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背教者ユリアヌス

4.5 4.5 (レビュー1件)
著者: 辻 邦生
カテゴリー: 小説、物語
定価: 880 円
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    「背教者ユリアヌス」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 5.0

      「安土往還記」「西行花伝」「嵯峨野明月記」などの作品で、私の敬愛する作家・辻邦生の「背教者ユリアヌス」(中公文庫/上・中・下巻)を時間をかけて、ゆっくりと熟読しました。

      この作品は、"ローマもの"に小説の面白さを持ち込んだ、偉大な作品だと強く思います。

      四世紀のローマを舞台にした、華麗で壮大な叙事詩的な小説だと思いますね。
      皇帝の弟の子として生まれながらも、権力争いのために幽閉されていたユリアヌスが、運命に操られて皇帝になり、悲劇の生涯を終えるまでを描いた、毎日芸術賞受賞の名作でもあるのです。

      舞台は古代ローマ、主人公は皇帝。
      こう聞いただけで、少し前までなら、恐らく、読む可能性が少なかったかもしれませんが、塩野七生の「ローマ人の物語」と出会い、愛読書となってからは、"ローマもの"への抵抗感はかなり薄れてきたので、自然とこの書に手が伸びたのだと思います。

      この「背教者ユリアヌス」は、辻邦生の作品歴の中でも、初期の最大の作品だと言われていて、文庫で三巻は確かに長いと思います。

      登場人物も、ユリアヌスとかコンスタンティヌスなどと馴染みのない名前ばかりで、最初は正直、とっつきにくいですが、でも最初の100ページを我慢して読めば、あとはもう一気に最後まで読めましたね。

      なにしろ、陰謀と謀略渦巻くローマの政治が背景となっていて、その真ん中に生まれた哲学者的な超真面目な青年が、望むと望まざるとにかかわらず皇帝になり、数限りない陰謀の渦中に置かれるんですね。

      日本の戦国時代を描いた歴史小説が大好きな私としては、その拡大版というか、西洋版として、ページを繰るのももどかしいほど、非常に愉しく読めましたね。

      何しろ、戦争もあり、魅力的な女性も登場し、小説の面白さがすべて詰め込まれているという感じなのですから、面白くないはずがないんですよね。

      さらに、当時"新興宗教"でありながら、政治の中枢に影響力を持ちつつあるキリスト教との対立が絡むので、現代政治と重ね合わせて読むことも可能なんですね。

      尚、この作品の題名となっている「背教者ユリアヌス」というように、ユリアヌスが「背教者」と呼ばれるのは、キリスト教を棄教し、ギリシャ古来の宗教を復興させようとしたことからきているんですね。
      つまり、キリスト教者から見た呼び方になっているわけですね。

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      2018/05/11 by

      背教者ユリアヌス」のレビュー


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