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世界の中心で愛を叫んだけもの

3.5 3.5 (レビュー3件)
著者: ハーラン・エリスン
カテゴリー: 小説、物語
定価: 987 円
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    「世界の中心で愛を叫んだけもの」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 4.0

      全15篇の短編を収めた一冊です。

      全編を読み終えて感じたのは、愛への飢餓でした。
      心のどこかで愛されることを求めつつも、建設的に愛することはしない。
      そんな人々が構成する世界では、その欲求は満たされない。
      ・・・といった印象です。

      暴力、薬物、無法状態、ディストピア、諦め、そんなエッセンスが散りばめられた、半ば退廃的な空気の漂う世界観で、多くの主人公は感情に任せて本能的に行動します。読み手としては、やけっぱちな主人公の感情には共感しつつも、その行動選択には同意しかねるな、と思いながら読み進めました。サリンジャーの「ライ麦畑で捕まえて」を読んだときの感覚に少し似ているでしょうか。でも、ホールデンよりは成熟した、もっと擦れた主人公たちですが。

      暴力的に、突然に、無慈悲に物語が展開していくスタイルは、ワルツさんの書評にもあるように、私も舞城王太郎氏の作品を思い出しました。ただ、そこにあるのが単に冷笑的な態度でなく、愛を求めているのにそれが叶わない、故に仕方なくこうなってしまう、という悲哀のようなものをどことなく感じさせる点で、スタイルは似ていても内容的に異なるという印象をうけました。

      各短編はどれもページ数に見合わないほど重みがあり、読むと疲れます。特に、表題作でもある「世界の中心で愛を叫んだけもの」は難解です。が、この物語だけを3周くらい繰り返し読むと、なんとなく伝わってくるものがあります。それをここに言葉で書き下そうとするのはナンセンスなので、是非一度(いや、三度)読んでほしいですね。
       お気に入りは最後に収録されている「少年と犬」です。”愛って何か知ってる?”という問いかけが、最後に心の中に残ります。また、全部を読み終えた後に、再度まえがきを読むことをおすすめします。(このまえがきは、最初に読んでも何を言っているのか本文もわからないので。)
      >> 続きを読む

      2017/08/12 by

      世界の中心で愛を叫んだけもの」のレビュー

    • 評価: 4.0

      タイトルだけは知っている、という人も多そうですが、私もその一人でした。積年の課題図書、偶然図書館で見かけたので連れて帰りました。
      タイトル以外の予備知識ゼロで読みましたが、舞城王太郎とか、佐藤友哉とか、戸梶圭太とか、あのあたりを連想しました。でも現代社会のテロリズムではなくて、WWや冷戦を下敷きにしたテロリズムなので、ちょっとタイプが違いそうではありますが。エリスンは世界の終りがリアルだった時代の人。舞城たちはリアルの足場が崩れていくのを感じている時代の人、というイメージです。やっぱりちょっと違う

      ていうか、短編集だったんですね。てっきり長編かと。収録されているのは以下。

      ・まえがき
      ・世界の中心で愛を叫んだけもの
      ・101号線の決闘
      ・不死鳥
      ・眠れ、安らかに
      ・サンタ・クロース対スパイダー
      ・鋭いナイフで
      ・ピトル・ポーウォブ課
      ・名前のない土地
      ・雪よりも白く
      ・星ぼしへの脱出
      ・聞いていますか?
      ・満員御礼
      ・殺戮すべき多くの世界
      ・ガラスの小鬼が砕けるように
      ・少年と犬

      訳は浅倉久志と伊藤典夫、解説は伊藤典夫です。この安心感。

      正直に言いますが、表題作の『世界の中心で愛をさけんだけもの』、よくわからなかったです。だいたいとりあえず最後まで読めば自分なりに咀嚼はできるんですが、正直ほんと、全然わからなかったです。二回読みました。でもやっぱりよくわからなかった。狂気が世界に広がって云々、というのはなんとなくわかりましたが…あの排出法ってやつは、狂気を秘めた人間から狂気を取り除くものなんですか?その狂気は本来タンクに詰められるものだけど、故意に流出させた?タンクに詰めた狂気は、他の世界(たとえば古代ローマ)に流出していた?…という理解で、合っているのでしょうか。うーん。


