる、優しいお話です。

        もし読んでいない方、ぜひ読んでみてほしいです。
        映画化もされていますが、個人的には本のほうがおすすめです。
        >> 続きを読む

        2014/05/28 by

        博士の愛した数式」のレビュー

      • 私も確か中学生の時に読みました。
        凄くいいお話なのは覚えてますが、内容を忘れてしまったので再読したいと思います^^ >> 続きを読む

        2014/08/22 by Sachupan

      • 高校生の時に読みました。
        数学が嫌いでしたが、この本を読んで少し好きになれた気がします。
        心があたたまる優しいお話ですよね。
        >> 続きを読む

        2014/10/14 by うーちゃん


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