こんにちはゲストさん(ログインはこちら) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト →会員登録(無料)

大暴風〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

4.0 4.0 (レビュー1件)
著者: ジョン バーンズ
いいね!

    「大暴風〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)」 の読書レビュー (最新順)

    最新のレビュー順 | 人気のレビュー順
    すべてのレビューとコメントを開く
    • 評価: 4.0


      ジョン・バーンズの「大暴風」(ハヤカワ文庫SF上・下巻)の「北極海を貫いたミサイルが邪悪な嵐を呼びよせた------!/2028年の地球を襲う巨大ハリケーンの恐怖!」(上巻)、そして「神の領域に達したハリケーン、人類生存の鍵は宇宙にある?/未曾有の災厄に立ち向かう人類の壮絶な闘い!」(下巻)という、実にワクワクするような惹句に魅かれて、このSF小説を読み始めました。

      そして、読み終えて思うのは、この惹句以上に、中身の濃い作品になっており、「大暴風」のタイトルもおとなしく思える程の迫力満点の作品になっていたということでした。

      我が日本のSF小説界のカリスマ、小松左京の「日本沈没」やチャールズ・エリック・メインの「海が消えた時」などを代表として、天変地異をシミュレートして極限状況に陥った人々を描くのは、SF小説のお家芸とも言えるもので、核戦争物も含め、かつては"破滅SF"と称されていたものでした。

      この「大暴風」は、そうした伝統を継承する出色の"地球壊滅パニックSF小説"になっていると思います。

      この物語の時代は2028年、シベリアに成立した独裁国家の基地へ、制裁処置として国連軍が撃ち込んだ一発のミサイルが、すべての引き金になるのです。

      北極海を貫いたそのミサイルが、氷と海に閉じ込められていた大量のメタンガスを解き放ち、気温と海水温を上昇させ、その結果、海面の水位が上昇して世界の都市が水没するばかりか、巨大なハリケーンが発生してしまうのです。

      そのハリケーンによる、春先から秋までに起きる世界中の大惨事を、様々な人物を絡ませた複数の視点で描くベストセラーの方法論の定石に加え、科学的なデータをたっぷりと盛り込んで、リアリスティックに描いていくのです。

      SFとしてのこの作品の魅力は、背景となる近未来の世界がきっちりと設定されている点だと思います。

      アメリカに戦術核が落とされていたり、国連が世界の主導権を握っていたりと、現在とは国家の勢力分布が変わった未来に、ヴァーチャル・リアリティ・ネットワークによって変貌したメディア社会のビジョンや、ハイテクのガジェットやら、"サイバーパンク"の遺産をしっかり生かしたアイディアを散りばめたうえ、物語の舞台を太陽系にまで広げたスケール感が、SF小説好きの私の興味を倍増させるのです。


      >> 続きを読む

      2018/02/06 by

      大暴風〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)」のレビュー


    最近この本を本棚に追加した会員

    この本に関連したオススメの本

    取得中です。しばらくお待ちください。

    大暴風〈上〉 (ハヤカワ文庫SF) | 読書ログ

    会員登録(無料)

    今月の課題図書
    読書ログってこんなサービス
    映画ログはこちら
    読書ログさんの本棚

    レビューのある本

    最近チェックした本