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チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷

3.0 3.0 (レビュー1件)
カテゴリー: 個人伝記
定価: 1,785 円

十五世紀末イタリア。群立する都市国家を統一し、自らの王国とする野望を抱いた一人の若者がいた。その名はチェーザレ・ボルジア。法王の庶子として教会勢力を操り、政略結婚によって得たフランス王の援助を背景に、ヨーロッパを騒乱の渦に巻き込んだ。目的のためなら手段を選ばず、ルネサンス期を生き急ぐように駆け抜けた青春は、いかなる結末をみたのか。塩野文学初期の傑作。

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    「チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 3.0

      ローマ教皇アレッサンドロ六世の庶子であり、バチカンで権勢を振るったボルジア家のチェーザレ・ボルジアについて書かれた一冊。
      チェーザレの出生から亡くなるまでを書いたのではなく、父ロドリーゴがローマ教皇に推挙される頃から短い生命を終えるまでを書いた半生記。

      塩野七生さんの名前はよく見ていたし、イタリアに造詣のある作家さんらしいことは知っていたけれど、読んだことはなかった。
      しおのななみ、と読むところを、しおのななせい?と読んでいたのは塩野さんには内緒ですよ。
      はじめて読むのなら、教皇として悪名で有名なアレッサンドロ六世について書かれたものを読みたかったがないようなので、チェーザレについて書かれた本書を選んだ。

      ボルジア家のひとびとは、アレッサンドロ六世自身はそれなりに長く生きているが、子供たちはチェーザレを含めホアン、ルクレツイア、ホフレと皆短命である。
      一時はバチカンに留まらず、イタリアからヨーロッパ全土で栄華を極めたボルジア家であるのに、子供の生命までは思い通りにはいかないという当たり前なことを皮肉にも思う。

      ボルジア家では、ここぞというときに毒薬を用いていたと半ば事実のような伝説をよく耳にしていたが、実際はそうでもなかったようだ。
      妻帯を許されないカトリックの司教であるのに、隠れて妻を持ち、子をなしたロドリーゴが教皇にまで登りつめたところに、こうした疑惑が芽生えるのは至極当然とも言えなくもない。

      アレッサンドロ六世に対立するジュリアーノ・デ・ラ・ローヴェレ、後の教皇ジュリオ二世のことも少し出てきて面白く読める。
      しかしチェーザレについての本なので、アレッサンドロ六世とデ・ラ・ローヴェレ司教の確執などはかじる程度でしかない。やはり、興味のある人物について書かれた本でないと物足りないのは否めない。

      塩野七生さんがチェーザレに同情的な様子が文章の端々から伝わってくる。

      チェーザレの波乱に富み野望達成を目前に人生の幕を引く姿は、道半ばで自刃した織田信長を思わせ、日本人には好みかもしれない。
      >> 続きを読む

      2016/05/08 by

      チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷」のレビュー

    • テレビで「シーザーに恋している」とおっしゃっていました。
      これからは当時のまわりの人々を取り上げて書くともおっしゃってましたがその一冊でしょうか。
      好奇心が湧いてくるような題名ですね。
      >> 続きを読む

      2016/05/08 by 空耳よ

    • 空耳よさん
      コメントありがとうございます。

      テレビにも出演されていたのですね。
      興味のあるひとには堪らない本を多く書かれているようですね。
      >> 続きを読む

      2016/05/09 by jhm

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      著者: 塩野七生

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      • 評価: 5.0

        塩野七生の「チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷」は、悪名高い野心家の生涯に、真正面から挑んだ意欲作だ。

        1492年8月、シエナ。数人の若者が、馬を走らせていた。
        5日後に迫る市主催の競馬に出場するための練習をしているのだ。
        その中に、枢機卿の息子、チェーザレ・ボルジアもいた。

        その頃、ローマでは、11日前に亡くなった法皇の後任を選ぶ、枢機卿会議が開かれ、そこにチェーザレの父も出席していた。

        広場を出ると、チェーザレは、従者から手紙を受け取った。
        それは父からのもので、法皇に選出されるとある。
        法皇アレッサンドロ六世の誕生だ。

        これによって、チェーザレの運命は、大きく変わるのだった。

        チェーザレは、結婚できないはずの聖職者の息子という、あってはならない存在だった。
        ところが、法皇アレッサンドロ六世は、そのチェーザレを強引に枢機卿につける。
        自らの権力基盤を盤石にするためだ。

        当時のイタリアは、ヴェネツィア、フィレンツェ、
        、ナポリ、ミラノなどの各国に分裂し、統一された国家ではなかった。

        イタリアが分裂しているうちに、イタリアよりも後進国だったはずのフランス、ドイツ、スペインなどが、専制主義の国家体制を確立。

        力と財を蓄えて、分裂しているイタリアに触手を、伸ばそうとしている状況だった。
        加えて、背後のトルコも、脅威となりつつあった。

        この時代に生まれたチェーザレは、父の権威を背景に、弟や妹を利用し、自らの王国の建設、つまりはイタリア統一という野望の実現のために生きることになる。

        彼はそのためには、どんな冷酷なことも、優雅にやってのけるのであった--------。

        ルネサンス期のイタリア。諸国が割拠する半島を、統一しようという野望を抱いた青年チェーザレ・ボルジア。

        史上最も悪名高い一族に生まれ、謀略に明け暮れて、31歳にして生涯を終えた男の人生を、哀惜を込めて描いた名作だと思う。

        この作品の著者・塩野七生のデビュー作は、「ルネサンスの女たち」。
        このデビュー作は、連作で、タイトルの通り、ルネサンス期に生きた、女性四人を描いたものだった。

        そして、連作中の三作に、脇役として登場するチェーザレ・ボルジアに真正面から挑んだのが、この作品なのだ。

        さらに、この作品で脇役として出て来たマキャヴェッリも、後に主人公として描かれ、背景として出て来る、コンスタンティノープルの陥落も、後に三部作として著している。

        つまり、この作品には、塩野七生という作家の原点があると言えるだろう。

        この作品のように、個人名に「あるいは」で繋いで、その本のテーマを掲げるタイトルのスタイルは、欧米の評伝によくあるものだ。

        このタイトルだけでも、著者がデビュー当時、既に日本の従来の小説や史伝の枠から逸脱していることがわかる。

        著者の代表作である「ローマ人の物語」シリーズが、小説というより、「歴史書」になっていて、読み物としての面白さが、初期の作品に比べて、少し希薄になっていると思う。

        それに対して、この作品では、もちろん史料は、徹底的に調べられているのだが、歴史的に不明な部分は、豊かな想像力で補われ、血の通った人間像が描かれていると思う。

        この人物たちを、どうしても書きたいという、著者の意気込みが、行間からも感じられるのだ。

        この作品で、毒を盛る男として、悪名ばかりが高かったチェーザレ・ボルジアが、日本で言えば織田信長のような、革命を志した存在であったことを、多くの人々が知ったのではないかと思う。

        そして、マキャヴェリズムとは何かを理解したのも、この作品によってだと言っても、過言ではないと思う。

        >> 続きを読む

        2021/05/14 by

        チェ-ザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷」のレビュー


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