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地球の長い午後 (ハヤカワ文庫 SF 224)

3.2 3.2 (レビュー2件)
著者: ブライアン W.オールディス
カテゴリー: 小説、物語
定価: 798 円
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    「地球の長い午後 (ハヤカワ文庫 SF 224)」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 4.0

      本作との出会いは、新聞のSF作品を紹介するコラムでした。商売柄、植物に触れる機会が多く、その賢さや頑強さ、ユニークさに驚かされたりワクワクしたりしながら日々を送っているので、「植物に支配された世界」という紹介文に惹かれました。


      舞台は、自転を止め、太陽が片側だけを照らす地球。
      昼の側では一本のベンガルボダイジュが陸地を覆い尽くし、その巨大な幹や葉に抱かれるように、動物のように自ら動き、他者を喰らうように進化した無数の植物たちが激しい生存競争を繰り広げている。
      一方で、動物たちは強すぎる太陽の熱に適応できず、はるか昔にそのほとんどが滅んでいた。かつて地球上を支配していた人類もまた、退化の道をたどり、葉陰に隠れるようにして細々と生き延びていた。

      そんな人類の少年グレンは抜きん出た聡明さや好奇心から、グループの方針に反抗心を抱くこともあり、仲間内ではきかん坊の異端児だった。ただ、まだ幼く未熟でもある彼は、ある事をきっかけにグループから離れて、植物の支配する緑色の世界へ旅立つことになる。

      昼と夜の境―――永遠の夕闇の世界で、グレンは世界が向かう先を知る。
      そうして、彼が選ぶ道とは――――。


      本作を読んで一番感心したことは、著者が植物についての知識がとても豊富で、その特性をよく観察していることでした。
      空中で漂いながら最適な繁殖期を待つ植物、動物を捕食する植物、適した環境を求めて自ら移動する植物、動物や虫に栄養を集めさせる植物、そして闇の中で生きる植物―――。
      作中で登場するさまざまに進化した植物たちは、所詮植物なので思考することはなく、条件反射的に近くに来た獲物を捕食するため、ライオンやクマや他の猛獣よりよほど危険で、人類にとってとてつもない脅威に映ります。しかし、突拍子もないようでいて、現実に私たちの周りにある植物が持っている性質でもあるのです。

      そんな読み方で楽しんだのは私くらいかもしれませんが、「そうそう!植物って面白いんだよっ」と、とてもうれしくなりました。

      1961年の作品とのことなので、その当時にそういった植物の生態がすでに一般的に知られていたのかは不明ですが、もしまだ一般的でなかったのなら、著者の観察眼のなせる技なのか、想像力のなせる技なのか・・・そのあたりも興味深いところです。

      もう一つ、グレンの成長も読んでいて楽しかったです。序盤では、生意気で無鉄砲で、怖いもの知らずで―――まさに「ガキ」という感じだったのですが、物語が進むにつれて悩み、思考し、そしてクライマックスの頼もしさと言ったら!


      巨匠だというのに、恥ずかしながら本作で名前を知った著者ですが、ほかの作品も読んでみたいと思えるものでした。

      最後に、タイトル・・・
      原題は『Hothouse』(温室)だそうですが、邦題(アメリカ版の直訳)の方が断然世界観を表している気がしました。植物の名前しかり、訳者にも感服させられた作品でした。

      >> 続きを読む

      2015/10/22 by

      地球の長い午後 (ハヤカワ文庫 SF 224)」のレビュー

    • この本もずっと積読に入れていてまだ読んでなかった~。評判いいSFですよね。
      〉「そうそう!植物って面白いんだよっ」と、とてもうれしくなりました。
      読書の楽しさが伝わってきますね。興味がぐんとアップしちゃいました。
      成長物語は基本的に大好きなので、その部分もマルですね。
      これ私も絶対に読みます!
      >> 続きを読む

      2015/10/23 by 月うさぎ

    • 素敵なレビュー。
      そうか、そんなに植物の描写がリアルなものだったんですね。
      ぶっちょさんのレビューを踏まえてもう一度読み直したくなりました。 >> 続きを読む

      2015/11/15 by ∵どた∵

    • 評価: 3.0

      奇妙な進化を遂げた植物が地球を支配する世界。
      文明を失い退化した人間は、植物たちの捕食対象となり過酷で原始的な生活を送っていた。
      そんな環境の中、一人の少年がひょんなきっかけで知識を得、世界をめぐることになる。
      そこで見た終末へと向かう世界。
      彼が求め、見つけた居場所とは。

      完全なるジャケ買いです。
      陰影のくっきりとした幻想的なイラストに弱いのです。^^*

      前半は「こんなアイデアなんですー」というアイデアを見せられている感覚。
      正直、読み出しは面白いと感じられませんでした。
      ただ、その世界観が飲み込めてくると、その世界は美しく厳しく壮大で
      読む時間が楽しみに。
      後半、物語が動き出してからは最後まで一気読みでした。
      特に結末、好きです。
      読んだ後、その世界観から頭が抜けきらずぼーーっとした感覚になりました。

      この世界観。
      すばらしいです。
      >> 続きを読む

      2014/01/06 by

      地球の長い午後 (ハヤカワ文庫 SF 224)」のレビュー

    • >完全なるジャケ買いです。

      たしかに惹きつけられる表紙です!!

      2014/01/06 by ただひこ

    • ▼ちあきさん
      >植物となるとまた別の恐怖とかありそうですね
      植物が動物的な進化をした…という世界だったですが、機械とかエイリアンとかよりも貪欲な感じがして喰う方も喰われる方も鬼気迫る…!!といった感じでした。

      ▼iceさん
      あはは!ほぼ正解です。笑

      ▼makotoさん
      しかも人間を操る植物なんてのも現れます。
      共食いとかも始めたりして…うへ~

      ▼ただひこさん
      わかってくれる方がいてうれしい!
      富安健一郎さんという方のイラストでした。
      サイトみたら壮大なイラストでしたよ~!
      http://ineistudio.com/
      >> 続きを読む

      2014/01/22 by ∵どた∵


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