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火星の人 (ハヤカワ文庫SF)

4.5 4.5 (レビュー11件)
著者: アンディ・ウィアー
定価: 1,296 円
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第12回 本屋大賞 / 翻訳小説部門3位
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    「火星の人 (ハヤカワ文庫SF)」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 5.0

      【極限状態からの明るい脱出】
       NASAの火星有人探査ミッション、アレス3は大きな厄災に見舞われました。
       火星滞在6日目にして壊滅的な砂嵐に襲われたため、やむなくミッションを中止し、MAV(火星上昇機)に乗船して、軌道上で待機している宇宙船ヘルメスに移乗し、地球へ帰還することになりました。

       ところが、6人のクルーがMAVに向かう途中、猛烈な砂嵐に遭い、クルーの一人、マーク・ワトニーが吹き飛ばされてしまったのです。
       他のクルーは必死にマークを捜索しますが、砂嵐のため視界は利かず、また、MAVも倒れ始めたのです。
       ぐずぐずしていると他の5人も火星から離脱できなくなってしまいます。
       バイオ・モニターの数値からすれば、残念ながらマークの生存は絶望的と思われます。

       苦渋の決断を迫られた船長は、マークの捜索を断念し、急いでMAVに乗り込み、辛くも火星から離脱しました。
       見捨ててしまった……との深い自責の念を抱きつつ。

       状況や、得られたデータからすればマークは死亡したとしか考えられず、NASAもマークの死亡を発表しました。
       ……ところが! マークは生きていたのです。
       砂嵐で吹き飛ばされてきたアンテナが身体に突き刺さり気を失ったものの、流血した血液で宇宙服の穴がふさがり、マークは九死に一生を得たのでした。
       意識を取り戻したマークは、何とか火星に設営された居住区に戻り、応急手当を施しました。

       でも……地球と交信できる設備は砂嵐によって破壊され、残された食料は300日分。
       水と酸素は製造(あるいは循環)できるものの、装置が故障すればそこまでです。
       仮に何とか300日生き延びたとしても、そもそもどうやって地球に帰還できるというのでしょう。
       そんな短期間に救出ロケットを火星に向かわせることなど不可能です。

       普通なら絶望の余り自殺を選んでしまうかも知れません(医療キットの中には十分な致死量のモルヒネが残されていました)。
       しかし、マークは諦めませんでした。
       まずは、食料の生産からだ!
       地球から実験用に持ってきたわずかな土に、火星の土を混ぜ、さらに自分の排泄物も混ぜて土壌を育成し、そこにこれも地球から持ってきたジャガイモを植えてジャガイモ栽培を始めたので(マークは植物学者です)。

       その他、本当に様々な工夫と大変な努力を重ねて、火星での前人未踏のサバイバルを始めたのです。

       地球側も、一度は死んだと考えていたマークがまだ生存していることに気が付きました。
       何としてでもマークを救出する!
       NASAは、総力を挙げてマーク救出ミッションに乗り出します。
       まずは、何とか通信を確立しなければ。
       でも、一体どうやって?

       本書は、どんな困難に遭遇しても決して諦めず、いつも前向きで、しかもいつも明るいマークのサバイバルと、彼を何としてでも救出しようとする地球の(そして、今、火星を離脱して地球に向かいつつあるマークの同僚の5人のクルー達の)執念の救出劇を描いた作品です。

       いやぁ、文句なしに面白い!
       物語の多くは、マークが、もしかしたらいつか誰かに読んでもらう機会があるかもしれないと考えて残した記録の形をとり、そこから始まって地球側の様子なども織り込みつつ進んでいきます。
       普通なら絶望のどん底に陥っても全く不思議ではないのに、マークはとことん明るく振る舞います。

       かろうじて確立した地球との交信の中でも、貴重な数語だというのに
      地球側: 発言には気をつけて欲しい。きみが打ち込んだ内容は全世界に生中継されている。
      マーク: 見てみて! おっぱい!-->(.Y.)
       とか打ち込む馬鹿野郎です(笑)。

       いや、また翻訳が素晴らしい。
       こんな明るいキャラのマークが残している記録の言葉遣いを本当にうまいこと訳してくれています。
       そして、最後には感動のラストを迎えますよ。

       本作は、映画『オデッセイ』の原作となった作品です。
       非常に面白く、また楽しい原作です。
       これもストロング・リコメンド!
      >> 続きを読む

      2019/06/26 by

      火星の人 (ハヤカワ文庫SF)」のレビュー

    • この人もある意味偏人さん。でも魅力的で愉しそうです!!(●´ω`●)

      2019/06/26 by 月岩水

    • 評価: 評価なし

       ハードSFでありながら、サバイバルものであり、命の物語であり、ヒューマンドラマであり、ユーモア小説でもある、という色々な要素を含んだ怒涛の580ページ!

