こんにちはゲストさん(ログインはこちら) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト →会員登録(無料)

そして夜は甦る

5.0 5.0 (レビュー2件)
著者:
カテゴリー: 小説、物語
定価: 756 円
いいね!

    「そして夜は甦る」 の読書レビュー (最新順)

    最新のレビュー順 | 人気のレビュー順
    すべてのレビューとコメントを開く
    • 評価: 5.0


      西新宿で開業する私立探偵・沢崎は、海部と名乗る謎の男の訪問を受け、ルポ・ライターの佐伯直樹について聞かれるが、心当たりはなかった。

      依頼料を置いて男が去った後、美術評論家で東神グループの前相談役の更科修蔵から、佐伯の居所を捜して欲しいとの依頼がくる。
      佐伯は、更科の娘婿で、沢崎の連絡先のメモを残したきり、前日から行方不明だというのだ。

      佐伯のマンションに向かった沢崎は、そこで八王子警察署の刑事の死体を発見する。
      失踪前の言動から、佐伯が東神グループと縁の深い新都知事・向坂晨哉を中傷した怪文書事件と、選挙演説中の狙撃事件を調べていたことが判明し、海部と名乗る人物がどうやら事件の鍵を握っているらしいのだ。

      姿を消した二人の男の足取りを追う沢崎の前に、やがて、様々な思惑が絡んだ熾烈な陰謀劇の構図が浮かび上がってくる。

      レイモンド・チャンドラーに限りなきオマージュを捧げた、原尞の「そして夜は甦る」は、正統ハードボイルド・シリーズの第1作目の作品だ。

      主人公の沢崎の造形はもちろん、脇役陣の配置もツボを押さえ、このデビュー作からして、すでに完成した風格を持っていると思う。

      その一方で、当時の冒険小説ブームからは一定の距離を置き、突出した「先祖返り」性を示しながら、レイモンド・チャンドラーの本歌取りに徹したマニアックな著者のスタンスは、先行のハードボイルド小説のフレームをなぞることによって、自己の作品世界を重層的に構築する「新本格」のそれと、同時代的なミステリ観を共有している側面もあると思う。

      この「そして夜は甦る」の特色は、隠された真相を追う主体が、三重に設定され、その解明をバトンタッチしていくメタ化の過程で、事件の構図が変形し、より込み入った謎を生じていくところにあると思う。

      黒幕捜しのフーダニットにトリッキーな逆転を仕掛け、緻密に練り込んだプロットは、ロス・マクドナルドの初期の作品を思わせ、理路整然とした沢崎の謎解きは、本格物の大団円で名探偵が披露する、推理の予定調和的なカタルシスに近いと思う。

      そうした印象を受けるのは、パズラー顔負けの巧妙な伏線と、ハタと膝を打つ、切れのいい推理が物語のツボを押さえているからだと思う。

      >> 続きを読む

      2019/05/16 by

      そして夜は甦る」のレビュー

    • 評価: 5.0

      再読だが、面白さは相変わらず。
      僕の見立てでは原尞は本格ミステリ作家でもある。
      作品において、どんでん返しの要素が極めて強いのだ。

      2018/12/27 by

      そして夜は甦る」のレビュー


    この本に関連したオススメの本

    取得中です。しばらくお待ちください。

    ソシテヨルワヨミガエル
    そしてよるわよみがえる

    そして夜は甦る | 読書ログ

    会員登録(無料)

    今月の課題図書
    読書ログってこんなサービス
    映画ログはこちら
    読書ログさんの本棚

    レビューのある本

    最近チェックした本