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わたしが殺した男

2.0 2.0 (レビュー1件)
著者: 永瀬 隼介
定価: 1,836 円
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    「わたしが殺した男」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 2.0

      中年探偵・秀之進から「相棒になろうぜ」と勧誘されて埼玉県警を辞め、新宿のバー兼探偵事務所で働き始めた龍二は、警察庁キャリアが持ち込んだ依頼から、殺しをこよなく愉しむ「悪魔」にかかわることに。
      探偵事務所「ダブルシュガー」最初の事件。

      著者の『三日間の相棒』という長編の続編です。
      僕はたいていの本は、まずはじめに巻末を確認します。
      連載小説をまとめたものなのか、短編集なのか長編なのか、書き下ろし作品なのか、が判るからです。
      それが判ると、読む姿勢が決まります。
      短編集なら何かほかの長編と併読しようと思ったり、書き下ろしなら毎月や毎日の締切に追われない分、著者渾身の作品なのだろうな、と居住まいを正してみたり。
      ただ、残念なことに、エンタメ、特に男性ハードボイルド・サスペンス作家の書き下ろし作品はハズレが多い。
      諸般、事情があるのでしょうが、僕的には本作を読み始めるにあたり巻末を確認したときに「本作は書き下ろしです。」の文句に、大いに不安を覚えましたし、実際その不安が的中することになりました。

      まず、著者が思い込んでいるほど、ファンを公然と自称する僕であっても『三日間の相棒』を読んだことは覚えていても、詳細についてそれほど記憶が残っているわけではありません。
      本作のひとつめの欠点が、前作の設定ありき色がグロテスクなまでに強い事があげられます。
      主人公の元埼玉県警警察官・佐藤龍二と、元警視庁刑事・佐藤秀之進のキャラクター設定に説明が少なすぎます。
      おとなしく朴訥だが手堅く仕事をこなす前者と、派手で豪放磊落な面ばかり目立ちますが実は繊細な一面を隠し持つ親分肌の後者。
      この設定は『三日間の相棒』でわかっているんだから、とりたてて必要ないよね?、っていうのは少し乱暴です。
      サービス精神が足りな過ぎます。
      続編といえど本作だって単行本、定価で買えば2,000円近くするハードカバーです。
      今日び、書籍代にこれだけの金額を払うお客様を上客と言わずして、何と言いましょうか。
      「永瀬準介」というネームバリューで売ってやる!という出版社の思惑が明け透けに見えてウンザリしました。
      だから中公新社のエンタメは…って言われる所以です。
      書き下ろし作品ならではの、冒頭に持ってこられたクライマックス、ショッキングシーン。
      この構成自体は、書き下ろしならと思われるものなので好感が持てたのですが、今度はその冒頭シーンにストーリィ全体が引きずられてしまって、内容がグダグダ。
      事件の真相を探り当てる動機もあっちへ行ったりこっちへ行ったり、突然知らされる謎の真相も実は特殊なルートで手に入れた情報からだったり、とにかくつまらなかった。
      ラストの章だけピシッとしまったので、☆2つとしましたが、最後まで流れが変わらなければ最低評価、クズ本決定でした。
      これが『12月の向日葵』、『帝の毒薬』など、ほんとうに面白い、奥深いエンタメを数多く発表されておられる同じ作者とは思えない一冊に、到底、皆様にオススメできるシロモノじゃあございません。

      思うに、担当編集者が駄目ですね。
      これが新潮社から出版されたものならば、分量、値段ともに少なくとも1.3~1.5倍くらいに膨らませて、なおかつ名著になったと思います。
      出版側が著者のアイディアや、持ち味を、まったく理解していない。
      それが、装丁の写真のセンスのなさからもうかがうことができます。
      出版社側としては内容はともかく、「永瀬隼介」「警察小説」2つのキーワードだけが必要だったんでしょう。
      ですから、駄目出しをしない。
      「先生、この設定無理があるんじゃないですか?」
      「先生、もうちょっとこの人物について掘り下げましょうよ」
      が、言えない。
      というか、言う必要がなく、逆に言って原稿のあがりが遅くなるくらいならむしろ言わずにそのまま出版しちまった方が手っ取り早くていい。

      それから、これは永瀬さんのセンスだと思うのですが、登場人物や登場する団体・組織のネーミングセンスのダサさ。
      意外と関係ないようで、いちど引っ掛かると、最後まで付き合わなければいけないので喉の骨のように気になります。
      佐藤龍二と佐藤秀之進のふたりで「ダブルシュガー」…。
      殺人とアンダーグラウンドビジネスを手掛ける、もうこの組織の後にはなにも無いという意味を込めて犯罪組織「Z」…。
      ダサすぎです。
      『12月の向日葵』の主人公の名前もカッコ悪かったけれど、本作はさらにそのダサさ加減に拍車がかかっています。

      あらすじを紹介する気にもなれない、著者の汚点。
      改めて、中央公論新社のエンタメ小説は地雷、と強く感じました。
      >> 続きを読む

      2015/06/25 by

      わたしが殺した男」のレビュー

    • >月うさぎさん
      いつも、コメントありがとうございます。
      好きな作家さんが、おもしろくない本を出すと、期待が大きい分だけ反動も大きいですね。アッタマに来ました。
      読む本が、あんまり、月うさぎさんと被りませんからね。
      僕の読む本のなかでも、誰が読んでも面白いと思ってもらえるようなエンタメ作品に☆を4つ以上つけるようにします。
      >> 続きを読む

      2015/06/27 by 課長代理

    • ご教示ください。頼りにしてます。(⌒-⌒)
      〉好きな作家さんが、おもしろくない本を出すと、期待が大きい分だけ反動も大きいですね。アッタマに来ました。
      すごくわかります。こんな作家じゃないだろう!って残念ですね。
      出版社に怒る気持ちも一緒です。わかるわかるよ!
      私の場合最近の宮部みゆきに納得していないんですよ。
      完全に頭に来たのは売れに売れた「模倣犯」です。
      >> 続きを読む

      2015/06/27 by 月うさぎ


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