      『少年と犬』『星ぼしへの脱出』はわかりやすくて、かつ面白かったです。この二つが甲乙つけがたく、一番好きです。しかし『眠れ、安らかに』といい、エリスンは平穏を、停滞や緩やかな衰退と思っていたのかなと感じました。物理的な力というのは、結局一番強いし、てっとり早い。あながち間違いでもないですが、アメリカンな思想ですね。
      『サンタ・クロース対スパイダー』のB級アクション映画っぽさも好きだ。『殺戮すべき多くの世界』はちょっと毛色が違うように感じましたが、いいですね。
      エリスンは何らかの形で必ず暴力を描くけど、「世界中のみんなを愛してる」んだろうなぁ、というのは感じました。

      ところで解説に載っていたエリスンの経歴がめっちゃ面白いんですよ。アシモフに初対面で「なってねえなあ!」と言ったとか、何者だこの人。ほんと、解説すごく面白いんで、ぜひ。
      >> 続きを読む

      2016/11/23 by

      世界の中心で愛を叫んだけもの」のレビュー

    • > 月うさぎさん
      解説良かったですよ!伊藤さんがエリスンに惚れ込んでいるのがよくわかりました(笑)
      でも、表題作は、よくわからないです…。英語圏の人も、ちゃんとわかっているのか非常に疑問に思います。。
      >> 続きを読む

      2016/11/27 by ワルツ

    • > あさ・くらさん
      わからないのが私だけではないようで安心しました…!
      センフが自身を介入させたというのもよくわからなかったんですが、そのためにセンフの叫びがスタログの叫びになったというのは盲点でした。
      「少年と犬」は良かったですよね!
      並び順は、確かに攻めてますね(笑)
      >> 続きを読む

      2016/11/27 by ワルツ

    • 評価: 3.0

       1960年代に書かれたエリスンの短編集。

       長短15編のうち半分以上は恐ろしく難解です。さらにいくつかはもはや理解不能です。ただ、残りの数作は確実に面白いです。その数作だけでも本作を読む価値は十分あります。
       無理なら飛ばしてしまえ、です。でも本作自体を飛ばすのはもったいないと思います。

       エリスン本人がかなりアブナイ人のようですが、暴力をテーマにした作品が多いです。

       ご存知『セカチュー』や、『エヴァンゲリヲン』のサブタイトルで本作のタイトルがオマージュされています。エリスンの他作『おれには口がない、それでもおれは叫ぶ』や『LOVEなんてSEXの綴りがまちがっただけ』なんかもどこかで使われそうですね。

       良かったのは「101号線の決闘」「眠れ、安らかに」「星々への脱出」「聞いていますか?」「殺戮すべき多くの世界」「ガラスの小鬼が砕けるように」「少年と犬」です。特に「少年と犬」は荒廃した地球の世界観といい、少年と犬のキャラクターといい、良い雰囲気があります。暴力を描くことで「愛」を際立たせ、その本質を問う、というテーマが見えます。

       始めにくる表題作を読んで、いや読み切れなかった場合は上記あたりを参考にしてください。
      >> 続きを読む

      2014/10/26 by

      世界の中心で愛を叫んだけもの」のレビュー

    • 「世界の中心で愛を叫んだけもの」と聞くとどうしても一時期流行った「世界の中心で愛を叫ぶ」を連想しちゃうのですが、こちらの作品を意識したタイトルだったんでしょうか。 >> 続きを読む

      2014/10/27 by sunflower

    • >本作のタイトルがオマージュされています。
      そうそう。この作品がモトですよね。「ケモノ」~?って思いました。
      しかし、1960年代だったとは。そんなに以前の作品だったのですね。
      短篇集だったことも初めて知りました。
      「○○は××をめざす」とか「○○は××の夢をみるか」とか「○○で必要なことは全部××で教わった」とか「○○に最適な日」とか、タイトルのオマージュ。というよりもアレンジまたは単なる剽窃本っていっぱいありますよね。
      (だって中身は何も関係ないケースが多いんですもの)
      その元の本を読んでみるというきっかけになる。ということなら、ある意味面白いかもしれませんね。
      ううむ。難解なんですかぁ…。
      >> 続きを読む

      2014/10/27 by 月うさぎ

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