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さよならクリストファー・ロビン = Goodbye,Christopher Robin

5.0 5.0 (レビュー1件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 1,470 円
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第6回 大学読書人大賞 / 4位

最後に残ったのは、きみとぼくだけだった―お話の主人公たちとともに「虚無」と戦う物語。

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    「さよならクリストファー・ロビン = Goodbye,Christopher Robin」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 5.0


      高橋源一郎の第48回谷崎潤一郎賞受賞作「さよならクリストファー・ロビン」を読み終えました。

      作家・高橋源一郎の世界をカタカナで形容すれば、「ポップ」とか「シュール」とか「モダン」と言った言葉になると思っています。

      だが、古い言葉で「おもしろうて、やがて悲しき」という言葉も似合いそうな気がする。
      この6編を収めた短編集もそうだ。

      たとえば、表題作の「さよならクリストファー・ロビン」は童話「クマのプーさん」の世界を借りて、しかし、世界が徐々に消滅してゆく不安を語っている。

      「星降る夜に」では、売れない小説家がアルバイトで、難病で死を待つ子供たちに童話の読み聞かせをする。
      そして「アトム」では、鉄腕アトムとその悪の分身「トビオ」とが、世界壊滅後の銀河鉄道の車内に乗り合わせたりするのだ。

      アニメの世界を借りたかつての短編集「ペンギン村に陽は落ちて」をつい思い出してしまいますね。

      「おもろうて」は、世界の作り方と語り口から生じ、「悲しき」は世界の根底に「空虚=無」が潜んでいることから生じる。
      この「空虚=無」は現代的な終末論でもあるが、伝統的な無常観にも通じていると思う。

      しかもそれは、"虚構世界"を創り続ける著者・高橋源一郎の、いわば虚構世界の存在論とでもいったメタ・フィクション的な意識とも重なるんですね。
      なぜなら、虚構とは、常に根底の「空虚=無」におびえる世界なのだから。

      軽快な語り口に運ばれて読めば、スラスラと読める。
      しかし、ふち立ち止まった途端、足元に恐ろしい深淵が口を開けているのに気がつく。
      そういう世界なんですね。

      実際、プーさんが語る表題作から、神の不在、存在の不安、想像力の機能、遊戯の終わり、リアルの顕現といった重たいテーマを抽出することも出来るだろう。

      それは、この本の中の「お伽草子」の子供が、次々と発するあどけない「なぜ?」が、世界と存在の根源に関わる難問でもあるのに似ている。
      もちろん著者は、息子の問いにちょっと奇妙なたとえ話で答えてやる父親なのだと思う。

      >> 続きを読む

      2018/11/19 by

      さよならクリストファー・ロビン = Goodbye,Christopher Robin」のレビュー

    • 短篇集だったのですね。プーだけではなく、アトムや銀河鉄道もコラボしている。
      メタフィクションは私の好みでもあります。
      ちょっと興味を惹かれてしまいました。
      >> 続きを読む

      2018/11/20 by 月うさぎ


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