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近代絵画

4.0 4.0 (レビュー1件)
カテゴリー: 作品集
定価: 2,100 円
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    「近代絵画」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 4.0

       ぼくが持っているのは新潮文庫ですが、画像がないのは寂しいのでこちらを登録しておきます。
       この高名な評論家をぼくはあまり好きではありません。しかし、この本は何度も繰り返し読みました。
       彼は、徹底的に脳型人間で、五感で絵画を鑑賞するような人ではなさそうです(ご本人にこういったら絶対否定したと思いますが)。この本で最も多くの紙幅が割かれているピカソについては、彼自身、どう評価したらいいのか分からずもてあましているようにも感じられます。
       しかし、印象派の画家たちが、何にこだわってそれまでの伝統的な絵画を脱却し、自分の世界を築き上げていったのか、そこにいかなる苦闘があったのかについて、ぼくはこの本から多くを学びました。モネ、ゴーギャン、ゴッホといった画家たちの展覧会に行くたびに、ぼくはこの本を読み返し、小林秀雄的な見方と、ぼくの見方との距離を測りました。こういったことを繰り返して、目が肥えたかどうか分かりませんが、絵を観る歓びが増していったことは間違いありません。
       彼が最も評価したのはセザンヌだと思われますし、この本で最も優れているのもセザンヌの章でしょう。ぼく自身も、印象派の画家の中ではセザンヌが一番好きです。昨年、国立新美術館で開催された「セザンヌ―パリとプロヴァンス」展にはほんとうに感動しました。

       或る日、セザンヌはギャスケの前で、モチフを掴んだといって両手を握り合わせた。モチフとは、つまり、これだ、という。ギャスケが、腑に落ちぬ顔をしていると、セザンヌは両手を話し、両方の指を拡げて見せ、又、これを静かに、静かに近附けて、握り合わせ、一本一本の指をしっかり組み合わせた。そういう動作を繰り返しながら、彼は、こんな風に説明したそうだ───「こういう具合にモチフを捕える。こうならなくてはならないのだ。上に出し過ぎても、下に出し過ぎても、何もかもめちゃめちゃになる。少しでも繋ぎが緩んだり、隙間が出来たりすれば、感動も、光も、真理も逃げて了うだろう…」

       ぼくはこのセザンヌの言葉を、セザンヌの絵を観るときのみならず、たとえば、フランシス・ベーコンの絵の前に佇んでいる時にも思い出します。さらには、絵を観ている時ではなく、村上春樹の小説を読んでいる時にも、ああこれはしっかり掴んでいる、ああこれは緩んでしまった、などとセザンヌの言葉で考えている自分に気がついたりするのです。
      >> 続きを読む

      2013/05/18 by

      近代絵画」のレビュー

    • 怒られちゃうかもしれませんが、本当のことを言うと、昔から支持され続ける名画と、感動アニメ巨編だったら価値はあんまり変わらないんじゃないかと思っています。

      どちらも本物を持てるわけじゃないし、実はどちらもそんなに興味が有るわけじゃないから、レプリカさえ持とうとしないだろうし。

      こういう人も含めて、価値観は多様ですよねー
      >> 続きを読む

      2013/05/19 by makoto

    • 小林秀雄。あぁ次元大介ね。。。

      などと、したり顔で受け止めたのですが、それは小林清志の間違いでした。

      そんなに似てないのになぁ...
      >> 続きを読む

      2013/05/19 by ice


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