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ソラリスの陽のもとに (ハヤカワ文庫 SF 237)

3.7 3.7 (レビュー2件)
著者: スタニスワフ・レム
カテゴリー: その他のスラヴ文学
定価: 861 円
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    「ソラリスの陽のもとに (ハヤカワ文庫 SF 237)」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 4.0

      【薔薇と真珠の海】
       もしも、二度と会えない人、二度と会わないと決めた人が、あなたの心の奥底に眠っていた人が、あなたの目の前に現れたらどうしますか?

       本作は、スタニスワフ・レム作のSFの古典的名作です。
       それは、時に、難解、哲学的と評されることもある作品ですが、決して読みにくい作品ではありません。

       惑星ソラリス。
       その地表の大部分は「海」に覆われていました。
       「海」と言っても、地球の海のように青い海ではなく、赤く、時に薔薇色や真珠色に輝く不思議な「海」でした。

       ソラリスの研究が進むに連れて、その「海」は液体ではなく、粘着性のあるゼリーの様な物質からできていることが分かります。
       さらに研究が進んで、その「海」は生物であり、知性を備えているという考え方が主流になってきます。
       そう。まるで惑星ソラリスを覆い尽くす脳のようなものだと。

       ソラリスの「海」の上空400メートルの地点には、人類のソラリスを観測するためのステーションが浮遊していました。
       ステーションには現在3人の科学者がおり、日々ソラリスの観測、研究を続けていました。
       そこへ地球から4人目の科学者であるケルビンがやって来たのです。

       ケルビンがステーションに到着してみると、一目で何か異変があったことに気付きます。
       本来なら忙しく働いているはずのロボットの姿は見えず、資材も乱雑に散らかされたままになっています。
       スナウト教授を見つけたので事情を聞いたのですが、酔っているのかまともに答えてはくれません。
       そして、ケルビンと知己のギバリャン教授は、今朝方亡くなったと言うのです。
       何故?
       詳しい説明は一切拒まれてしまいます。

       一体何が起きているんだ?
       その後、ケルビンは、ステーション内にいるはずのない黒人女性とすれ違います。
       一体誰なんだ?

       そして、ケルビンのもとにも、一人の女性が訪れます。
       それは、かつてケルビンが愛した女性でしたが、ケルビンがひどい仕打ちをしたため、自殺してしまった女性なのでした。
       君は……一体誰なんだ?

       その後、スナウト教授から、「君のところにもお客が来たかい?」と尋ねられます。
       どうやら、スナウト教授のところにも、もう一人のサルトリウス教授のところにも「お客」が来ているようなのです。
       「どうして説明してくれなかったんだ!」と迫るケルビンに対して、「そんなこと話したって、自分の目で見るまで信じやしなかっただろう!」と言い返すスナウト。
       これは間違いなく「海」がやっていることと思われますが、一体何のために?

       レムは、この作品を書いた意図について、大要以下のように説明しています。
       それは、人類と異星人とのコンタクトを描いたSFは沢山書かれているが、概ね3つのスタイルに集約されるように思われる。
       その3つとは、①人類と異星人が共生する、共生はできず戦いになり②人類が勝利する、③異星人が勝利する。
       しかし、必ずしもその3つのパターンになるとは思われない。
       人類と異星人が互いに共通の理解が可能であればそうかもしれないが、お互いの思惑、思考、意図が全く食い違っていたとしたら果たしてそうなるだろうか?
       その場合には、3つのパターンでは描けないコンタクトだってあるのだ、と。

       本作は、1961年に書かれた古い作品ですが、今でこそそれほど目新しいテーマではないものの、当時としては画期的な作品だったことが推察されます。
       もちろん、登場するギミックは古びてはいますが、でも、作品のコアなところは、今でも古くさくもないし、陳腐でもないと思いますよ。
      >> 続きを読む

      2019/07/30 by

      ソラリスの陽のもとに (ハヤカワ文庫 SF 237)」のレビュー

    • 評価: 4.0

       ポーランドの巨匠が描くファースト・コンタクトSFの名作。

       あらすじ
       惑星ソラリスの海は、それ自体が知性を持った巨大な生命体だった。初めて地球外生命に遭遇した人類は様々な形で接触を試みる。しかし、ソラリスの海の持つ知性は人類のそれとは余りにもかけ離れていたため、コミュニケーションは困難を極めた。人類と「思考する海」の不可思議なファースト・コンタクト。


       未知との遭遇ーーお話としてはこれだけ。しかし、とにかく深いです。自分の哲学や主張を物語に練りこみ、「言わずに語る」ことが文学性ではないかなと常々思っているのですが、その意味で本作は非常に文学しています。

       物語は主人公がソラリスの研究所に赴任してくるところから始まります。しかし、迎えが誰もいない。散乱したゴミ。やっと出会った研究員は何かに怯え、会話がいまいち噛み合わない。そして、いるはずのない、研究員ではない人間が廊下を歩いている……。
       導入部は非常に不気味です。なんだかB級ホラーにありそうなシチュエーションです。人気の無い研究所、寂れた遊園地、町外れの館には近づくべからずですね。

       さてさて、「理解できないものが存在していることを理解する」というのが本作のテーマの一つかと思います。しかし、理解できないことには人間なかなか納得がいかんのです。そして、生まれるのが「嫌悪」です。なんとなく漂うホラーな雰囲気は、恐らくそこからきているのではないかと思います。

       邦題ですが、「陽のもとに」の追加は個人的には好きです。地球とは違う日の出と日の入りの描写がかなり印象に残っています。ロマンチック感といいますか、良い話感が醸し出されているのは、あまり作品に合っていませんが、それはそれでサプライズでしょう。
       あ、新訳版は普通に「ソラリス」でした。ダメがだされたのかな笑

       驚くべきは、本作の発表が1961年ということです。異星人とドンパチやったり、ヨロシクやったりする映画はまだまだヒットを飛ばしているのに、半世紀前にそこに疑問を投げた作品をこの完成度で書くとは恐ろしい……理解できません。

       つい最近、古いSFにはワインと同じワクワクがある、という話をしたら、ものすごく引かれました。オーウェル『1984年』(1949)、クラーク『幼年期の終わり』(1953)、レム『ソラリスの陽のもとに』(1961)……ワクワクしませんか?
      >> 続きを読む

      2015/06/09 by

      ソラリスの陽のもとに (ハヤカワ文庫 SF 237)」のレビュー

    • >素頓卿さん
      理解していただけて嬉しいです! 
      もう「一体何を言ってるんですか?」状態だったので。

      >この本自体が理解できないものの存在をうまく証明している
      なるほど! たしかに! 
      ホラーっぽい話かと思うと、違う。実はラブストーリーかと思うと、これまた違う。最後は投げっ放されたように終わる……。私自身が、なんらかの枠にはめて作品を読んでいたからこそ、生まれた違和感だったのかもしれません。読んでみて、そう言う感覚を持たせることが狙いなのでしょうか。う〜ん。
      >> 続きを読む

      2015/06/10 by あさ・くら

    • はい!あ、そうなんですね。前知識とかなく購入したので。
      そうなんですね!良かった!お墨付き頂けました(^^♪。
      そうなんですね。ふたつとも検索してきました!「南極点のぴあぴあ動画」は面白そうです!初音ミクなんですね。驚きです\(◎o◎)/!

      そうなんですね!自分もドハマりしました!最近ご覧になったのですね。
      おおー!時間SFと言うのも有るんですね!タイムリープ、タイムマシン、タイムパラドックスとかもう胸熱、激熱です(`・ω・´)ゞ
      >> 続きを読む

      2015/06/11 by 澄美空


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