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八日目の蝉

4.0 4.0 (レビュー13件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 620 円

逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか...。東京から名古屋へ、女たちにかくまわれながら、小豆島へ。偽りの母子の先が見えない逃亡生活、そしてその後のふたりに光はきざすのか。心ゆさぶるラストまで息もつがせぬ傑作長編。第二回中央公論文芸賞受賞作。

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    「八日目の蝉」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 4.0

      不倫相手の子供を誘拐した希和子。
      子供に薫と名付け各地を生き抜いていくが、新聞や雑誌によって事件の全容は知れ渡っていき、疑似親子の逃亡の旅は終わりが近づく。

      血の繋がっていない関係だが、薫からしたら赤ん坊なので希和子は母親でしかない。
      しかし希和子からしたら、愛情を持つも最終的には親子でないという現実が待っている。

      愛情の方向が違うだけで、じゃあ愛がないかというとそれは違う。
      生活していく過程の中で、詐欺やDVなどの社会性の一面も覗かせている。

      最後に二人は出会うのかどうかのラストだが、そういう見せ方をするのかと関心した。
      過ごした過程に嘘偽りはないのだと。
      >> 続きを読む

      2019/08/05 by

      八日目の蝉」のレビュー

    • 評価: 5.0


      角田光代の「八日目の蟬」をようやく読み終えて、あまりの凄さに驚愕しました。

      愛人の妻が産んだ赤ん坊をさらった女、なんてありふれた物語を描いて比類なき小説に仕上げている手腕に、恐れいりましたね。

      第一章は、さらった子に薫と名付けた希和子の逃避行を描いているのですが、四千万円近い蓄えがあっても、住民票と戸籍、夫の雇用証明書の提出が求められるため、アパートを借りることもかなわず、もろもろあった末、駆け込み寺的コミュニティ「エンジェルホーム」に身を隠すことになってからの顛末が哀切極まるんですね。

      全財産をホームに委託する誓約書にサイン。その後、2年間の潜伏生活を送るも、やがてそこも出ていかざるを得なくなり、着の身着のまま、ホームで仲が良かった女性の実家がある小豆島へ。

      そこで、ようやく心穏やかな生活を手に入れるのですが-----。

      続く第二章は、無事、両親のもとに戻り、今では成人している恵理菜(薫)のアルバイト先に、ホームでお姉さん的存在だった千草が訪れる場面から始まります。

      「あんたを見ると、あの女を思い出す」と呟く情緒不安定な母。
      罪悪感から家族と距離を取り、ほとんど喋らず岩のように動かず酒を飲んでいる父。

      そんな逃げることしか知らないような両親が疎ましい。
      両親が駄目な人間になってしまったのも、世間の容赦ない噂で職を変え、居場所を転々とせざるを得ず、普通の家族のような暮らしが送れなかったことも、全部自分をさらった希和子という女のせいだ。

      頑なな表情の下に、たくさんのどろどろした思いを隠し込むようになってしまった恵理菜が、千草と共に過去を検証し、再生しようともがく姿と心境を描いた第二章もまた、愚かさと悲しみに溢れていながらも、第一章にはなかった希望を最後において、素晴らしい読み心地を約束してくれるんですね。

      エンジェルホームについてのルポを書こうとしている千草の登場によって、第一章ではぼかされていた希和子の詳細が、第二章で明らかにされるという仕掛けが実に見事だと思います。

      その"情報の遅延"という、じらしのテクニックが功を奏し、読み手である私は、希和子に対し、犯罪者に寄せるべきではないほどのシンパシーを高まらせるに至り、それゆえ物語の終わり近くに用意されている、17年前に希和子が捕まった時に放った言葉を恵理菜が思い出すシーンで、思わず目頭が熱くなるほどの哀れを覚えるんですね。

      >> 続きを読む

      2018/08/14 by

      八日目の蝉」のレビュー

    • 評価: 5.0

      爆笑問題の太田光さんが絶賛していた

      2018/07/07 by

      八日目の蝉」のレビュー

    • 評価: 3.0

      家族とは何か、結婚制度とは何か、愛情とは何か、いろいろと考えさせられる作品でした。ストーリーは複雑で難しい内容でしたが、角田光代先生の文章はわかりやすくて最後まで興味深く読むことができました。もちろん八日目の蝉はフィクションだけれど、希和子と恵理菜を見ていると、母娘はしらずしらずのうちに同じような人生(妻帯者との不倫、妊娠)を歩むのだと改めて思いました。

      2017/08/20 by

      八日目の蝉」のレビュー

    • 評価: 4.0

      映画をみて感動したので本の方も読んでみた
      現代の親子の在り方に対する問題提起というテーマのために、作為的な設定していることに違和感を覚える部分はあるが、
      (誘拐犯である希和子を理想の母親像として描きすぎな一方で、被害者恵理子もあまりに醜く描きすぎでは?といったところ)
      その違和感さえ乗り越えられれば
      好きになれるし、考えさせられる作品だなあと思う
      恵理子が帰ってきてから、家族はずっと8日目の蝉状態(自分達を不幸だと思っている)だったんだけど、そこから逃げて逃げて、変わらないままだった
      恵理子の、子供にきれいなものを見せてあげたいというプリミティブな、本能的な感情が家族をこれから変えていくきっかけになったことが、なんとも象徴的だ
      作中では家族と喧嘩したままだけど、きっと明るい未来が待ってるんだろうなと思うと、後味もいいお話だった
      >> 続きを読む

      2016/04/07 by

      八日目の蝉」のレビュー

    • 同じく映画を観て散々泣きました。

      原作も面白そうですね。読んでみます。

      ◆八日目の蝉
      http://www.eiga-log.com/m/agpzfmVpZ2EtbG9ncgsLEgNBTW8YiqECDA/
      >> 続きを読む

      2016/04/08 by ice

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      中央公論新社 (2007/02)

      著者: 角田光代

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      • 評価: 5.0

        先日テレビで映画版を見た。永作博美が秀逸だった。原作の記憶がなくて手にとったらどうやらうっかり読みそびれていたことが発覚。角田ファン失格(笑)。深夜0時から読み始め、明け方4時半まで一気に読んでしまった。噂には聞いていたが、圧巻。

        映画と原作を比較することはナンセンスでもあるけど、映画に感動した人は、ぜひ、恵里菜の母親や妹や恵里菜自身の内面が描かれた原作の方も読んで欲しいな思った。

        また、私自身は、映像や音楽や俳優の声で物語を与えられるより、活字だけの世界で縦横無尽に自分で想像するほうが、圧倒的に好きなんだろうなと実感もした。

        角田さんは、「紙の月」でも犯罪を扱っているが、どちらも罪を犯す人物の方に読み手が気持ちを吸い寄せられる、そのベクトルみたいなものが私は好きだ。

        >> 続きを読む

        2016/03/06 by

        八日目の蝉」のレビュー

      • 映画には泣かされたので、原作も読んでみたいと思っていましたが、レビューを拝見して、読まなきゃ!に変わりました♪ >> 続きを読む

        2016/03/07 by ice

      • iceさん  NHKドラマ版もあったようですね、こちらも見てみたいものですが。

        2016/03/08 by umizaras


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