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名作うしろ読み

3.0 3.0 (レビュー1件)
カテゴリー: 読書、読書法
定価: 1,575 円
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    「名作うしろ読み」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 3.0

      古今東西の名作132冊のエンディングばかりを全面に押し出した大胆不敵、痛快無類のブックレビュー集。

      著者のペンに掛かったら、ネタバレが怖くてレビューが書けるか! ってくらいの迫力ある文章が続々登場するのです。そんなことで動じないのが名作、と確信しておられるのがヒシヒシ、ビリビリ伝わってくる。

      題材もランダムではなく、ちゃんとテーマごとに整理されて供される。
      1.青春の群像
       (トップバッターはご存じ漱石の)『坊ちゃん』

      「だから清の墓は小日向の養源寺にある。」

      『坊っちゃん』はなぜ「坊っちゃん」なのだろうか。と、著者に疑問を投げ掛けられて、こちらは「どきっ」とする。その鍵はエンディングにこそ顕れているのだった。「清」は「きよ」ですよ~。ばあやの清なのです、坊っちゃんと呼んだのは。

      この「だから」を日本文学史上もっとも美しい「だから」だと評したのは井上ひさし『自家製文章読本』。……と他のレビューにもしっかり目配りして「その通りだと思う」と結んでいる。

      この章には、ほかに『雁』『風立ちぬ』『檸檬』『潮騒』『野菊の墓』『友情』『浮雲』『竜馬がゆく』『異邦人』『走れメロス』『伊豆の踊子』『車輪の下』『三四郎』『はつ恋』『若きウェルテルの悩み』『草の花』『ハムレット』『トニオ・クレエゲル』『何でも見てやろう』『さぶ』

      2.女子の選択
       サブタイトルも実に凜々しい。「恋愛、結婚、別離、自立。飾りじゃないのよ、人生のイベントは。」
      『細雪』……『ブラームスはお好き』

      3.男子の生き方
       虚勢を張る人、わが道を行く人、破滅に向かう人。とかく男の人生は……。
      『蒲団』……『ノア ノア』

      4.不思議な物語
      幻想も妄想も文学の肥やし。大人のファンタジーは甘くないのだ。
      『雪国』……『動物農場』

      5.子どもの時間
      学ぶ子、遊ぶ子、働く子。みんな踏まれて大きくなった。
      『一房の葡萄』……『にんじん』

      6.風土の研究
      歩いてみなけりゃわからない。この国の人と自然と歴史と文化。
      『富嶽百景』……『日本沈没』

      7.家族の行方
      夫婦のいさかい、親子の争い、家計の破綻。どこのおうちも一皮むけば。
      『黒い雨』……『死の棘』

      さいごに『死の棘』のラストをご紹介。
      「その方法の考えつかぬことに、暗い危惧が影を落としてはいたが。」
      浮気をした夫と夫を責める妻の、実体験にもとづく凄絶すぎる問答に、著者(斎藤さん)は笑っちゃうとおっしゃる。それは誰しも「身に覚えがある」からとも。
      そして私小説の系譜は『蒲団』に始まり『死の棘』で終わったとまで断じてしまっている。

      独壇場の極めつけは、この本のエンディングかもしれん。↓↓

      「読者にとって本書が名作を読み直すキッカケになることを願っている」とか何とか、もっともらしいメッセージを発しておけば恰好がつくのかもしれないが、それは余計なお世話だろう。評論のラストはとかく説教臭くなるのが問題なのだ。

       * * *
      《読後の、まず一言》
      結句、未読の者には容赦ないのだ。
      あたかも
      「これほどの名作を読まずして何を読んでいるの!」
      と仰せられている如くに響いてくる。
      (ごめんなさい、と何度小さくなった事だろう。)
      >> 続きを読む

      2016/01/21 by

      名作うしろ読み」のレビュー

    • 月うさぎさん
      >ほんと、とっとと読めよ。と言われている気がします
      事実、最後に統括的にこんなことが書かれています。

      未読の人にはこういってさしあげたらいい。
      「文句をいってないで読みなさい」
      本の話は「既読の人」同士でしたほうが絶対おもしろいんだから。

      >> 続きを読む

      2016/01/22 by junyo

    • >本の話は「既読の人」同士でしたほうが絶対おもしろいんだから。
      だから、読書ログは楽しいんですよね♪たいていの本や作家はどなたかが知ってる。
      なかなかない環境です。
      この著者は知らない人ですが、未知なものと出会えるのもまた貴重です。
      ネットの中は有象無象だし、本屋の店頭は売りたい商品の展示場だし。
      ここならレビュアーの読書傾向が解っているからハズレ無しです。
      >> 続きを読む

      2016/01/23 by 月うさぎ


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