       火星探索隊の3番目、アレス3は、2か月滞在の予定が予想外の出来事により6日間で断念。
       
       6人のクルーが火星から引き上げる時、最後の一人だったマーク・ワトニーにパラボラアンテナの一部が激突。ワトニーは吹き飛ばされてしまう。
      船長のルイスは断腸の思いで残り5人を探査機、ヘルメスに戻す。

       しかし、ワトニーは生きていた。火星に一人、取り残されるワトニー。宇宙服が高性能でパラボラアンテナが激突しても、人体に影響は少なかったから。
      ワトニーは、植物学者でエンジニア。ありとあらゆる知恵、気力、体力、時の運でもってワトニーは火星で一人生き延びる道を選ぶ。

       ワトニーは死んだもの、と思い込んでいた地球のNASA、ヘルメスの他のクルーはワトニーが通信機を復活させて、「ハロー」と交信してからが大騒ぎ。生きていたワトニー。

       一番この長い物語をひっぱることができた要素は、まず第一にワトニーのユーモア感覚。
      火星宇宙飛行士に選ばれる位だから、メンタル、身体、人一倍優れているにしても、なんといっても何があってもいつでも死に直面していても、それをユーモアで笑い飛ばす。そのメンタルの強さというか、楽天的性格というか、前向きに前向きに考えて、じわじわと五感をフルに活動させ、困難を切り抜けていくワトニー。

       さて、ワトニーは、ヘルメスのクルーたちは、地球の人々はどうするのでしょう。
      本当にドキドキしながら読みました。

       スペースオペラやSFだと、タイムワープでひとっとび、みたいななか、地球と火星がこんなに離れているのだ、というリアリティ。
      ワトニーが次々と考え出す生き延びるためのアイディア。
      一人の命を救うために、全地球が一丸となる(裏にしっかり大人の事情あり)命の大切さ。

       この物語はすぐに映画化配給権を得て、2016年2月『オデッセイ』というタイトルで公開されました。私はその予告編を見て、これが原作かぁ、と思って何気なく手にとった本でありました。

       この物語の神髄は、「一人の命」をこれだけ必死になって守ろうとするという人間の基本的本能だと思います。
      めげながらも、ユーモアでもって前に進んでいくワトニーに勇気をもらった気がします。
      >> 続きを読む

      2018/06/06 by

      火星の人 (ハヤカワ文庫SF)」のレビュー

    • 評価: 5.0

      昨年(2017)後半、「エイリアン」「ブレードランナー」の新作が公開された関係で、リドリー・スコット監督絡みの映画、小説、展覧会にハマってた。この本もその一環です。
      面白かった。夢中で読んだ。映画「オデッセイ」も持ってたんだけど、読み終えるまでは観なかった。サントラも買おうと思ってる。ディスコ・ミュージック聴いて前向きに暮らすために。

      2018/01/11 by

      火星の人 (ハヤカワ文庫SF)」のレビュー

    • 評価: 4.0

      いつもの様に面白いSFを探して辿り着いた。
      知力体力を駆使して火星で生き延びるサバイバル劇はとっっても面白い。
      主人公が賢く明るくウィットで前向きで楽観的で、適度に下品で、命の危機にもめげずジョークを飛ばす、愛すべきキャラクター、これが本書の最も大きな魅力のひとつ!
      (映画ではそのテイストが薄れている部分が残念。お母さんへの伝言のくだりとか。)

      ただひとつ残念だったのが結末。
      無事帰還できてヨカッタヨカッタネで終わっちゃうのがどうも。
      これはSFに対する偏った自分的拘りかもしれないけど…今回の件、こんなに苦労して、途方も無いお金も使って、宇宙に対して人類の進歩が少しでも前進したのだろうか?と思ってしまう。
      そりゃ、細かくは色々データとか取れて前進しただろうけど、特にそういった記述も無いし、要は無人島でサバイバルして帰還したのの舞台が火星になっただけになっちゃうんだよね、これじゃ。
      酷いこと言ったらお金と設備を消耗した分、人類は後退した。とも言えちゃう。あ、作中で言ってたかも。
      よく帰ってきた!感動をありがとう!バンザーイ!みたいな陳腐さが映画では一層強調されてた気が。
      全世界が彼の帰還を祈るってそんなわきゃないだろ!

      火星に植物が自生する可能性を残してきたとか、それが大気に影響を与えたとか、人体に火星生活に適応するような変化が生じたとか、(他作品の焼き直しですが)なんかそーいう未来に向けた希望が見えない。
      そう、宇宙愛、SF愛が欠けてる気がする。
      その点、惑星を継ぐもの(ジャンプの漫画の方)とか、トータルリコールは良かった!
      ワクワクするような人類の未来への希望を下さい。
      >> 続きを読む

      2016/06/12 by

      火星の人 (ハヤカワ文庫SF)」のレビュー

    • 評価: 5.0

      運悪く火星にたった一人で取り残されたマーク・ワトニーが孤軍奮闘してあらゆる困難を乗り切っていく物語。

      しかも、主人公のマーク・ワトニーはときにはユーモアも交えてどんな困難に直面してもポジティブ!

      もうすぐ日本でも公開される映画版「オデッセイ(THE MARTIAN)」も観てみたくなった。

      2016/02/02 by

      火星の人 (ハヤカワ文庫SF)」のレビュー

    • 映画の宣伝で見ました。原作本も本屋で平積みしていたのをよく目にします。
      この小説にはユーモアもあるんですね。映画も原作も両方とも楽しめそうですね。 >> 続きを読む

      2016/02/03 by 月うさぎ

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