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Self-reference engine

3.5 3.5 (レビュー2件)
著者:
カテゴリー: 小説、物語
定価: 714 円
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    「Self-reference engine」 の読書レビュー (最新順)

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    すべてのレビューとコメントを開く
    • 評価: 4.0

      【いや、参りました。読み応え十分の和製ハードSFです。】
       まず、本作の構成からお話しましょう。
       本作には、プロローグとエピローグのほかに、2部構成で合計21編の短編が収録されています。
       それぞれの短編は、かなり独立性が高く、個別の作品として読んでしまうことも可能です。

       ですが、複数の作品に登場するキャラがいたり、全体の世界観が統一されていたりしますので、連作短編と考えた方が良いのかもしれません。
       いや、あるいは全体で一つの小説になっている、長編作品と読むこともできるでしょう。
       ただし、各話は必ずしも時系列に沿って語られているわけでもなさそうですし、全体として強いつながりがあるというわけでもないのです。
       非常に個性的な構成を持った作品と言えるでしょう。
       これがデビュー作だというのだから恐れ入ってしまいます。

       そういう構造の作品なので、非常にレビューがしづらいのです。
       共通して語られる世界は、自ら進化し続ける巨大知性体が存在する世界で、この巨大知性体はとんでもない存在で、平気で過去を改変してしまうのです。
       もはや人間の知力は遠く及ばず、巨大知性体が何を考えているのか、人間にも理解できない状態になっています。
       巨大知性体はいくつもあるようで、相互に熾烈な演算戦を戦っているようでもあります。

       そして、この物語で語られるのは多元宇宙の中の一つの宇宙の出来事なのですが、巨大知性体など遥かに凌ぐ超越知性体などというものも存在するようなのです。
       さらには、次元により構成されているとかいう、もう、そりゃどんな存在なんだ?と絶句してしまいそうな、自称アルファ・ケンタウリ星人なんかも登場してきたりするのです。

       う~ん、本当にレビューに困るのですが、取り合えず、収録されている短編をいくつかさらっとご紹介しましょう。

      〇 Bullet
       僕(リチャード)と幼馴染のジェイムズ、リタの3人が登場する物語。
       この3人は、他の作品でも時々顔を出します。
       リタという女の子がぶっ飛んでいるんですよ。
       彼女、頭の中に弾丸が入っているらしい。
       で、過去から狙撃されるので、リタも過去に向かって拳銃を乱射するのです。
       語り口が楽しいタイム・パラドックスものの作品。

      〇 Box
       これもどう説明して良いのやら……。
       あの~。からくり仕掛けになっている寄せ木細工の箱ってあるじゃないですか。
       一見、どこから開けたら良いのか分からない箱なんだけれど、決まった手順でひっくり返したり倒したりすると開けられるやつ。
       あの巨大なものが家にあって、毎年一回この箱を倒さなければならないんだけれど、一体どっち側に倒せばいいんだ?

      〇 Ground 256
       家中、いや町中、色んな物がにょきにょきと生えてくる世界が描かれます。
       もう、勝手に家具なんかが家の中に生えてきて増殖するため、僕はバールで叩き壊しながら家の中を進むんですよ。
       夕方位までには、母が愛用のチェーン・ソーで片づけてくれるんですけれどね。
       で、町にはかつての美少女トメさんが一人暮らししているんですが、トメさんは高齢なので、生えてくる家具に埋もれちゃって一人ではどうにもできないんです。
       だから、僕たちは、手に手にバールを持って、毎日トメさんを救出しに向かうんです。

      〇 Tome
       何が書かれているのか解読できない『鯰文書』なるものがあるのですが、ある時、これが消失し始めるのです。
       それがどの様な媒体に記録されているものであれ、複製であれ、一定の法則に従って消えて行っているようなのです。
       トメさんが最終講義で『自己消失』について語ります(トメさんは教授だったようですねぇ)。

      〇 Freud
       祖母が亡くなったので、その家を解体しようとしたところ、床下からフロイトが出て来たというお話。
       しかも22体も。
       このフロイト、どうしましょう?

      〇 Contact
       自称アルファ・ケンタウリ星人が突然メッセージを送ってきます。
       巨大知性体の厳重なセキュリティなど無かったかのように簡単に侵入してきたのです。
       しかも、メッセージの相手は巨大知性体ではなく、人間なんです。
       巨大知性体など『計算機』扱いされて鼻もひっかけられないのです。
       プライドを傷つけられて激怒する巨大知性体なのですが、アルファ・ケンタウリ星人には手も足も出ないのです。

       その他、不思議な作品がぎっしり詰まっております。
       時にユーモラスな語り口であり、または非常にクールな書き方がされている作品もありで、ヴァラエティ豊かです。
       いや、これまで円城塔さん、読んでいなかったのですが、これはちょっと本腰を入れて読もうと思いましたよ。


      読了時間メーター
      □□□□    むむっ(数日必要、概ね3~4日位)
      >> 続きを読む

      2021/03/19 by

      Self-reference engine」のレビュー

    • 評価: 3.0

      この物語を正しく理解できる方を、僕は巨大知性体と呼ばせていただくことにします。
      少なくとも、SF初心者の僕には早すぎる作品でした。
      再読必至どころではない…正直五回読んだって正しく理解できる自信がありません。
      とにかく難解でした。
      とはいえ、決して読みにくかったという訳ではありません。
      むしろ軽妙でユーモラス、ちょっと古風な匂いさえする文章は、むしろ親しみすら湧くほど。
      だからこそ、自分は何を読み落としたのか、何を理解できなかったのか、ホトホト頭を悩ませてくれます。
      仕方ないのでこの世界のイベント後にもう一度読みます。
      >> 続きを読む

      2014/11/03 by

      Self-reference engine」のレビュー

    • たくさん本を読まれている豚山田さんがそこまで難解と感じる本…難しそうですが、チャレンジしてみたいような気もします…! >> 続きを読む

      2014/11/03 by chao

    • 難解な作品だと著者に直接質問したくなりますよね!
      どんな内容なのか気になります!

      2014/11/04 by nekkoko


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