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八日目の蝉

4.0 4.0 (レビュー15件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 620 円

逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか...。東京から名古屋へ、女たちにかくまわれながら、小豆島へ。偽りの母子の先が見えない逃亡生活、そしてその後のふたりに光はきざすのか。心ゆさぶるラストまで息もつがせぬ傑作長編。第二回中央公論文芸賞受賞作。

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    「八日目の蝉」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 4.0

      角田光代さんの作品を読むのはこれが3冊目となる。
      心の揺らめき、歪み、そんなちょっとした何気ない、自分には気にも止めないような心の微動。風景の騒めきを角田さんは丁寧に紡ぎ出す。
      誘拐犯として罪を背負いながら薫を愛し、逃げて逃げて、1分でも長く薫と共に過ごしたいという希和子の母性。
      人は幸せを追い求める命だと言うことを希和子の母性から滲み出て感じる。
      人それぞれが求める幸せのカタチ。
      登場人物それぞれの幸せを求めるカタチが歪な形を帯びて絡み合う。
      身勝手だったり欺瞞に満ちていたり。
      なのにそれぞれが加害者で被害者であるのがこの小説の面白いところだ。
      時に傷つけ傷つけられ、儚い幸せの瞬間瞬間に悲哀の念を感じる。
      綴られる風景と時間。登場人物の心の反芻。衝動に人間の血液の様な温かみを感じる。
      >> 続きを読む

      2020/01/06 by

      八日目の蝉」のレビュー

    • 評価: 4.0

      子を生むこと、育てることは、きっと何よりも幸福なことなのだろうと思った。
      子どもと離れ、各地を転々としながら孤独に生きてきた主人公が、自分の中に微かに残る生きる意欲に気付き「まだ生きていけるかもしれない。いや、まだ生きるしかないんだろう。」と考える場面が好き。

      2019/10/31 by

      八日目の蝉」のレビュー

    • 映画を観て泣きました。

      永作博美さんはアイドル時代のイメージが強かったですが、とても演技力の有る素敵な女優さんですね。 >> 続きを読む

      2019/11/01 by ice

    • 映画、是非見てみようと思います。
      映画を先に見てしまうと、想像をする楽しさが減ってしまいそうなので、まだ見ていなくて良かった。
      せっかくなので、もう一度読んでから見ます!
      >> 続きを読む

      2019/11/02 by ma733

    • 評価: 4.0

      不倫相手の子供を誘拐した希和子。
      子供に薫と名付け各地を生き抜いていくが、新聞や雑誌によって事件の全容は知れ渡っていき、疑似親子の逃亡の旅は終わりが近づく。

      血の繋がっていない関係だが、薫からしたら赤ん坊なので希和子は母親でしかない。
      しかし希和子からしたら、愛情を持つも最終的には親子でないという現実が待っている。

      愛情の方向が違うだけで、じゃあ愛がないかというとそれは違う。
      生活していく過程の中で、詐欺やDVなどの社会性の一面も覗かせている。

      最後に二人は出会うのかどうかのラストだが、そういう見せ方をするのかと関心した。
      過ごした過程に嘘偽りはないのだと。
      >> 続きを読む

      2019/08/05 by

      八日目の蝉」のレビュー

    • 評価: 5.0


      角田光代の「八日目の蟬」をようやく読み終えて、あまりの凄さに驚愕しました。

      愛人の妻が産んだ赤ん坊をさらった女、なんてありふれた物語を描いて比類なき小説に仕上げている手腕に、恐れいりましたね。

      第一章は、さらった子に薫と名付けた希和子の逃避行を描いているのですが、四千万円近い蓄えがあっても、住民票と戸籍、夫の雇用証明書の提出が求められるため、アパートを借りることもかなわず、もろもろあった末、駆け込み寺的コミュニティ「エンジェルホーム」に身を隠すことになってからの顛末が哀切極まるんですね。

      全財産をホームに委託する誓約書にサイン。その後、2年間の潜伏生活を送るも、やがてそこも出ていかざるを得なくなり、着の身着のまま、ホームで仲が良かった女性の実家がある小豆島へ。

      そこで、ようやく心穏やかな生活を手に入れるのですが-----。

      続く第二章は、無事、両親のもとに戻り、今では成人している恵理菜(薫)のアルバイト先に、ホームでお姉さん的存在だった千草が訪れる場面から始まります。

      「あんたを見ると、あの女を思い出す」と呟く情緒不安定な母。
      罪悪感から家族と距離を取り、ほとんど喋らず岩のように動かず酒を飲んでいる父。

      そんな逃げることしか知らないような両親が疎ましい。
      両親が駄目な人間になってしまったのも、世間の容赦ない噂で職を変え、居場所を転々とせざるを得ず、普通の家族のような暮らしが送れなかったことも、全部自分をさらった希和子という女のせいだ。

      頑なな表情の下に、たくさんのどろどろした思いを隠し込むようになってしまった恵理菜が、千草と共に過去を検証し、再生しようともがく姿と心境を描いた第二章もまた、愚かさと悲しみに溢れていながらも、第一章にはなかった希望を最後において、素晴らしい読み心地を約束してくれるんですね。

      エンジェルホームについてのルポを書こうとしている千草の登場によって、第一章ではぼかされていた希和子の詳細が、第二章で明らかにされるという仕掛けが実に見事だと思います。

      その"情報の遅延"という、じらしのテクニックが功を奏し、読み手である私は、希和子に対し、犯罪者に寄せるべきではないほどのシンパシーを高まらせるに至り、それゆえ物語の終わり近くに用意されている、17年前に希和子が捕まった時に放った言葉を恵理菜が思い出すシーンで、思わず目頭が熱くなるほどの哀れを覚えるんですね。

      >> 続きを読む

      2018/08/14 by

      八日目の蝉」のレビュー

    • 評価: 5.0

      爆笑問題の太田光さんが絶賛していた

      2018/07/07 by

      八日目の蝉」のレビュー

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      中央公論新社 (2007/02)

      著者: 角田光代

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      • 評価: 5.0

        先日テレビで映画版を見た。永作博美が秀逸だった。原作の記憶がなくて手にとったらどうやらうっかり読みそびれていたことが発覚。角田ファン失格(笑)。深夜0時から読み始め、明け方4時半まで一気に読んでしまった。噂には聞いていたが、圧巻。

        映画と原作を比較することはナンセンスでもあるけど、映画に感動した人は、ぜひ、恵里菜の母親や妹や恵里菜自身の内面が描かれた原作の方も読んで欲しいな思った。

        また、私自身は、映像や音楽や俳優の声で物語を与えられるより、活字だけの世界で縦横無尽に自分で想像するほうが、圧倒的に好きなんだろうなと実感もした。

        角田さんは、「紙の月」でも犯罪を扱っているが、どちらも罪を犯す人物の方に読み手が気持ちを吸い寄せられる、そのベクトルみたいなものが私は好きだ。

        >> 続きを読む

        2016/03/06 by

        八日目の蝉」のレビュー

      • 映画には泣かされたので、原作も読んでみたいと思っていましたが、レビューを拝見して、読まなきゃ!に変わりました♪ >> 続きを読む

        2016/03/07 by ice

      • iceさん  NHKドラマ版もあったようですね、こちらも見てみたいものですが。

        2016/03/08 by umizaras


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