こんにちはゲストさん(ログインはこちら) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト →会員登録(無料)

スターリン暗殺計画

完全版
4.0 4.0 (レビュー1件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 877 円
いいね!

    「スターリン暗殺計画」 の読書レビュー (最新順)

    最新のレビュー順 | 人気のレビュー順
    すべてのレビューとコメントを開く
    • 評価: 4.0


      「事実は小説より奇なり」という諺は、事実は概して平凡で、つまらないものだという常識を前提としている。

      もし本当に、事実が小説よりも面白ければ、誰もエンターテインメント小説など読まないだろう。
      ただ、リアリティとアクチュアリティという点では、小説は事実にかなわない。

      そこで事実をベースにして、いわゆる虚実皮膜の間に物語を仕掛ける"半実録もの"とでも言うべき作品が増えてきているように思う。
      ジャンルとして、よく言われるようになった「IF小説」というものだ。

      日本で、このIF小説に先鞭をつけたのは、第32回日本推理作家協会賞を受賞した檜山良昭の「スターリン暗殺計画」だと思う。

      そして、檜山良昭は、この「スターリン暗殺計画」で華々しくデビューした後、「日本本土決戦」「アメリカ本土決戦」「ソ連本土決戦」などの"IFシリーズ"で、独自の作風を打ち出し、この分野の第一人者になっていると思う。

      昭和13年6月、ソ連のリュシコフ大将が越境して「満州国」に亡命したと、日本陸軍報道部が発表した。
      この事件は、当時の新聞に大きく取り上げられたが、リュシコフのその後の消息については、何の記録も残されていない。

      そこで「私」(作者)は、当時の朝鮮軍司令部情報課長をはじめ、現存する関係者を訪ね歩いてインタビューを行ない、亡命事件の背後に隠された「スターリン暗殺計画」の全貌を明らかにするのだった-------。

      この作品は、文献と証言だけで構成されており、小説というよりドキュメンタリーのような印象を受ける。
      しかし、それは檜山良昭の小説的な工夫であって、リュシコフの死は、実は戦後まもなく確認されていたのだ。

      小説を面白くするために、史実を曲げても良いのかどうかは意見の分かれるところだろうが、ともかく、この作品のおかげで「事実は小説より奇なり」という諺は、単なる反語にすぎないことが実証されたのだ。

      >> 続きを読む

      2019/05/23 by

      スターリン暗殺計画」のレビュー


    最近この本を本棚に追加した会員

    この本に関連したオススメの本

    取得中です。しばらくお待ちください。

    スターリンアンサツケイカク
    すたーりんあんさつけいかく

    スターリン暗殺計画 - 完全版 | 読書ログ

    会員登録(無料)

    今月の課題図書
    読書ログってこんなサービス
    映画ログはこちら
    読書ログさんの本棚

    レビューのある本

    最近チェックした本